曖昧さ回避
- アラジンシリーズのキャラクター。 本稿で記述
- ゲーム『プリンス・オブ・ペルシャ』のラスボス。
私の概要だ!
砂漠の中にある王国「アグラバー」の国務大臣。表向きはこの国の王であるサルタンに忠実であるが、実際は国王の座を狙っている邪悪な魔法使い。
直属の部下にアラジンと因縁のある兵士のラズール一味がいるのだが、彼らはジャファー追放後にサルタン直属の部下になっており、ジャファーに計画は知らされていない模様。
声優
動向
魔術で老人に姿を変え、アラジンを唆して魔法のランプを手に入れようとするものの、アラジンがジーニーの力で王子に姿を変え、計略が頓挫して失脚。しかし、アラジンと喧嘩別れしたジーニーの新たな主人となることで、1つ目の願いで「アグラバーの支配者」となり、2つ目の願いで「世界最強の魔法使い」となった。
その後、ジャスミンとサルタンを助け出そうと王宮に乗り込んだアラジンを追い詰めるも、「お前を偉大な魔法使いにしたジーニーがもっとも強い」「お前は世界で2番目(の強さ)だ」という彼の挑発を受け、3つ目の願いによって自らを「真の世界最強の存在=ジーニー」にする事を願い、新たな魔人レッドジーニーに姿を変える。
しかしジーニーとなった事で「ランプの中に束縛される運命」に縛られてしまい、ランプの中に吸い込まれた末、ジーニーによってランプを砂漠のかなたに放り捨てられ追放された。
自らの強欲の為に終始ランプを利用し続けた結果、最終的にその強欲によって自滅するというこの末路は、最終的に「ジーニーを自由にする」という利他的な目的でランプを使用して本当に望んだものを手に入れられたアラジンと対比されているといえる。
私の実写版だ
設定はアニメ版とほとんど同じ。
アグラバー王国の国務大臣。国王(サルタン)の座を狙い、魔法のランプの力でアグラバーを強大な帝国にしようと企む。時にはアニメ版と同じく催眠術を使い、国王を意のままに操ろうとする。アニメ版と比べると容姿は若く整っている。
追加設定として、かつてはアラジンと同じコソ泥で、ジャスミンの母親の国・シラバードの牢獄に5年間幽閉されていた過去を持つ。その盗みの腕は高く、アラジンでさえスられたことに気づかないほど。本編終盤ではこの盗みの技術を使い、アラジンからランプを奪った。
「リンゴを盗めば泥棒だが、国を盗めば支配者」「誰よりも強い男でいるか、クズのままか」という非常に強い野心を持ち、自分に逆らう者を次々と抹殺して今の地位を手に入れた。その野心故に「2番目」と言われることを極端に嫌う。
アラジンと対峙した際、そこを漬け込まれ「宇宙で最も強い存在=ランプの魔人」となりランプの中に吸い込まれ、ジーニーによって魔法の洞窟に転送された。
続編があるぞ
『ジャファーの逆襲』では、巻き添えを食ってランプに閉じ込められたイアーゴの働きで地上に抜け出るものの、ジャファーの尊大な態度に腹を立てたイアーゴに深穴に落とされる。
しかしほどなくしてランプを拾った盗賊アビス・マルに解放され、パワーアップした魔力をもってジーニーやサルタン、ジャスミンらを捕らえ、サルタン殺害の濡れ衣をアラジンにかけるものの、アラジン達との交流の中で心を入れ替えたイアーゴがジーニーを解放したことで失敗。
陰謀が失敗したことを知らないジャファーは、主人であるアビス・マルの3つ目の願いを使って、ランプの精の運命から解放されようとするが、ジャファーを自由にすることで与えられた財宝が消えることを疑うマルと口論になるうちにアラジンらが介入する。
「ランプの魔神は直接的な殺害行為を行えない」「ランプが壊れるとランプの魔神も同じ運命を辿る」という制約を突いて自身のランプを狙うアラジンらに対しレッドジーニーの姿になり、手から雷撃を放ったり地割れを起こしてマグマを吹き上げさせ、アラジンを"間接的"に焼死させようとする。
しかし傷を負わせたイアーゴが力を振り絞ってランプをマグマに蹴り落としたことで、もがき苦しみ花火のように弾け飛んで消滅した。
外部出演などがあるぞ!
