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概要編集

熊之股鍵次による漫画作品で、週刊少年サンデー小学館)にて2016年24号から連載開始。

また、小学館が運営している電子漫画サイト「サンデーうぇぶり」でも連載中。


RPG的ファンタジーな世界観から成り立っており、「魔王が勇者との戦闘バランスやフラグを管理する」「蘇生の概念が存在し、死生観が緩い」「布や綿などの資材は魔物の肉体からはぎとるもの」など王道ファンタジーを皮肉るギャグが特徴的。


デビュー作の時から担当をしている編集者から「何を描いてもマニアックなものになるから学園やRPG世界のようなメジャーな舞台にしよう」「魔王城で囚われの姫が安眠を模索する話ってどう?」と言われ、そのまま採用して生まれたのが本作である。


その時熊之股はRPGをやったことがなかったため、当時の最新作『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵』を途中まで遊んでネームを作った。ちなみに、本作以前に女性キャラクターを描いたことがなかった模様。


ストーリーについて編集

作中の世界観・背景がやたら練り込まれており「世界を実効支配する人間VS人間によって排斥され厳しい暮らしを余儀なくされている魔族」の非常にシリアスな物語が展開されている。


ストーリー構成は「スヤリス姫が人質なのに好き放題する」フェーズ1、「スヤリス姫が魔族との友好関係を築いていく」フェーズ2、「姫が対立関係にある魔族と人間の関係性を解消するために奮闘する」フェーズ3。


そのため、本作は「スヤリス姫があの手この手でよりよい安眠を求めて奮闘するショートコメディ」なのだが、スヤリス姫は物語が進んでいくにつれ徐々に安眠と同じくらい「魔族と人間の友好関係」を求めるようになる。


新キャラも初期の頃は魔物らしい魔物(「おばけふろしき」や「ネコスタンプ」など)が大半だったが、ストーリーが進んでいくにつれ「さっきゅん」や「オーディール」のように一癖も二癖もある人間臭くて個性的な面々が増えていく。


そして、現在では『あれ?「魔王城の人質が安眠を求めて奮闘する話」じゃなかったっけ?』と思うほど、読者の度肝を抜く同人誌顔負けレベルのバラエティ豊かな展開が繰り広げられている


即ち「魔王城でおやすみ」はまさかの展開満載な「公式が最大手」の体現者』と言っても過言ではないギャグマンガで、単行本には熊之股がTwitterで募集した質問に答えたりする「質問コーナー」や描き下ろしのおまけマンガが収録されているため裏設定も満載なギャグマンガといえる。


