プロフィール
誕生季 | (公的には)春 |
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属性 | 全属性 |
所属領 | エーレンフェスト→アレキサンドリア(予定) |
階級 | 領主一族 |
役職 | 領主候補生、神官長 → 領主候補生、領主の婚約者 |
瞳の色/髪の色 | 薄い金色/薄い水色 |
CV | 速水奨(TVアニメ以降)、櫻井孝宏(ドラマCD1〜2) |
概要
第1部のラストから登場する本作のメインヒーロー、エーレンフェスト神殿の神官長を務める青年。領主一族の出身であり、領主の異母弟。
神官長としての仕事の傍ら、騎士団任務への随行や領主の執務補助も務める極めて優秀な人物。
主人公ローゼマインの保護者であり後見人であり主治医、そして手綱。
重度なストレスを伴う生活を送っており表情のや感情の変化に乏しいために老けて見られがちだが、初登場時点ではまだ20歳である。
容姿
瞳は金色で、薄い水色の髪が肩口で切りそろえられている。
細身であり高身長。美形揃いな貴族の中でもかなりの美形であり、女性たちの憧れの的。
しかし、普段は無表情もしくは眉間にシワを寄せた不機嫌そうな表情をしている。これが普段の表情であり決して不機嫌なわけではない。
機嫌が良いときにはまるで魔王のような邪悪な笑みを浮かべ、不機嫌になればなるほど爽やかなイケメンスマイルを見せる為、傍から見れば表情や感情が極めて分かりにくい。
美味しいものを食べると、ほんの少しだけ口角が上がる。
人物
概要の通り、神官長としての職務をこなす傍ら、要請があれば騎士団任務に随行し、領主からの密命もこなし、元平民のマインをどんな貴族の前でも完璧に見えるよう育て上げるチートクラスに優秀な人物。
どのような依頼であっても課された任務は完璧にこなすため、多方面から絶大な信頼を寄せられている。
しかしその一方、自分はもとより周囲の人間にも同レベルの仕事を求める完璧主義者であり、その評価基準は極めて厳しい。「他人に任せるよりも自分でやった方が早い」と言って大量の仕事を抱え込み、結果激マズ回復薬を使って無理やり体調を整えながら仕事をするほどの苦労人でもある。
そんな生活の為か、他人に仕事を任せたり、仕事の空き時間が出来ると逆に落ち着かなくなってしまうらしく、その時間を魔術研究や神官の教育計画にイキイキと費やしていた。
作中では以下のような評価が見られる。
「フェルディナンド様がいなければエーレンフェストは成り立たない」
「フェルディナンド様の教育を受ければ嫌でも優秀になる」
「神官長マジ万能」
「騎士団でも熱血指導のフェルディナンドが子供の教育をしていると聞いたときは耳を疑った。絶対泣かせていると思っていた」
「笑顔、怖いっ!!」
以上の功績や学生時代の伝説から付いた二つ名が「エーレンフェストの魔王」。
一見、欠点の無い完璧超人のようだが、実は研究者気質であり、研究にのめり込むと寝食を疎かにする悪癖がある。仕事が立て込んだり研究が佳境に入ると、薬を多用し平気で食事や睡眠を削る。20歳にもかかわらずマインに30代だと間違われたのも、この不摂生が原因。
普段は暴走しがちなローゼマインの保護者だが、こと寝食になると逆に彼女に世話を焼かれている(本人は不服)。
また、特殊的な生い立ちのこともあり大切な存在に対してやや過保護という節がある。たとえばトラブルメーカーかつ巻き込まれ体質のローゼマインに常時持たせるお守りが大量&強力すぎて周囲に驚愕される。
過去
エーレンフェスト前代領主とある女性の間に生まれた子供。過酷な境遇で生きていた幼いフェルディナンドは、未来的にエーレンフェストを守る役割を担うだろうという時の女神の導きにより洗礼前後くらいの年齢で父親に引き取られ、エーレンフェストに連れて来られる。
しかし領主の妻・ヴェローニカはもろ事情により身内の中でもお気に入りや己の腰巾着・取り巻き以外に対して横暴的な態度を取りがちで、他の女性から生まれたフェルディナンドを実子のジルヴェスターにとって脅威になり得ると判断して養母となることを拒んだ。そのためフェルディナンドは母親のいない(=後ろ盾のない)子供として領主一族に洗礼式を受け、非常に弱い立場に立たされる。
