概要
元々はミッキー・マウスにウォルト・ディズニーが当初つけようとしていた名前だが、妻の「気取って聞こえるから良くない」という意見で取り下げた経緯がある名称である。ウォルトはモーティマーという名前を気に入っていたためなのか、後の作品に同名の別キャラが登場するようになる。
…しかも、実はディズニーキャラにおいてモーティマー・マウスという名前は二体いる。先に登場したのはミニーマウスの牧場を所有している牧畜業者のおじである。彼の初登場作品は1930年の『コミック・ストリップ』「Mickey Mouse in Death Valley」で、アニメには登場していない。下記のモーティマーとは全く関連性がない。
現在ファンの間で知られているのは、ミニーマウスの幼なじみにしてミッキーのライバルとなるモーティマー・マウスだろう。
1936年の短編映画『ミッキーのライバル大騒動』 (Mickey's Rival) では、ミニーの愛を巡るミッキーの競争相手として登場し、以降もしばしばミッキーに意地悪をする役として現れる。「ハッチャッチャー!」という笑い方が特徴だが、短編作品ではどちらかというと品のない馬鹿笑いの方が印象的であろう(特に原語版)。
背が高い、というか頭身がグーフィーに近いスタイルの良い姿で、ミッキーよりもあらゆる面で勝っているところを見せつける。
しかし度胸はなく、初登場作品では闘牛の真似をして誤って柵から出してしまった際は、一目散に逃げてしまった。短編映画作品においてはこの作品以外は未登場である。このため本来であればただのゲストキャラクターであった。
しかし、ディズニーのマニアからは印象の強いキャラクターであったようで、『ミッキーのクリスマスの贈りもの』(1999年)において63年ぶりに登場。しかしデザインや立場は異なり、ミニーが勤めるデパートの嫌なオーナーとしての扱いだった。
それ以外では元のデザインに寄ったものとなり、ミッキーのライバルとしてある程度定着するようになる。とはいえ、ディズニーファンの中でもモーティマーの名前がすぐ出てくるタイプの人物は、それなりに深みにハマったマニアだと言えるだろう。
ミッキーの悪役としてはピートの方が有名(といってもこちらも知らない人は多い)だが、こちらが悪役・宿敵であれば、モーティマーはライバル寄りのキャラクターであったため、根強い人気と知名度が残り続けたのだと思われる。
声優
オリジナル版はソニー・ドーソンが担当、それ以外では大分安定していないものの、現在ではモーリス・ラマーシュがオリジナルキャストとなっている。
日本語版ではバンダイ版においては江原正士が担当していたが、現在の公式は水内清光となっている。ただし江原正士ではハウス・オブ・マウスなどでまさかの再起用となっている。