イカロニクテリス
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いかろにくてりす
大昔のコウモリの一種。
学名の意味は「イカロス(ギリシャ神話の登場人物)のコウモリ」。
しかしこのコウモリはギリシャのあるヨ―ロッパではなく現在の北アメリカに生息していた。
生息年代は暁新世末期~始新世前期(だいたい5100万年くらい前)。恐竜等が消え去った大絶滅から1500万年間程で哺乳類の一部が既に現生のものとそう変わらないまでのコウモリを輩出するほどに急速な進化・適応放散を果たしていたことを示している。
もっとも原始的な部類のコウモリだが既に超音波を駆使する機能や飛行能力は備えており、暮らしぶりもほとんど一緒だったようだ。なお同じくらいの時期に生きていた『オニコニクテリス』の発見により、コウモリは飛べるようになってから超音波を獲得したと結論付けられた(オニコニクテリスも既に飛行可能な翼を持っていたが耳の構造は超音波を感知できない祖先的な構造であったため)。
見た目こそ現代のものにそっくりなのだが骨格などには原始的な部分も多く見られ、飛ぶために必要な筋肉のつく胸骨はまださほど発達しておらず、皮膜も狭かった(今のコウモリは尻尾や足首まであるがイカロニクテリスは足の付け根までしかなかった)のでそこまでうまく飛べなかったと見られている。
また歯の数も多く、現代のコウモリは30本だがイカロニクテリスは38本もあった。
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