全面的にヴェローニカにいびられ、夫や息子の目を盗んでは心身的な虐待をする彼女の元に育ち、一度気を緩めたら命が危ぶまれる環境に育つ。貴族院に入学する10歳になる頃には身の安全のために一年中貴族院で暮らすようになる。
この過酷な幼少期を過ごしたフェルディナンドは、基本的に他者を信用しておらず、貴族の側近にも名を捧げ文字通り命を預けるものでなければ雇い続けない。
信を置いているジルヴェスターやカルステッドにすら伏せている話が多く、排他的で自己完結しがちな性格は、ヴェローニカによって形成されたと言える。
領地では常に迫害を受けながら暮らしたフェルディナンドだが、貴族院にいる間は割とのびのびと過ごしていたらしく、側仕えにあたるユストクスが複数のコースを学んだ前例を知って領主一族の授業と同時に騎士と文官のコースを学ぶ。
寮監のヒルシュールに弟子入りして研究三昧の生活を送り、学園生活の中にその優秀さで目立ち様々な伝説を残す。他人では扱えないような魔術具を開発したり、学園のスポーツにあたるディッターでの悪辣な策士っぷりで他領の生徒と好相手関係を結び、満喫した日々を過ごす。
しかし貴族院を卒業するとヴェローニカの虐待や排除未遂が加速する一方で、病気に伏せる父親と異母兄が彼を庇いきれなくなる。そのためフェルディナンドは政治に参加してジルヴェスターの立場を脅かすつもりがないのだと示すために神殿に入る。
神殿では神殿長として君臨するヴェローニカの弟・ベーゼヴァンスに睨まれるも比較的穏やかに過ごすことができたフェルディナンドだったが、それは束の間の安らぎでしかなく、中央の政変が終わると神殿から多くの青色神官が中央神殿へと送り出されたり貴族に復帰したりといなくなる。人員不足の神殿にフェルディナンドは神官長の立場にあがり、神殿のほとんどの執務や魔力奉納を担う羽目になる。
そんな時にフェルディナンドはマインと出会い、人生の機転を迎えるようになる。
特殊な生い立ちのせいで他人のことを信頼することがほとんどできず、さらにヴェローニカや貴族院で経験した他領ダンケルフェルガーの領主候補・マグダレーナとのいざこざで抱くようになった女性に強い苦手意識を覚えるフェルディナンドだった。
しかし裏表のない平民であるマインは感情をストレートに表現するため、貴族的な腹の探り合いをせずとも疑うはずもない。さらにマインは精神が20代前半の大人で、異世界の知識を持ち特異的な発想をするため知識欲の強いフェルディナンドにとってはいい刺激になり、マッドサイエンティストの心をくすぐる。
また、トロンべ討伐の騒動の際に、記憶を覗く魔術具でマインの内面を知ると「少なくとも裏のあるような人間ではない」と確信を抱き、親族であるジルヴェスターすら知らないような側面をマインに見せるようになり、徐々に心を開いていく。
何より、マインとその家族の触れ合いや絆を見たフェルディナンドは、貴族世界ではありえない「家族」の形を知ることで、平民の家族の在り方について強い興味を持ち、家族そのものに対する憧れが芽生える。
能力
莫大な魔力を持ち、騎士として戦っても一流、研究者としても先進的な魔術具をいくつも開発し、文官仕事を一手に引き受け、ディッターでは巧みな用兵で格上の領地相手に勝ちをむしり取る…と、およそユルゲンシュミットにおいて評価される、ほぼすべての分野で高い実力を備えている。
エーレンフェストでは城、騎士団、神殿のすべてで重要な役どころに就いている上、問題児であるローゼマインの監督役兼主治医兼教師も務める。
その実力は他領にも広く知られ、貴族院では(真偽不明の)フェルディナンド伝説が大量に出回っていた。
良くも悪くも知名度が高いため、フェルディナンドの話題を喜ぶ相手もいれば、望まない相手もいるほど。
その能力の高さと、ジルヴェスターの異母弟、つまり領主候補生であることから、客観的に見ればエーレンフェストの領主としての適正は極めて高い。
ジルヴェスターが領主候補生に内定していたこともあり、アウブの地位を望んでいないことを対外的に示すため青色神官として神殿入りした。
前神殿長がいた頃は自由に動けなかったが、彼が更迭されローゼマインが神殿長に就任したあとは、その辣腕ぶりを神殿内でも発揮している。
余談
フェルディナントという名前の由来は「大胆な保護者」の意。らしい。
……さもありなん。
なお、テレビアニメ版では1話からナレーションとの2役で登場する。何故2役扱いなのかは、ネタバレになるので自身の目でご確認していただきたい。