プーと大人になった僕
ぷーとおとなになったぼく
2018年公開の実写映画。
原題は「クリストファー・ロビン」。
大人になって子供心を忘れてしまったクリストファー・ロビンが、プーさん達、100エーカーの森の仲間達との再会・交流によって、失われていたものを取り戻していく、心温まる映画。
クリストファー・ロビンは幼少期、100エーカーの森でくまのプーさん等、森の仲間達と楽しく遊んでいた。
しかし、彼が寄宿学校に入ることになり、彼らと別れることになる。
やがて父親が亡くなり、学校を卒業し、結婚、徴兵、終戦を経て、子供にも恵まれ、何不自由なく過ごしていたが、その一方では数々の『現実』を目の当たりにし、経験していった事で、かつてのプー達との思い出や、想像力、遊び心といった無意識の内に忘れてしまったものも少なくなかった…
そして、最近では終戦間近の不況で務めていた鞄メーカーでは激務に追われ、家族と交流する時間もなくなってしまい、妻からも「笑わなくなった」と指摘されてしまう。
そんな時、プーがいきなり彼をたずねてやって来てしまう。
クリストファー・ロビン(演:ユアン・マクレガー、吹き替えCV:堺雅人)
少年時代に、サセックスのハートフィールドにある“100エーカーの森”でプーたちと過ごす。現在は、ロンドンにあるウィンズロウ商事のかばん部門で働いているが、そこへ至るまでの、学校生活や父親の死、第二次大戦への従軍といった経験から、すっかり厳しい現実に打ちのめされて純粋な心を失ってしまい、戦後不況や上司のパワハラ、家族関係に悩まされる社畜へと成り果ててしまっている。
イヴリン・ロビン(演:ヘイリー・アトウェル、吹き替えCV:園崎未恵)
クリストファー・ロビンの妻。
クリストファーとはロンドンのバスの中で出会わせたのをきっかけに恋愛結婚した。
仕事ばかりのクリストファーを案じながらも、変わってしまった彼に対して憂鬱な想いを抱えている。
マデリン・ロビン(演:ブロンテ・カーマイケル、吹き替えCV:遠藤璃菜)
クリストファー・ロビンとイヴリンの娘。
両親から現実的な教育を施された事でどこか冷めた様子を見せる反面、父親の描いた絵から覚えがあったプー達をあっさり受け入れたり、プー達と共にハートフィールドからロンドンまで向かうなど、父親ゆずりの想像力と包容力、行動力の持ち主。
クリストファーに言えずにいることがある。
ジャイルズ・ウィンズロウ(演:マーク・ゲイティス、吹き替えCV:坂東尚樹)
クリストファー・ロビンの上司で、ウィンズロウ商事社長の息子。本作のディズニーヴィランズ。
自分の立場をいい事に、売上が伸び悩んでいるクリストファーの部署に強引な予算削減やリストラ案を持ちかけるだけでなく、仕事をクリストファー一人に押し付けて自分はサボるなど典型的な親の七光りのブラック上司であり、社員達からも嫌われている。
いつもハチミツの事ばかり考えているクリストファー・ロビンの親友。
クリストファーが100エーカーの森から去る前に、お互いに忘れないようにしようと約束しており、クリストファーがいなくなってからも100エーカーの森と外界を繋ぐ扉の前で彼が帰ってくるのを待ち続けていた。ひょんな事から、扉を経て、クリストファーが暮らすロンドンへとやってきてしまう。
他の100エーカーの森の仲間達が大人になったクリストファーと再開した際に、同一人物となかなか信じなかったのに対し、プーだけは出会って早々に彼がクリストファーだと気づいた。
プーのことが大好きな、心優しいがとても臆病なコブタ。
お調子者で、いつも陽気。飛び跳ねる事が大好きなトラ。
シッポをよく失くす、ネガティブだが、おっとりしたお人好しのロバ。
100エーカーの森に久々にやってきたクリストファーと(プーを除いて)最初に再会する。
終盤ではクリストファーにやりこめられたジャイルズを睨みつけてダメ押しした。
神経質で仕切り屋なウサギ。
物知りで喋り好きなフクロウ。
原因は不明だが、クリストファーが100エーカーの森に久々に足を踏み入れた時、自宅が倒壊していた。
100エーカーの森の仲間達を暖かく見守るカンガルーの母親。
クリストファーと再会した際には、彼の成長ぶりを感激していた。
ティガーを兄のように慕うカンガの息子。
ちなみに、クリストファー・ロビン役の俳優、ユアン・マクレガーの吹替は20年以上、森川智之がほぼ一貫して務めていた為、今回の起用および初来日を果たしたユアンに、今作のみ吹き替え担当である堺雅人を対面させるというプレミア試写会でのパフォーマンスには「森川さんを差し置いて、堺さんを『日本の吹き替え声優』として紹介するのは違うのでは?」などと、否定的な意見があった。また低音の森川と比較して、堺は高音であるためにギャップから「本編の吹き替えの声に違和感がある」という声も少なくなかった。また、前述の否定的な意見については2022年に森川がユアンとオンライン上で対面し、公認を得る機会があったことで多少和らいだと思われる。
今作の上映の直前に、中国のインターネット上のSNSで習近平国家主席がプーさんに似ている事を揶揄する書き込みが多数上がり、それに対して中国当局が激怒した結果、中国における今作の上映は見送られ、DVDなどの売買も禁止されてしまった。