概要
魔王学院、デルゾゲード魔王学院と呼称することもある。
魔界ディルヘイドの首都、ミッドヘイズにあるディルへイドの領土を収める支配者階級「魔皇」を育成を目的とした魔族の学校。しかし魔王が転生するとされる時期が近づいたことで、その器となるべき優秀な魔族を選抜する役割も担う。
校舎は神話の時代、アノスが居城としていた魔王城デルゾゲードをそのまま利用している。
予言の年に当たるアノスが入学した特に優れた才能を持つ同期生の魔族は「混沌の世代」と呼ばれている。
詳細
魔王学院へ入学できるのは魔族の中でも魔王の始祖の血を引く「魔王族」のみとなっている。
魔王の始祖の血を引き魔力を持った魔族に、使い魔のフクロウから待状が送られる。招待状を受け取った受験生は、五人の受験生と戦う「入学実技試験」に合格することで入学が認められる。その後、各々の持つ魔力量を測る「魔力測定」、魔王に関する知識を問う「適性検査」を経て適正が調べられる。
転生について詳しく伝えられていない魔法の時代では「魔王の血を濃く受け継ぐ者こそ高貴な存在」「暴虐の魔王は始祖の血を完全に受け継ぐ皇族に転生する」というのが半ば常識となっていることもあり、混血の魔族が「魔皇」となった前例はない。
関連用語
白服・黒服
二種類ある魔王学院の制服及びそれぞれを着用している生徒を指す言葉。純血の魔王族である皇族の生徒は「黒服」、それ以外の混血の生徒は「白服」を着用する。言葉自体が一種の差別用語として使われており、黒服が優位で白服が差別されるヒエラルキーが生じている。
制服の校章には多角形や芒星の烙印が押されており、魔力測定、適性検査の結果が良い生徒ほど頂点の数が多い。しかし、アノスの校章には十字の烙印が押されており、魔皇の適性が全くない「不適合者」の烙印となっている。
魔王族で魔皇の適性がないと判断された者はいままでおらず、不適合者の烙印を押されたのは魔王学院でアノスが初めてである。
入学試験
実技試験
魔王学院の受験生に課される試験。受験生同士が決闘を行い、五人勝ち抜けば合格で一度でも敗北してしまうと不合格になる。武器・防具・魔法具の使用が認められており、勝敗は「どちらかの死亡」か「ギブアップの宣言」の二通りで決まる。特待生である皇族は試験を免除されるが、希望者は受験できるため、力を誇示する目的で受験する者もいる。
魔力測定
入学者が受ける検査の一つ。受験生が魔力水晶に手を触れることで、その者の持つ魔力量が数字として鏡に映される。アノスが検査を受けた時は、彼の規格外な魔力量に水晶が耐えきれずに砕け散り、魔力量は「0(測定不能)」と表示された。
適性検査
入学者が受ける検査の一つ。検査用の魔法陣の中心に立った受験者の思念を読み取り、思考がどれほど暴虐の魔王に近く、魔皇の適性があるかを計測する。また、<思念通信(リークス)>の応用で受験者に問題を出し、暴虐の魔王に関する知識の確認をする。暴虐の魔王に関する事柄のほとんどが誤って伝えられていたことで魔王本人であるアノスの本来正しい解答はほとんどの問題で不正解と判定された。