1999年に発売された絵本シリーズ「Disneyキャッスルコレクション」の「でてきて びっくり」という絵本ではコミカルな姿が描かれている。
内容は町の子供たちや動物の世話をジーニーに願われ、文句を言いながらも善行を行うというもの。
ほかの媒体ではまず見れない姿は必見。
ディズニー同作品の『ヘラクレス』TVシリーズ内の「ヘラクレスとアラビアンナイト」(劇中でのアラジンの服装やジャスミンの「結婚している」という台詞、イアーゴが不在であることから考えると、時系列は恐らく『盗賊王の伝説』の後だろう)では、『逆襲』で消滅したジャファーが冥界に辿り着き冥王ハデスと意気投合し、お互いに憎い相手であるアラジンとヘラクレスを倒そうと手を組み共謀するも失敗し、ヘラクレスに命の源となったコブラの杖を破壊され、亡者に引きずり込まれる。この回ではやたらとテンションの高いジャファーを見ることが可能である。
尚、ハデスと会った際に愛称としてジャフィーと呼ばれている。このコラボレーションはディズニーがキャラクターは役者であるというスターシステムの考えを持っていると共に、ヘラクレスのTVシリーズの制作陣がアラジンのTVシリーズ制作陣と同じであるということが理由とされている。
ゲーム『キングダムハーツ』シリーズでは、マレフィセントを筆頭にしたヴィランズの組織の一人として登場。ストーリーの流れは原作とはいくつか異なる。
KHIではハートレスを操りジャスミンを誘拐し、更にイアーゴにジーニーの魔法のランプを直接奪い取らせる、本来『邪悪な心を持つ者は入れない』とされるタイガーヘッドを闇の力で操って襲わせるなどの暗躍でソラやアラジン達を苦しめた。
最後は原作通りランプの中に閉じ込められるが、それから2年後の続編であるKHIIでは彼を封じ込めたランプが商人の手に渡っている(イアーゴはランプから抜け出したものの、彼の復活には関与していない)。
一悶着の末にランプごと王宮の地下に閉じ込められるが、その後欲を出して王宮に侵入した商人の手によってランプから解放され、再びアグラバーを我が物にしようと王宮を占拠する。
その後は魔法の絨毯に乗ったソラと激闘を繰り広げるのだが、よその世界から持ち込まれた力によって魔人の不死性が働かなかった事で、直接の叩き合いの末に敗北して消滅。原作とは違いランプの方が後を追う形となった。
ゲーム『アドベンチャー・オブ・東京ディズニーシー』では盗賊にランプを拾われてこき使われていた。その際、正体を明かさないためにか、ジーニーの姿を装っている(しかし声はジャファーのまま)その後主人公(プレイヤー)により宮殿に侵入し自由を得た後に正体を明かし、復讐として国王を砂の像に変え、ジャスミンを召使のように扱ったが、主人公に倒され、本物のジーニーによって再封印され遥か彼方へと飛ばされた。
この作品では『ジャファーの逆襲』のようにイアーゴとは仲違いはしておらず、ランプから出た時から行動を共にし、共に再封印される。
エンディングのカーテンコールでは、大臣姿とジーニー姿のジャファー二人が登壇している。
ミュージカル版では
大まかな立ち回りなどはアニメ映画と変わらないが、ちょくちょく変更が加えられている。例えばジャファーがジーニーに願うのは、王女の幽閉、国王になること、ジーニーにすることの3つ。1つ目の願い事が異なる。また、ランプ幽閉後は金庫に入れられ、更にその鍵も川に投げ捨てるなどジャファーの復讐が不可能な状態になるなどだ。
声優についてだ
ジョナサン・フリーマン氏について
本国の声優を担当したジョナサン・フリーマン氏は、ジャファーの表情や動作のモデルにもなった。当時のディズニーは絵より先に声を録り、そこからアニメを作り出す方式を取っていた。
そのためジャファーの大きな口や大げさな動作にはジョナサン・フリーマン氏の影響が大きく見られる(ジョナサン・フリーマン自身はとても恰幅の良い体型をしている)
ジョナサン・フリーマン氏はブロードウエイのアラジンの舞台にも、1992年~2022年に渡りジャファー役として登壇し、2022年1月を最後にジャファー役を卒業した。
イアーゴ役のギルバート・ゴッドフリート氏とも交流があり、知人の障害者の為にサプライズでイベントに参加し、アラジンの生朗読をしたこともある。
宝田明氏について
宝田は、ジャファーのオファーがあったときに「ジャファーが2枚目だったら断っていた」と語っている。
「アラジンの中でジャファー程魅力的な男はいない。虎視眈々、慇懃無礼で。役として幅が広くて面白い。僕もジャファーは好きなキャラクターだよ」とも語っており、実際あまりにもハマり役だったため、ディズニーから、今後ジャファーの声は全て宝田明にやらせるようにと本社から連絡があったらしい。
その為それ以来約29年に渡り、実写以外の全てのメディアでジャファー役を劇場公開時から代役を使うことなく全て宝田が演じている。
この待遇はディズニーヴィランズの中では非常に珍しく、2代目ミッキー役を長年務めた青柳隆志やジーニー役の山寺宏一に匹敵する待遇である(青柳は27年ミッキーの声を担当し、山寺も全てのメディアでジーニーの声を劇場公開時から担当している)。
またジャファーをきっかけにオファーが来ることも少なくなかった(スターウォーズ~反逆者たち~など)。
2022年3月14日に宝田が急死し、訃報が18日に発表されたが、その日はアプリ「ディズニー ミュージックパレード」で期間限定のジャファーフロートが実装される日であり、2022年は『アラジン』公開30周年の年だった。
ちなみに相棒のイアーゴを演じるのは 神谷明であり名前が同じ明なのだが、ヴィランズとその相棒の吹き替え声優の名前が同じなのは全くの偶然である。
大木民夫氏について
大木民夫がジャファー役をしていたことはあまり知られていないが、それは変装時のジャファーを演じる大木の声質と宝田の声質があまりにも似ていた為だろう。何故変装時だけ声が大木に変わっているのかというと、変装している間の声はイアーゴが出しているからだと思われる。
実際、その後王子になったアラジンがジャファーと会話しても、老人=ジャファーと気づくことはなかった(殺そうとした寸前に宝田の声に戻っていたが)。
余談も見ろ!
