概要
熱帯および、亜熱帯海域に広く分布し、琉球諸島の沿岸にも生息しているカマスの仲間にしてカマス科最大種。
英名バラクーダ(正確にはグレート・バラクーダ)。
全長約1.8メートルで、最大でも2メートルを超える。
やや突き出た大きな下アゴには鋭く強力な歯を備えており、スズキやアジ、フグなど多種類の小魚や甲殻類を捕食している。
オニカマスは余り群れを形成せず単独、もしくは少数の群れを作って行動する。
実はこの種類の魚は、性質は非常に荒い上に攻撃的であり、遊泳中の人間を襲って傷害を与えることもある。(実はダツ同様、光に反応しているらしいとの事。)
普段はゆっくり泳いでいるが、獲物を発見し攻撃に移ると時速150キロメートルものの加速力を出しながら突っ込んでくる。
それで付いた別名が「生きた魚雷」。
ただし、突進するとき自身の動きを止めて口をゆっくり開ける為、鮫に襲撃され、仕留められる事もしばしば。
また、水中だけでなく浅瀬に立っていただけでも海の中から攻撃を仕掛けてくる事もある。
実際、アメリカのフロリダ州にてボートに乗っていた14歳の少女がこのオニカマスに襲われた事件が起こっている。(事なきを得たが、51針も縫う傷を負った)
この為、サメより危険な生物の内の一つとして数えられている。
カマス科の魚は食べる魚として有名だが、このオニカマスはシガテラ毒と呼ばれる毒を持っており(個体にもよる)、食べると吐き気や運動麻痺を起こす中毒症にかかる。その上このシガテラ毒は熱しても除去できないという。
その為、ドクカマスとも言われている。
一方、釣り愛好家の間ではゲームフィッシュとして高い人気を誇る魚でもあり、SNS等で調べるとその恐ろしい巨体に挑まんとする者達の勇姿を確認できる。
余談
オニカマスの由来は、鬼のようにデカイという意味があるが前述の非常に獰猛な一面を持つことから来ているとも言える。
漢字表記で鬼叺。
この種類に似たオオカマスという大型のカマスがいるが、危険性が無い為安心してほしい。
相違点
オオカマスとオニカマスは見た目が似ているので勘違いされやすいが、相違点をいくつか挙げておく。
- オオカマスはオニカマスより一回り小さい
- 下あごが余り突き出てないのがオオカマス、突き出てて牙をむき出しているのがオニカマス。
- 模様がハッキリ見えているのがオオカマス、模様が地味で黒い斑点模様が付いているのがオニカマス。
- ひれが黒いのがオオカマスで、ひれに独自模様が付いているのがオニカマス。
- 体つきがスマートなのがオオカマス、オニカマスは全体的にややずんぐり体形。
- 渦を形成する程の群れで行動するのはオオカマス。多くても10尾程度の群れを作って行動するのがオニカマス。
関連タグ
ゴマモンガラ キロネックス ゴライアス・タイガーフィッシュ ダツ アメリカオオアカイカ(レッドデビル)…サメより危険な生物仲間。
ファインディング・ニモ…カクレクマノミのマーリン一家に襲いかかってきた猛魚として登場。見た目がオオカマスっぽいのはご愛嬌。