概要
1941年10月23日にアメリカで公開されたアニメーション映画の題名及び主人公のゾウの名前。実在した最大級?のアフリカゾウであるジャンボにちなんで作成された。
子供向けでありながら差別、いじめ、迫害、不条理と言った考えさせられる内容をふんだんに盛り込んでいる。
映画の原典となったのは古い児童書でディズニーがアニメ化のために権利を買い取ったものだが、こちらは挿絵が複数残っているだけで児童書そのものは現存していない。
あらすじ
ある夜、とあるサーカス団の元にコウノトリの群れが動物の赤ちゃんを運んできた。クマやカンガルー、カバやトラ、そしてキリン達の元に続々と赤ちゃん達がやって来るが、ジャンボという名のインドゾウの元にはその日、赤ちゃんはやって来なかった。翌朝、サーカス団は人員・資材・動物達を汽車に載せて興行へと出発。ジャンボは未だにやって来ない赤ちゃんの事を心配していた。その頃、ジャンボの赤ちゃんを運んできたコウノトリはフロリダ辺りを移動していた汽車を発見。ジャンボの元へたどり着き、彼女はようやく自分の赤ちゃんと対面する事が出来た。ジャンボJrと名付けられたその赤ちゃんゾウは仲間のゾウ達からも暖かく迎え入れられた。ところが仲間の一人が擽った事で起きたクシャミの反動で突然耳が大きくなり、ダンボと呼ばれるようになる。そんな周囲の視線を気にせず、ジャンボは耳の大きい我が子を愛情いっぱいに育てていくのだが・・・。
登場キャラクター
※担当声優はソフト版に基づく
- ダンボ
主人公。大きな耳を持つオスの赤ちゃん象。劇中では言葉は発しない。
周囲からその耳を馬鹿にされ、母親と離ればなれになったうえピエロにされ笑いものになるなど辛い日々を送るが、耳を翼のように活かし空を飛べるようになり、スターになって一躍人気者となった。耳には100万ドルの保険が懸けられた。
- ティモシー
CV:牛山茂
本作のもう一人の主人公で、鼓笛隊の格好をしたオスのハツカネズミ。帽子の中に好物のピーナッツを携帯している。
ダンボをいじめた象たちを懲らしめた後に彼を励ましたことで親友となり、彼を勇気付けスターにするために奔走する。ダンボと共にお酒に酔っ払ったうちに、いつの間にか木の上で寝ていたことから、ダンボが空を飛べることに気付く。終盤ではダンボのマネージャーとしてハリウッドとも契約した。
- ジャンボ
CV:磯辺万沙子
ダンボの母親。心優しい性格で、耳のことで周囲から嘲笑される息子に深い愛情を注ぐ。
スミッティーがダンボをいじめたことに激昂して暴れてしまい、団長に危害を加えてしまったために檻に入れられてしまう。その後、ダンボがショーを成功させてスターとなったことで檻から出され、無事ダンボと再会する。
- カラスたち
CV:吉田幸紘(ジム・クロウ)、中村雄一(牧師)、橋本友之(眼鏡)、吉水慶(帽子)、片岡弘鳳(デブ)
ダンボとティモシーが酔っ払ってピンクのゾウを見た翌朝に出会った5羽のカラス。
最初こそダンボ達を馬鹿にしていたが、激怒したティモシーからダンボの悲しい生い立ちを聞かされて反省し、彼が空を飛べるよう手助けをした。
- コウノトリ
CV:関時男
ダンボをジャンボへと届けたコウノトリ。仲間たちとはぐれた挙句道に迷い、彼女のもとへ着いたのは列車が出てからだった。
- おばさん象たち
CV:久保田民絵(メイトリアーク)、北城真記子(キャティ)、一柳みる(ギグルズ)、土井美加(プリシー)
ジャンボのサーカス仲間の雌ゾウ達で、全員嫁入り前。メイトリアーク(赤紫)、キャティ(緑色)、ギグルズ(水色)、プリシー(橙色)の4頭.
ダンボが耳が大きいだけという理由で馬鹿にし仲間外れにしていたが、ダンボが初めて観客の前で空を飛んだ際には団長や団員達と共に驚愕し、ダンボからは仲間はずれにしてきた仕返しとしてピーナッツマシンガンを食らわされた。最終的には改心し、空飛ぶダンボを祝福した。
- サーカス団長
CV:内田稔
ダンボの所属するサーカスの団長で、口髭を生やした小太りの中年男性。サーカス列車では常に車掌車に乗っている。一座の名を上げるために色々考えるが、ティモシーいわく当たったためしがない。
- ケイシー・ジュニア
CV:具志堅用高(TBS放送時)
ダンボたちの所属するサーカスの列車を牽引する蒸気機関車。ダンボが人気者になったお祝いに専用車両が作られる。
- スミッティー
CV:後藤真寿美
サーカスにやってきたいたずら少年で、明確な悪党がいない本作では最もディズニーヴィランズに近いキャラクター。
ダンボをいじめたことでジャンボの逆鱗に触れ、彼女が暴れる原因を作った。
みんなのトラウマ・ピンクのゾウ
物語の中盤で、サーカス団員が零した酒の入った水を飲んで酔っ払ったダンボとティモシーがピンク色のゾウの幻覚を見てしまう。そのシュールな場面がトラウマになっている人も多い。
キングダムハーツでのダンボ
1のみの出演。シンバやムーシューのように召喚することができる。
実写版(2019年)
2019年3月29日にはティム・バートン監督による実写映画版が日米で同時公開された。「ダンボという空飛ぶゾウを主軸とした話」であること以外はほぼ別物のダンボを取り巻く人々を描いた作品であり、ディズニー映画特有のヴィランも登場する。
実写版あらすじ
時は1919年、経営難の小規模サーカス「メディチ・ブラザーズ・サーカス」の団長「メディチ」は一座の再興のため妊娠した雌のインドゾウ「ジャンボ」を購入するが、生まれたのは異常に大きな耳のゾウで「ダンボ」とあだ名されてしまう。だが、ダンボの世話を任せられた元花形スター「ホルト・ファリア」と彼の子供「ミリー」と「ジョー」はダンボがその巨大な耳を使って飛べることに気付き、それをショーで披露することで一座を再興し、売り飛ばされたジャンボを買い戻そうとする。
だが、ニューヨークの巨大娯楽施設「ドリームランド」のオーナー「V・A・ヴァンデヴァー」がダンボに目を付け、ダンボをメディチ・ブラザーズ・サーカスごと雇う。
当初は文字通り夢のような待遇に目を輝かせる一同だったが、ヴァンデヴァーの本性は儲け第一の冷酷な男だった。メディチ・ブラザーズ・サーカスはダンボ以外解雇され、実はドリームランドに買われていたジャンボも殺処分されそうになる。ホルト達は公演でのダンボのパートナーとなった女性曲芸師「コレット・マーチャント」らの協力を得て、ジャンボを奪還し、ダンボと共に故郷のインドに返すことを決意する。
ダンボの飛行ショーの最中、作戦は開始される。果たして、ダンボ親子とホルト達の運命は……。