- 日本のファンの間では、ジャファー、ハデス、フック船長の三人を三馬鹿トリオ、三強等と称されることがある。これはDVD『ミッキーのマジカルクリスマス』内で三人がクリスマスソングを仲良くハモって歌っている事がきっかけだが、実際の三人は狡猾で頭も良く残忍なキャラクターである。また、一部ネーミングの由来は、代表的ヴィランズとして挙げられるこの三人がいずれもコメディタッチで描かれているのも由来の一つでもある。ディズニーシーで行われたショー『ザ・ヴィランズ・ワールド』ではこの三人が共にショーに共演している。
- 海外ゲーム『Aladdin: Nasira's Revenge(ナシラの復讐)』では、ジャファーの双子の姉妹である魔女Nasira(ナシラ)が登場。アラジンへの復讐を企てる。因みにNasira(ナシラ)は本編のジャファーと同じように貧しい身なりの占い師に変装する他、ラスボスとしてジャファー本人も復活を遂げる。
- ディズニーの短編を紹介する『ハウス・オブ・マウス』での登場も多く、ジャファーがメインとして取り上げられることも少なくない。ピートがクラブを乗っ取った際にはドナルドの代わりに接客を担当し、自らが乗っ取った際は司会を担当。マレフィセントを口説こうとして黒焦げにされたり、ビビディ・バビディ・ブーの替え歌を歌ったりなど、コメディ面が目立つ。作中のCMではセブン・デッドリー・シンガーズというバンドでギターを担当していることが語られている。
- ジャアファル・アル=バルマキーがモデルとされるが、そのジャアファルは実際は善人なのに無実の罪を着せられて落命してしまったとされている。ディズニーつながりだと、プリンス・ジョンが似たような描写をされてしまった(逆にリチャード王は史実と逆の?善人にされている)。これは、この映画が映画『バグダッドの盗賊』に影響されたものであり、彼のモデルは1940年版の同名人物であるためと思われる。他にも、アリの名は1961年版、ジャスミンの名は1978年版に登場している。ジャアファル・アル=バルマキーをモデルとしたキャラクターでは他にマギのジャーファルがいるがこちらは主君に忠実なキャラクターとなっている。
- なお実写版では70代くらいの男性から中年(おそらく40代~50代くらいと思われる)に設定が新たに手直しが入った。その理由としては、ジャスミンとキスをしたという演出がやはり多くの人に引かれたからだろう。ここの場面はジャスミンが機転を利かせるなど背面的な流れは同じであるが、ジャファーが幽閉されるという結末を除いて大きく変更が入っている。また、隣国シェラバードに戦争を吹っ掛けることを望むほか、余裕で部下を井戸に落とし殺害などといった一面ものぞかせるほか、変装をするのはアラジンにランプを取りに行かせる時ではなく後半のアラジンからランプを奪うシーンで盗人に変装しているなどといった相違点がある。
- ちなみにもっともジャファーは原作では名前こそないが、アラジンからランプを強奪する際に変装するというのは原作に近いものであり、原作ではランプ商人に変装しジャスミン(原作では「姫」表記)からランプを強奪した。なおその後、原作では指輪の魔人とアラジンの奮起によりジャファーの在住地である北アフリカへたどり着き、ジャスミンと共に協力してお酒に眠り薬と毒を盛ってジャファーを倒すというものだった。
- なお初期案では、『アラビアン・ナイト』のリプライズにてサルタンをぶっ殺したというとんでもない説明がされながら登場する予定だったものもあったらしい。幸い、現時点でこちらは直接的には完成版どころかミュージカル版及び実写版でも踏襲されていない。