「ガルガル～！」
概要
アニメ『わんだふるぷりきゅあ!』に登場する謎の巨大生物。本作の怪物枠。『ガルガル』の呼び名は、こむぎが「ガルガルと鳴く」と形容したのを由来に名付けた便宜上の呼称である。
ダチョウサイズの黒い卵から孵化し、中にはニコガーデンのキラリンアニマルやニコアニマルが閉じ込められているが、その時点でガルガルの姿に変貌する。早い話が「闇の力に当てられて凶暴化した妖精」である。
通常は地上に卵が放置されているが、ペンギンのガルガルは卵が海底に沈んでいた為、これはモチーフ元の生態に由来するのか単なる偶然か定かではなく、これが仮にもし泳げない生物とかだったらと思うと恐ろしい…。
共通する身体的特徴は、黒い体毛に怒り目のアイマスク、トゲ状の尻尾、（素体アニマルにもよるが）長く鋭く紅い爪、そして四肢に着けられた鉄枷。体型は実在の動物に準拠しており、プリキュアシリーズの怪物枠の中でも凶悪性を押し出したルックスである。キラリンアニマルが変貌した個体は額に宝石を有しており、宝石から光線を発射できる。なおキラリンアニマル時と異なり、形状は六角形に変化する。
大きさについては個体によってまちまちであり、プリキュアの倍の体高を持つ大型の個体から、逆に半分以下の中型～小型の個体もいる。元々体躯が小さいニコアニマルやキラリンアニマル（メエメエやキラリンウサギなど）も大型の個体になっていたため、素体の体躯がそのままガルガルの体躯になるわけではない模様。
強い攻撃衝動に支配され、無差別な破壊活動を行い（その際、不気味な黒い靄状のものも周辺に撒き散らかされる）、大きさと戦闘力に比例して被害もデカくなる。逆に小さければ野生動物の延長線上に留まるが、人間界特有の事故（自動車接触事故やバードストライク、田畑の食害、家屋侵入etc……）で二次被害を与える可能性は否めない。
また常に強烈な殺気を放っており、動物達はそれを察知できるようで、ガルガルが現れると周囲の動物が一斉に警戒して吠えたり怯えたりする。こむぎ曰くガルガルの臭いは「ｸﾞﾙﾙﾙﾙ ｷﾞｬﾌ~ﾝ」らしい（結局どんな臭いなんだ……）。
プリキュアに宥められながら浄化され、元の姿に戻された後は前作と同様、瓦礫や焦土と化した場も復元される（先述の黒い靄も消滅する）。
背後に潜む謎の存在
ニコアニマルやキラリンアニマルがガルガル化した根本原因並び、そもそもの経緯や原理ですらも現時点では不明。
第3話にて、ニコガーデンの管理人のメエメエの説明によると、第1話の直前の時期に「ニコガーデンが突如暗い闇に覆われ、ほとんどの住民がガルガルの卵に変えられた」と、更にニコガーデンが闇に覆われてからガルガルとなって暴れるまでの間の記憶も曖昧で、彼自身「何が起きたのかさっぱり分からない」とも口にしている。
第7話にてその正体の一端が垣間見え、疲弊して休息するライオンガルガルに対し、人類に対する並々ならぬ憎悪を感じさせる何者かの声（CV：大塚剛央）から「立ち上がれ、吼えろ、牙を剥け……！ 人間共が作ったもの全て……この世界を破壊するのだ！！」と追い込むように促している展開から、人為的策謀だった実態が明かされた。
異質性
上述したように、その正体は凶暴性をねじ込まれ姿を変えられたアニマル達であり、自身らも常に苦しんでいる「被害者」としての側面が強い。
自身の肉体を省みずに暴れさせられる為か負担や体力の消耗も激しく、仮に浄化されても正常な健康体に戻れる保証はなく、体力のみならず精神的ダメージまでもが残るリスクが付き纏う。
更に現時点で被害者の完全回復手段は、ニコガーデンに自生する『ニコの実』を摂食するのみのため、プリキュア達も最初からガルガルを「倒すべき敵」ではなく「救助すべき命」と見なして相対、浄化後の後遺症の有無や大小問わずニコガーデンに連れて帰るべきな為、長期間野放しにせず早急に対処・保護するのが今回のプリキュアの使命となっている。
