概要
ピクサー・アニメーション・スタジオが製作したアメリカ合衆国のフルCGによる長編アニメーション映画。トイ・ストーリー第4作目で、アメリカでは2019年6月21日に、日本では2019年7月12日に公開された。
シリーズ初となるドルビーアトモスに対応した作品。また、公開時期から、この作品は令和時代初のピクサーの長編アニメ映画でもある。
前作には別の持ち主の元へ渡ったことから登場していなかったボー・ピープが20年ぶりに登場。
「何がおもちゃにとっての幸せなのか」というシリーズの根幹を成すテーマ、そして、以前から指摘されていた「人格を持つものが人間の所有物となって良いのか」というシリーズが孕んでいる倫理的な問題をクローズアップした作品となっている。
初週末興行収入は1億1800万ドルを記録し、予想(実は1億4000万ドルを予想していた)を大きく下回ったもののランキングでは初登場1位となった。
日本でもムビチケの販売枚数が65642枚を超え、これまで1位であった『アベンジャーズ/エンドゲーム』の35989枚を大幅に上回り、映画史上歴代1位の売り上げ記録となった。公開3日間の観客動員数は127万人、興行収入は17億0686万円を記録した。ランキングでは当然初登場1位となり、人気映画になった『アナと雪の女王』を上回る結果になった。
あらすじ
おもちゃにとって大切なのは子供のそばにいること──新たな持ち主ボニーを見守るウッディ、バズらの前に現れたのは、ボニーのお気に入りで手作りおもちゃのフォーキー。彼は自分をゴミだと思い込み逃げ出してしまう…。
フォーキーを救おうとするウッディを待ち受けていたのは、一度も愛されたことのないおもちゃや、かつての仲間ボーとの運命的な再会、そしてスリルあふれる冒険。ウッディが目にする新たな世界とは?
評価
実はこの作品、海外と日本では評価が全く異なっている作品になってしまっている。
本作は、公開前からすでに鑑賞した批評家や記者たちに大好評でありレビューサイトのRotten Tomatoesではスコア100%という高評価を記録した経験を持つ。
……しかし日本の評価は、海外とは違って賛否両論になっていた。
前作『トイ・ストーリー3』の平均点数は4.53点と高評価だったが、本作は3.17点と評価が一気に下がってしまった。口コミの中にも、本作を「傑作」だと讃える声もあれば「裏切り」と酷評する観客もいた。
理由としてはやはり「3までで培った信念や回答を、一転して否定するような内容」だった事に終始するだろう。
細かい点として肯定派の意見では「シリーズを通しておもちゃ達が成長しているのが良い」とする一方、否定派の意見では「ボニーがウッディ達を雑に扱っている」「ウッディやバズが今までより無能になっている」など。
また前述したように、ボー・ピープが20年ぶりに再登場しているのだが、そちらに対してもいきなり活発なキャラクターに変わっていて、説明不足で違和感を感じた人もいたようだ。
前時代的なカウボーイを待つ淑女ではなく、昨今に合わせた活動する女性でならなかった事情ともいえる。
なおアメリカの評論家の中にも、日本と同じ評価をしている人物もおりカイル・スミスは
「物語の根底にあるテーマが無計画に放り出された」と厳しい意見を出している
2022年6月17日と25日には、金曜ロードショーで、前作と合わせて2週連続での地上波初放送が行われたのだが、それゆえ両作の温度差が浮き彫りとなり、SNS上でも賛否両論な意見が多数共有されていた。
余談
なお、この映画の後に公開された作品は、シリーズ作品(トイ・ストーリーやモンスターズ・インクやカーズなど)の続編である長編映画ではなく、単発映画としての映画を公開していることが多い。
2022年には本作にも登場したバズが主役であるバズ・ライトイヤーが公開されているが、この映画は続編ではなくスピンオフ作品である。
そのため、長らくシリーズ作品の続編になっている長編映画が公開されていなかったが、5年後の2024年に公開されたインサイド・ヘッドの続編の作品であるインサイド・ヘッド2が公開された。(こちらは大好評だった)
しかし2023年2月にディズニーCEOが5の制作決定を発言し、6月にはピクサーのチーフがバズ、ウッディのコンビで5を制作すると発言。
関連タグ
前作:トイ・ストーリー3
きかんしゃトーマス魔法の線路:本作同様、海外と日本では評価が全く異なる映画。但し、あちらの場合は本作とは異なり、海外では厳しい評価になったのだが、日本では公開期間が延長されるほど大ヒットしている。
ミュウツーの逆襲EVOLUTION:同日公開(日本)の3DCG映画、こちらは映画第1作のリメイク。