……………ともだち………ともだちぃ?
概要
ラルフウイルスとは、シュガー・ラッシュ:オンラインのヴィランである。
集合体恐怖症の観客に絶大なトラウマを与えた。
事の発端
ヴァネロペのスローター・レースで生きたい、という思いを知ったラルフはそれを受け入れられなかった。なぜなら彼自身は、ヴァネロペは今後もシュガー・ラッシュで暮らすものと考えていたから。
そこで彼はJPスパムリーの紹介でウイルス開発者のダブル・ダンからウイルス「アーサー」を入手、それをスローター・レースに解き放つことで、スローター・レースを飽きさせ自分のところに戻ってくるように仕向けた。彼はヴァネロペの夢を全否定しただけでなく、それを壊そうとしたのである。
アーサーは弱点=不安定なものを探知し、それを拡散するウイルスである。それはヴァネロペの不具合を「弱点」と認識し、それをスローター・レース全体に拡散、ゲーム自体をダウンさせ、ヴァネロペを瀕死に追い込んだ。
スローター・レース崩壊の真相を知ったヴァネロペはラルフのメダルを取り上げて、投げ捨て、そしてラルフのそばから離れた。それに対し混乱状態になったラルフを、スローター・レースから出てきたアーサーが「弱点」として探知、そして拡散した。
拡散するウイルス
ラルフから距離を置いたヴァネロペ。すると彼女はラルフがいるのに気付く。
……………ともだち………
そうつぶやくラルフ。
いい加減にしてよ怖いんだけど…
そう言うヴァネロペ。すると彼女は複数のラルフに囲まれてしまう。
たちまち逃げ出したヴァネロペはインターネット中がラルフの姿をしたウイルスによって脅かされていることに気付く。
たまらずヴァネロペはノウズモアのもとへ逃げ出した。追いかけてくるウイルスたち。そしてその場で本物のラルフと合流する。「あいつらは何なんだ」と問いただすラルフに対し、ノウズモアは淡々と述べた。
原因は明白でしょう。あなたのしつこく付きまとって嫌われる自滅的な部分をウイルスがコピーしたからです。それは友情を壊す原因になるし、この場合はインターネット全体を壊すんです!
何も言えなくなるラルフ。
そしてノウズモアはウイルス撃退の方法として
1.ウイルスに直接セラピーをする
2.ヴァネロペを餌にしてウイルスを駆除エリアに追い込む
という二つの方法を提示した。
さすがに前者では厳しいということで、彼らは後者の方法をとることにした。
そしてイエスの誘導でラルフとヴァネロペはウイルス駆除エリアへと向かった。大群として津波のごとく押し寄せるウイルス。その光景を見たラルフはこうつぶやいた。
ここから見ると俺って本当にしつこいし嫌われるし自滅的だな…物知りおじさんの言うとおりだ
そしていよいよウイルス駆除エリアにたどり着く……と思われた矢先、彼らはウイルスに襲われてしまう。
そして彼らの前に現れたのは…
ウイルスとの闘い、そして……
彼らの前に現れたのは、いくつものウイルスが合体した巨大なラルフ(正式名称:ラルフジラ)であった。
ヴァネロペとイエスを逃がし、一人ラルフジラと戦う決意をしたラルフ。しかしウイルスの力は圧倒的であった。そしてラルフジラはヴァネロペをさらってしまう。
急いでラルフジラを追うラルフ。そしてヴァネロペを救出し、自身が捕まってしまう。ラルフが傷つく姿に耐えられなくなったヴァネロペは「降参」と言う。そしてラルフジラに自ら近づきこう言った。
ずっと一緒にいてあげる、それでいいでしょ?
それを見たラルフは、ヴァネロペが自分のためにせっかく見つけた夢を捨てようとしている事に気付きこうラルフジラに告げた。
いいわけない!友達の夢を奪ったりしちゃだめだ、そんな権利ないだろ!そんな友情は本物じゃない!
そしてラルフはラルフジラに――自身の分身に懸命に説得した。ラルフジラを自身の分身として受け入れたのである。それを聞いていたラルフジラはヴァネロペを開放した。
いい気分だよな?
そして次の瞬間、ラルフジラは丸ごと消滅した。その瞬間ラルフは落下したのだが、ヴァネロペと友達になったディズニープリンセスたちに助けられる。このときプリンセスの一人としてエルサが「ヴァネロペの友達は私たちの友達よ」と言った。
そしてラルフはヴァネロペの夢=スローター・レースで生きることを認め、自身は元のゲームセンターへ戻っていった…
反響
本作が公開された際、Twitterのトレンドに「シュガーラッシュ 集合体」という言葉がトレンド入りするほどの反響を呼んだ。
その多くは否定的な意見で「集合体気持ち悪い」「ウイルスも気持ち悪いけどラルフ本人も気持ち悪い」「ラルフをこんな形で見たくなかった」というものであった。
しかし考えてみてほしい。
あなたも自分にとって大切な人が「自分にとって」好ましくない行動に出た際、それを無理にでも止めようとしたことがあるのではないか。前作でもラルフはヴァネロペを失いたくないがために彼女の夢=レースに出ることを一時的に破壊した。前作は何でも直せるフェリックスの存在と、ターボと言うヴィランの存在でわからなかったが、本作では両者は不在である。ある意味本作は前作では覆い隠されていたラルフの「心の闇」を暴いたと言えよう。
ラルフは自身のコピーを退治するのではなく、受け入れ、説得した。そんなラルフの姿を見て、単に気持ち悪く感じるか、それとも自身の姿を投影して反省するか、それはあなた次第である。