概要
全長約2m、体重12~20kgほどのコエルロサウルス類で、ジュラ紀後期のアメリカの小型肉食恐竜では最も代表的な種類。
名前は「鳥泥棒」を意味するが、これは同時期に始祖鳥が棲息していたことから、現在のキツネやヤマネコが鳥を捕食するように、本種が始祖鳥を捕食していたのではと推測されたからである。しかし現在まで、始祖鳥の化石はドイツなどヨーロッパの一部でしか見つからず、アメリカ産のオルニトレステスと共存していた証拠は発見されていない。そのため現在では、オルニトレステスは初期の哺乳類や昆虫といった小動物、大型肉食恐竜の食べ残しや死骸、他の恐竜の卵や雛などを餌としていたと考えられている。
化石では殆ど欠けているが、頭骨は小さく、軽量な構造をしていた。尾は長く、これで走る時のバランスを取っていたようである。長い指を持つ前足は、物を掴むことが出来たと思われる。
また、かつてはメイン画像のように鼻の上に鶏冠があったと考えられていたが、近年の研究でこれは化石化の段階で鼻骨が折れて変形したものを誤認した可能性が示唆されており、実際は一般的な小型獣脚類と大差ない顔つきだったと推測されている。
BBCのテレビ番組「Walking with Dinosaur」では、鼻のトサカがある姿で登場している。ディプロドクスの幼体を捕食する場面が描かれた。
余談であるが、小説「ロストワールド・ジュラシックパーク2」にも僅かながら登場している。