概要
単行本全二巻。短期終了ながら人気があったらしく、コミックスが幾度も重刷され連載終了後にも読み切り作品「帰ってきた地獄戦士魔王」がジャンプに掲載された。
ストーリー
500年後の世界征服を目論む悪魔・田中魔王はその征服の拠点をポンポコ市に定める。しかし、学校で勉強して、友達も作りたい彼は聖ポンポコ学園に入学。その上、500年後の世界を住みよくするため、今のうちは人のために奉仕することを誓う。今日も魔王は下僕の野獣たちを引き連れ世界征服を目指し、日夜奉仕活動に励むのだった。
作風
ブラックユーモアをベースにしつつ、「ファンタジーの出来事(シリアス)と期待させて現実の出来事(ギャグ)だった」「ある絵や文章でいい出来事と期待させて、似た外見や響きの嫌な意味だった」という引きとオチを多用するのが特徴で、後々近い用法がシリアス漫画や萌え日常系でも見られるようになった(短いターンのものは昔の漫画にも見られた)。
少女漫画で定番だった「ギャグシーンで主線が太くなり、ラクガキタッチで崩しにかかる」という手法も使われている。
内容の黒さと相反するように絵柄とキャラクターが大変かわいらしいのも特徴である。
登場人物
田中魔王
本編の主人公の悪魔。召喚士の田中父三に魔界から召喚され、親子の契約を結ぶ。500年後の世界征服を目論んでいるが、学園ではみんなのために日夜奮闘する。清掃活動や犯罪者の逮捕など、社会に貢献する。
田中父三
田中魔王の父親。日本で唯一のサラリーマン召喚士。召喚してしまった魔王と親子の契約を結ぶ。現在も契約は更新中である(洗剤つき)。
野獣
魔王の下僕。クマとネコとイヌを合わせたような造形をしている。序盤には何匹も登場していたが、途中から一匹しか登場しなくなった(フグ鍋を食べた頃を境に一匹しか出なくなった為、この時に他の野獣が全員死んだという説がある。)。中盤以降は首にスカーフを巻いて乳首に星マークの入った個体がよく登場した。死肉(実態はただの骨つき肉、価格4ペソ)好きで、魔王によくねだる。「キュー」と鳴く。基本的な戦闘能力はほとんど無いが、死肉絡みになると驚異的な力を発揮する。この作品のマスコット的存在で、読者から自作のぬいぐるみが贈られる程人気が高い。
名無コン平
聖ポンポコ学園生徒。クラスの中心的存在だが、基本的にバカで成績も良くない。粗雑な面もあるが、面倒見がよいので「親分」と呼ばれている。転校してきた魔王のことを最初は嫌っていたが、針治療を始めさまざまな魔王の善意を受け、魔王のことを認めるようになる。ヘヴィメタルを好んでいる。
大麻ラリ太
聖ポンポコ学園生徒。コン平のことを慕い、行動を共にしている。下品なネタや、少年誌にあるまじきネタを考えたりするスケベである。家族に母・このみがいる。顔立ちがやや動物っぽい。
得糞シス人
エクソシスト。33歳。シス子とよしおの父。魔王を退治にやってきた。元コマンドー。
得糞シス子
「キャー」が口癖の女の子。得糞シス人の娘で、エクソシストの見習い。悪魔である魔王を退治するためにポンポコ学園にやってきた。しかしながら魔王たちと行動をともにすることが多い。ペットの鳥を引き連れているほか、頭の上には雛鳥(?)が乗っている。甘いものと美少年が大好き。
得糞よしお
得糞シス人の息子で、シス子の弟。まだ3歳くらいだが、シス子とともに学園生活を送る。父親似で、姉のシス子とは似ていない。幼いだけあってかなり頭が弱い。目を瞑る事は出来るが、寝る時も目を開けている。
保似井テル美
聖ポンポコ学園生徒。ポニーテールの女の子。美人で優等生だが、影が薄い。
破足ジョー
人里離れた森に住む世界最強を目指す格闘家。ポンポコ市の街並みに呆れている。自分を負かせた野獣を師匠と呼んで慕うようになる。テル美に惚れて振られてしまったこともあり、修行関係者以外の人間関係には疎い。
余談
- 聖ポンポコ学園は学部が明かされておらず、登場人物が種族も頭身もバラバラなため、一部の登場人物の年齢は不明となっている。後に作者が執筆した中学が舞台の読み切りでは登場人物がラリ太やシス子除くレギュラーより頭身が低めだったため、高等部が中心だと思われる。
- ポンポコ市は現実にはあるまじきイカれた街並みで、動物に似た人間、人形に似た人間、魔王や宇宙人が横行しており、魔界だけではなく地球も「地球に似た異世界」が舞台の可能性がある。
- WJのギャグ漫画の例に漏れず、しょっちゅうメタ発言が出る作品である。
- 究極!!変態仮面と並ぶ連載終了後もカメオ出演がある読み切りが描かれた変わり種のギャグ漫画である(『帰ってきた地獄戦士魔王』は地続きの続編、『NO FUTURE ママ子ちゃん』はカメオ出演)。
- 地獄先生ぬ~べ~と一緒に同じ号で不幸の手紙の話をやったのは有名な話である。
- ギャグシーンで出る数字関係はまったく考証がなされておらず、考えるより感じろということらしい。