曖昧さ回避
- 2019年に新属新種とした論文が公開されたティラノサウルス上科の肉食恐竜。※この項で説明
- ギリシャ神話の夜の女神ニュクスの子である運命と死を司る破滅の神。暗黒の中に住んでおり、人の死を決定するとも。1.の名の由来となった。
- ゲーム『ペルソナ3』に登場するジンの2.をモチーフにしたペルソナで、独楽を組み合わせたような姿をしている。
データ
学名:モロス・イントレピドゥス Moros intrepidus
(名前の由来は『破滅の先触れ』。属名はギリシャ神話の破滅の化身モロスからであり、種小名は後に現れるティラノサウルスへと繋がることを意味している)
白亜紀後期セノマニアン(上部シダーマウンテン層)に米国ユタ州に生息した小型のティラノサウロイドで、北アメリカ大陸で発見された最古のティラノサウルス上科であり、これは今まで同大陸で最古とされていた標本から約1500万年遡る空白期間の9600万年前のものである。それゆえにティラノサウルス類の短期間での急激な進化や大型化を解明する重要な存在である。
大腿骨・脛骨・第4中足骨・第2中足骨・第4指の趾骨が含まれる後肢と前上顎骨の歯1本が発見されており、ティラノサウロイドとしては非常に細長い後肢をもっていた。大腿骨と脛骨の比率は、北米のオルニトミモサウルス類、アレクトロサウルス、大型のティラノサウルス科の幼体と最も似ている。
小型の体躯を持つ走行に適した姿であり、体重78kg、体高1.5m足らずと(体長はともかく)人間サイズだったと推定される。一見幼体のようだが、発見された個体は6 - 7歳と推定されており、成体に近い亜成体だった模様。
系統解析から、アジアに生息していたシオングアンロンなどのティラノサウルス上科が北アメリカ大陸に渡ってきたものとされる。しかし、当時はまだシアッツらが生態系の頂点に君臨しており、彼らが気候変動などにより一掃されるまでティラノサウルス上科が頂点捕食者になることは叶わなかった。
メディアでの活躍
命名前の2016年に製作されたドキュメンタリーのため、劇中では未命名の種として、シオングアンロンを参考にした復元で登場している。
先史時代の光景にて、ワニチドリのようにギガノトサウルスの食べかすを漁っていた他、現代ではバイオシン社が生み出したクローンの一つとして登場する。ディロフォサウルスと同様、劇中では実際より小型の恐竜として描かれている(劇中では1mにも満たない小型恐竜として登場しているが、実際のモロスは劇中でのヴェロキラプトルと同じくらいの大きさだった)。
監督のコリン・トレヴォロウからは「映画ではあまり活躍しませんが、登場するたびに好きになっています」と語っている。
作中では、餌のネズミを捕食したり、本編のラストにて公園の背景(バック)で少女に餌付けされている等、まるでキツネのような可愛らしい仕草を見せた。