発見と命名
1914年、カナダ・アルバータ州のレッド・ディア川でアメリカ自然史博物館のバーナム・ブラウンがほぼ完全な骨格を発見し、3年後の1917年に同博物館のヘンリー・F・オズボーンによってストルティオミムス・アルトゥスと命名された。名前はその風貌がダチョウに似ていたことに因んで「ダチョウを模倣する者」を意味する。
特徴
ストルティオミムスはオルニトミモサウルス類の獣脚類としてはオーソドックスな体型をしている。全長4メートル・体重150キロ程で、25センチの頭骨には大きな眼と嘴状の口を持っていた。尾椎は固まっており、バランスをとるのに役立っていたと思われる。前足は細長いが現在のナマケモノに似たつくりとなっており、かつてはこの腕を使って頭上の枝をたぐり寄せる役割をしていたと考えられたが、第二指と第三指はほぼ同じ長さで独立して動かせなかったことから、物を掴むことはできなかったようだ。
生態
化石から胃石が確認されたことから、ストルティオミムスは植物食だったと思われる。しかし近縁種のオルニトミムスやガリミムスの口はフラミンゴのような濾過食に適した構造となっていおり、本種もそうだった可能性が示唆されている。とはいってもほとんどのオルニトミムス類はそのような特徴を持つ水鳥よりはるかに大きく、濾過食だけでは十分な食料を確保できなかったという意見も根強いため、前述した胃石などの特徴から、植物食か濾過食の傾向が強い雑食だったと思われる。
彼らも近縁種と同様、長くて力強い後肢を持っており、最高で時速50~80キロに達するスピードで走れたと思われる。ティラノサウルス科やドロマエオサウルス科などの捕食者に襲われてもこの俊足で逃げ切れたと思われる。またこれらの天敵から身を守るため、ある程度の群れを作っていた可能性が示唆されている。