あらすじ編集

第1巻~第3巻編集

かつて、人と魔が交わり共に存在していた時代。

人類統一国家「カイミーン国」の王女「オーロラ・栖夜・リース・カイミーン(スヤリス姫)」は、突如人質として魔王城にさらわれてしまった。

民が悲しみに暮れ姫の安否を憂いでいる中、アカツキ率いる勇者一行が名乗りを上げ、スヤリス姫を救出するために魔王城を目指して旅立った。

一方その頃、スヤリス姫は退屈で仕方ない日々を送っていた。


…寝る以外…することがない


当の魔王・タソガレはスヤリス姫を手厚く扱っていたが、スヤリス姫は「周囲には常に監視の目があり、寝具の質も前に比べて悪くさっぱり安眠できた例がない」と苦悩する。

そこでスヤリス姫は、魔王城内にいる魔物の毛や針を使って、寝具を自作する事をひらめく。

かくして姫は給仕の「でびあくま」から鍵を手に入れ脱獄、寝具の素材集めを始めるのだった。

寝具と自室の環境を整えたスヤリス姫は、その後もさらなる快適な住環境の獲得に向けて邁進し、魔物たちは毎日振り回される事になる。

そしてその安眠への情熱は、アカツキの魔王城到着を知らぬ間に遠ざけていたが、勇者一行は着実に魔王城へ歩を進めている。


第4巻編集

ある日、スヤリス姫は魔王城の現状に不満を持つ十傑衆の一人・ハデスの住む旧魔王城へさらわれてしまった。

それでも動じないスヤリス姫は旧魔王城ですぐにまた寝具素材集めの探索を始める。

その後、スヤリス姫は魔族たちは皆「スヤリス姫不在の間にこれまでスヤリス姫に振り回されていたが、意外とその生活を楽しんでいた」と気づく。

魔族たちは今後勇者がやって来ても、スヤリス姫を奪われないように強くなろうと思うようになり、こうしてスヤリス姫と魔族たちは意外な形で絆を深めるのだった。


第5巻編集

ある時、魔族たちは「人質強化週間」としてスヤリス姫が人質である事を自覚させるため彼女が何をしても無視するという活動を始める。

しかし、スヤリス姫はまるで意に介さず、ハデスの提案で仕事を与えてもダメ。

業を煮やした魔族たちはとうとう最終手段として、魔王城の捕虜の姿を見せ「本来人間とはこのように魔物を忌み嫌う存在である」と伝えようとする。

スヤリス姫はとりあえず魔物を嫌う人間の演技をしてみせるが、なぜかスヤリス姫の演技に魔族はタジタジ…。

スヤリス姫は魔族に疑問を抱きつつ、「そもそも自分は魔族たちを恐れる必要がない位彼らを信頼している」と気づくのだった。


第6巻編集

ある夏の日、魔王一行はスヤリス姫が欲しがっている安眠枕を求めて人間界にある魔王城最寄りの都市・オワリノシティに到着。

そこでは人間たちが魔物へ遠回しに強い憎しみを抱いていた。

しかしタソガレは、「たとえ人間に憎まれたとしても、魔族の代表と人間の代表が正面からぶつかり、明確な決着をつけない限り現状を変えるのは難しい」と考えていた。

そして、スヤリス姫はハロウィンの仮装が因縁でそっくりさんな悪魔族の少女・さっきゅんと友達になる。


第7巻編集

クリスマス目前のある日、スヤリス姫はクリスマスプレゼントとして「実家に帰りたい」という手紙を差し出した。

仕方なく魔王・タソガレとあくましゅうどうしは、念のため(?)さっきゅんも連れ、四人で人類統一国家「カイミーン」のスヤリス姫の自室へ向かう。

しかし、ちょうどそこにスヤリス姫の母・「オーロラ・音無・リース・カイミーン」女王が現れ、さっきゅんをスヤリス姫と取り違えてしまう。

正体が暴かれればさっきゅんが殺されてしまうため、三人は女王を追って必死に城の奥へ入っていく中、さっきゅんは国民に向けて帰還を知らせるスピーチをする羽目に…。

しかしそこへ颯爽とスヤリス姫が駆けつけ、「魔王にさらわれ、魔王城内で魔族と交流するうちに、自分は魔族の優しさを知った。そして次第に魔族と人間の懸け橋になりたいと思うようになったので、まだ「カイミーン」には戻れない」と国民たちに声を上げる。

さらに、再度魔王に捕らわれたように自作自演する事で何とか場を収めたスヤリス姫ご一行は魔王城へ帰還するが、結局防寒具は回収し忘れてしまう…。


第8巻~第13巻編集

その後もスヤリス姫は日々の日常、新人魔物研修旅行、魔王城大納涼祭にて魔族との交流を深め徐々に自分自身の存在意義を確立させ、魔王城のボーナスカットにより魔族たちが意気消沈としている中、華々しい活躍を見せる。

