概要
イギリスの童話『ピーターパン』に登場する悪役。本名はジェームズ・フック。
ネバーランドに巣食う海賊の船長。黒い髪と髭、右手の鉤爪(フック)型の義手が特徴。紳士のような立ち振舞を好むが、ピーターパンをひどく憎んでおり、彼を貶めるために様々な策謀を巡らせる。
HOOK
HOOKによると、ウェンディの中の父親像の化身とされる。
つまりウェンディの中の父親ジョージ・ダーリングのイメージ像であるようだ。
ピーターパンを最愛の娘を奪った憎き男として憎悪を燃やしているもののネバーランドに来たウェンディそっくりの孫娘モイラを娘として深く愛するようになる。そして再び娘をさらいに来たピーターパンに戦いを挑むも再び敗れてしまう。再度娘を連れ去られた彼が残した最後の言葉は『私から娘を奪わないでくれ、私を捨てないで欲しい』と船上でうなだれていた。
そして現実世界に帰り年老いたウェンディの父親ジョージ・ダーリングを老人ホームに入れる事無く自宅で面倒を見るという結末に落ち着く。結局、娘は夫を愛してはいるものの父親を捨てる事は出来なかった。
ディズニー版(メイン画像参照)
演:ジュード・ロウ(ピーター・パン&ウェンディ)
CV:ハンス・コンリード(第1作)、コーリー・バートン(第2作、ジェイクとネバーランドのかいぞくたち)、トム・ヒドルストン(青年期)
(日本語吹替:江原正士、大塚周夫(共に第1作、後者はキングダムハーツ2まで担当)→内田直哉(第2作以降の各媒体)、森川智之(ピーター・パン&ウェンディ))
『ピーターパン』およびその続編の『ピーターパン2』、その他ディズニー関連の複数の媒体に登場。
海賊船ジョリー・ロジャー号の船長で、相棒のミスター・スミーをはじめ荒くれ者の海賊たちを束ねる。かつてピーターパンに左手を切り落とされた挙句にチクタクワニのエサにされて以来彼をひどく憎んでおり、ネバーランドの何処かにある彼の住処を探ろうと模索する。
突き出た大きな顎に対して頭部は小さく、長い黒髪と細いカイゼル髭が特徴。また、原作と異なり左手が鉤爪となっている。赤いコートに羽根付帽子、腰にはレイピアを携えた紳士然とした姿をしているが、気性が荒く、何かにつけてスミーや海賊たちに罵声を浴びせて辛く当たる。同時に非常に狡猾でもあり、ピーターパンを誘き出すためなら女子供すら利用し、彼の相棒であるティンカーベルの弱みに付け入りピーターパンの居場所を聞き出している。
約束は破らないという性格上、ティンクから「ピーターには指はもちろん手の鉤も出さない」と約束した際には、ピーターの隠れ家に罠を仕掛け手の鉤すら出さずに抹殺を謀る(だが、事態を知ったティンクの自己犠牲により失敗)。
一方で、自分の左手の味をしめて追い回すチクタクワニにはめっぽう弱く、そのワニの体内にある時計の針の音が聞こえるだけで取り乱し、スミーに助けを乞う情けない醜態をみせたり、ピーターに敗北した際にはこれまでの罪の償いとして「俺はタコだぁー!!」と叫ばされるなど、どこか憎み切れない側面を持つ。
江原正士氏の吹き替えでは一部のセリフ、声色、演技力もあってどこかノリがいい。
『2』ではワニがどこかへ行方を眩ましたが、今度はピーターを葬るために自分が呼び寄せた巨大なタコに逆に食べられてしまい(というかたまたま口の中にフック船長が入った)何とか脱出したものの、案の定味を占められてしまい狙われる羽目に。
その後ピーターに奪われた宝を取り戻すためにジェーンを泣き落とし宝を探させる。その流れでは帽子の羽がペンを兼ねていた事が判明した。また、泣き落としの際にジェーンに自分の母親の写真を見せるが彼と瓜二つだった。
終盤ピーターにまたしても敗北し、「(立派な船長(大人)は船と一緒に沈むのが海の掟と言われて)立派な船長(大人)になんかなりたくない!」と嘆いた。なお良く誤解されるが、このセリフは彼の本音であり別にプライドを捨てた訳ではない。
本作以降の内田直哉氏による吹き替えは江原氏と大塚氏の声とノリを混ぜたようなハイブリッドな演技。
ゲーム『ミッキーマウス 不思議の国の大冒険』ではボスとして登場。ボスの中で唯一『ふしぎの国のアリス』のキャラではない。本作のラスボスはハートの女王であるため、ハートの女王の部下説が浮上している。
ゲーム『キングダムハーツ』シリーズでは、マレフィセント(眠れる森の美女)率いるハートレス軍勢の一人として登場。当初、マレフィセントの傘下にあったリクがワールドを移動するために彼の船が駆り出される一幕もあった。ハートの女王と共演しているが、接点はない。
幼児向けアニメ『ジェイクとネバーランドのかいぞくたち』では、デザインこそ原点である『ピーターパン』に共通しているが、原作ほどの悪さや暴力はしておらず、主人公のジェイクたちのライバルとしてちょっかいやイジワルをするが尽く敗北している。また、左手の義手をプロペラに変形させて空を飛ぶという芸当を見せた。
因みに日本語吹替を担当した大塚周夫氏は、TVアニメシリーズ『世界名作劇場』の第15作目『ピーターパンの冒険』でもフック船長を演じている(当然ながら本作はディズニーと無関係であるためコートが青かったり、ガッチリ体型だったりと、デザインは大きく異なる)。
ピーターパンの冒険
(画像右)
CV:大塚周夫
性格は残忍で部下達から恐れられている点とワニの体内にある時計の音を聞くと取り乱す所はディズニー版と共通しているが、こちらはガッチリ体型でコートが青い。綺麗好きで身だしなみにうるさく、コートを奪われただけで部下の前に出たがらない程(部下達はそれを良いことに勝手に酒盛りをしていた)。
自分の部下になりに来たジョンをテストして迎え入れようとする一面もある。
一番尊敬する人物は7歳の時に亡くした母親で、形見の懐中時計を寝室の宝箱にしまっている(蓋の裏には親愛なる息子へ贈る言葉が彫られている)。2番目がチャールズ2世。
ピーター達が時計欲しさにワニの体内から時計を回収すべく笑わせようとした事を聞くと時計の音もなしにワニが現れるのを恐れて形見の時計を譲った事があるが、フックの事を思ったピーター達に返された。