プロフィール
概要
「本好きの下剋上」に登場するエーレンフェスト領主。
フェルディナンドの異母兄であり、ローゼマインを養女に迎える。
貴族にしてはノリとフットワークが軽い変わり者。
人物
母はヴェローニカ、異母弟はフェルディナンド。
妻のフロレンツィアを溺愛し、子にヴィルフリート、シャルロッテ、メルヒオールがいる三児の父。
マインからの評価は「小学生男子」。ノリが軽く落ち着きがない。何にでも興味を持ち、すぐちょっかいを出す問題児。楽観的で迂闊なガキ大将気質。
貴族にしては情が深く身内を大事にするタイプ。異母弟であるフェルディナンドも同腹兄弟のように大事に思っており信頼している。異母弟フェルディナンドと従兄弟カルステッドとは特に仲が良く、私的な場所では礼儀を拝した遠慮ないやり取りをするなど信頼している。
しかし、その情の深さは母ヴェローニカにも適用され、長らくヴェローニカの横暴を諌めきれずフェルディナンドやフロレンツィアに苦境を強いた原因にもなっていた。ジルヴェスターもそんな母の圧政と自分の不甲斐なさを苦々しく思っており、何度も母の権威を削ごうとしては阻止されていた。
フェルディナンドからマインの話を聞き、その特異性に目を付けエーレンフェストの利益にするべく取り込みに同意。マインに養子縁組契約のお守りを渡し、ビンデバルト伯爵が神殿に押し入った際にはマインを養女とする旨を告げ、裏で暗躍していた母を公文書偽造の罪で断罪する。
ローゼマインとしての洗礼式では、彼女の魔力量と孤児院の功績を「エーレンフェストの聖女」として大々的に喧伝した後、彼女が生み出した製紙業・印刷物業をエーレンフェストの主幹産業にすると宣言した。
自身が姉弟での後継争いに煩わされてきたため、子供たちを争わせないよう長男ヴィルフリートを早くから次期領主に指名。しかしヴェローニカにヴィルフリートの養育権を取り上げられ、その上自分に都合の良い領主になるよう甘やかされ育てていた事実に長年気付いていなかった。ローゼマインのおかげで2度も廃嫡から救われたが、それでもヴィルフリートは一生消えない瑕を負い、以降も甘やかされた弊害の教育不足に頭を悩ませる。また、ヴィルフリートを早々に次期領主と定めたため、対抗馬として育てられたシャルロッテの夢も意図せず摘んでいた(皮肉にも自分を虐めていた姉ゲオルギーネの置かれた立場に酷似している)。
妻であるフロレンツィアを心から愛しており、貴族にしては珍しい恋愛結婚。当時学生だったフロレンツィアに惚れ、その心を射止めんが為あの手この手でアタックを繰り返していたなど、彼らの恋愛譚は貴族院では伝説となっているほど。
結婚後もその寵愛は変わらず、長らく周囲からの第二夫人を娶れという言葉にも耳を貸さなかった。が、旧ヴェローニカ派の粛正で暴走し始めたライゼガング派の勢いを無視できず、見かねたブリュンヒルデが第二夫人へ立候補。領主の寵愛を得るためでも、ライゼガング派の権威を強めるためでも無い、これから上位領地として渡り合っていかなばならないエーレンフェストの発展のためだと宣言し、遂にジルヴェスターも彼女を第二夫人として迎える覚悟を決めた。
たびたび護衛を巻き仕事から逃げ出しては弟に尻拭いをさせるなどお調子者で頼りない面も多々あるが、領主としての責務や本当にやるべき事からは逃げることはしない。フェルディナンドやカルステッドもそこを評価し、彼を領主として認めている。また、身内やエーレンフェストを守るためならば自身がいくら泥を被ろうとも構わないとう覚悟もしており、ローゼマインが中央や大領地の圧力から奪われそうになった際には彼女を守るべく奔走した。
そういった点から、舞台がエーレンフェスト内で完結する序盤ではお調子者のガキ大将の面が強く、舞台が貴族院や国内全土となる中盤以降ではローゼマインの暴走と上からの圧力に振り回される中間管理職の面が強い。