また、タソガレも父・ウシミツに諭されて「優しい魔王」を志すようになる。


夏季強化合宿にて二人の思いは交錯し、お互いに「優しい王女/魔王の在り方」を明確化する。

その二人の思いは、姫が好きすぎて他の男への嫉妬心が収まらなくなったあまり辞表を置いて失踪してしまったあくましゅうどうしの心を救った。


第14巻~第20巻編集

はりとげマジロの実家に向かって年を越したり、魔王の幼馴染み・ゼツランと親睦を深めたり、ひょんなことからのろいのおんがくかと時間遡行を体験したり、王立魔族学園の視察に向かったりと、スヤリス姫の「魔族と交錯する思い」、魔王タソガレの「優しい魔王の威厳」は次第に向上していく。


第21巻~編集

スヤリス姫は野宿する羽目になってしまった魔族たちを助けたり、十傑衆・シルモスの心を開いたり、神族の信仰をアイドル活動によって高めたり、冥界に君臨して魂で寝具作りをしたり(!?)と、今日も安眠にかける愛で世界を救い続ける。


タソガレもまた「優しい魔王」として「人間を知る努力」を確立させるために、自分のファンであるヘタレな鳥獣飯店のボス・ヤタガラスを叱咤激励するなど、個性的な魔族たちに愛を込めて接していく。


その後も最後の十傑衆・ザスタルの歓迎や人間界の学校への視察、反魔王勢力「妖宴座」との諍い、波乱の魔王城全体会議など見どころ盛り沢山。


登場キャラクター編集

魔王城でおやすみの登場人物一覧を参照。


他作品とのコラボ編集

「魔王城でおやすみ」は以下のように様々な作品とコラボしていたりする。

  • 古見さんは、コミュ症です。:両作品は作者が「もしも、お互いの漫画世界に両作品のヒロインがやって来たら…」という設定のコラボ共作を執筆した。
  • KYUNPAD:バレンタインチョコの渡し方漫画レシピサイトにて、特別描き下ろし漫画が公開された。
  • ドラえもん:第188夜に登場(当時のサンデーはドラえもん50周年記念号だった)。
  • トニカクカワイイ:2020年に両作品のTVアニメが10月より放送されることを記念し、熊之股鍵次が「トニカクおやすみ」畑健二郎「魔王城でカワイイ」と題したコラボマンガを執筆した。
  • よふかしのうた:第319夜にて前話で動揺が募り病んでしまったタソガレを元気づけようと姫が吸血鬼の少女のコスプレをするが…。
  • 葬送のフリーレン:「睡眠のスヤーリス」と題したパロディギャグがある。


テレビアニメ編集

2020年10月からテレビ東京AT-XおよびBSテレ東にて放送された。

アニメーション制作は動画工房


テレビ東京での最終回は先週の放送が急遽ゴルフ番組を放送した件で延期になったため、2話連続での放送となった。


主題歌編集

「快眠!安眠!スヤリスト生活」

スヤリス姫水瀬いのり)によるオープニングテーマ。作詞・作曲・編曲は新田目駿。


「Gimmme!」

ORESAMAによるエンディングテーマ。作詞はぽん、作曲・編曲は小島英也。

ラジオ編集

魔王城のラジオでおやすみ

魔王タソガレ役の松岡禎丞がMCを担当。放送局は超!A&G

YouTubeチャンネルの『Anime Channel by フリュー』にてすべての回がアーカイブ化されている。⇒チャンネルリンク

ちなみに、アーカイブ版は超!A&G版でフェードアウトして終わっていた最後のトーク部分も聞ける。


ゲスト一覧

全13回


関連イラスト編集

センシティブな作品

誕生日おめでとう!4周年おめでとうございます🎉🎊


関連動画編集

PV第一弾

ニコニコ版はこちらから


PV第二弾


外部リンク編集


関連タグ編集

少年サンデー 小学館


魔王城でおやすみ100users入り 魔王城でおやすみ500users入り

魔王城でおやすみ1000users入り 魔王城でおやすみ5000users入り

魔王城でおやすみ10000users入り


コラボタグ編集

魔王城でおやすみパロを参照。


グループ・カップリングタグ編集

魔王城でおやすみのグループ・カップリングタグ一覧

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