また、こむぎの嗅覚頼りに捜そうにも、卵の孵化前は嗅ぎつけるのもままならぬ上、いつ何処で孵化するか皆目見当もつかないのも重なり、自然と後手に回らざるを得ないのが実情である。こむぎといろはは卵から孵る性質も第9話まで知らなかった様子で今のところ後手に回りがちでもある。
尚、この手の怪物はベースが何であれ、敵組織の幹部にコントロールされる形で破壊行為を行い、その破壊行為も『敵組織にとって必要なエネルギーを集める』が大半である（例：バッドエンド王国の王の復活のため、バッドエナジーを集めるアカンベェ）。
しかし、人為的な産物である可能性こそ浮上しつつも、未だにそれ以外の詳細が不詳となっているガルガルは、一方的に破壊衝動を植え付けられた後、目的や使命もなくただ街中に放り出される状態に陥っている＝暴れる以外に明確な指針も見られない上に、黒幕らしき存在の言葉を額面通りに受け取れば、「その命が尽きるまで破壊の限りを尽くせ」と命令しているも同然な点もある等々、従来の怪物枠としては割と異例。
更に、従来の怪物が倒されたのであれば
- 無機物の場合は素体にダメージがほぼ伝わらない
- 人間や動物の有機物が素体の場合、怪物が外装となって素体にほぼダメージが伝わらない。あるいは素体と怪物が分離されている
- 怪物の素がある場合、それにダメージが全て集積される
……等々が通例で、その点でもガルガルの異質性が際立っていると評せられる。
第6話からは、必殺浄化技を使わないと浄化出来ない強敵のガルガルが登場し、プリキュア側もバトル物らしく苦戦する描写が出てきたが、こちらも救うべき被害者としての前提・接し方は変わらない。
第9話では第三者に卵が目撃されており、存在や性質が広く知れ渡れば事件に巻き込まれたり悪用される可能性も懸念されている。
各話のガルガル
| 登場話 | モチーフ動物 | 外見 | 正体・CV | 概要・活躍 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ヒツジ |  | メエメエ（CV：立花慎之介） | 突進による攻撃で街を破壊する。 | 最初のガルガル。キュアワンダフルの初陣の相手。作中で登場した哺乳類系ガルガル。 |
| 2 | ダチョウ |  | ダチョウのニコアニマル（CV：小平有希） | 速度が非常に速く、嘴や蹴りでキュアワンダフルをも苦戦させ、羽で街を破壊する。 | キュアフレンディの初陣の相手。「ニコ」と鳴く。作中で登場した初の鳥類系ガルガル。 |
| 3 | アナウサギ |  | キラリンウサギ（CV：松岡美里） | 額の宝石から当たったものを朽ちさせるビームを出す。 | 兎山悟にプリキュアの存在がバレてしまう。語尾に「キラ」と付ける。 |
| 4 | ホンドタヌキ |  | タヌキのニコアニマル | 物を齧ったり、森の中をジグザグ走行で走る。素体となった生物のイメージに反して変身や幻術といった能力は使用しなかった | 今までのガルガルより小型。ダチョウと同じく「ニコ」と鳴く。 |
| 5 | コウテイペンギン |  | キラリンペンギン（CV：飯田友子） | 額の宝石から全ての物を凍らせるビームを出す。腹ばいになって氷の上を滑走し、海中を猛スピードで泳ぎ回る。 | 「フレンドリータクト」の能力を駆使して初浄化される。 |
| 6、7 | ライオン |  | キラリンライオン（CV：池田朋子） | モチーフと同様、肉食獣の凶悪なスピードとパワーで襲いかかり、百獣の王と名乗るように雄たけびを上げて、相手を震え上がらせ、戦意を喪失させる。 | 初の前後編に登場。2人の合体技「フレンドリベラーレ」で初浄化される。 |
| 8 | ポニー |  | ポニーのニコアニマル | モチーフと同様、軽快に校内を猛スピードで駆け回る。 | 他のニコアニマルと同じく「ニコ」と鳴く。 |
| 9 | アヒル |  | アヒルのニコアニマル | モチーフと同様、水面を浮く他、ハイジャンプからのプレス攻撃をしたり、水を吸い込んで口から発射する戦闘能力を見せる。 | 〃 |
| 10 | アライグマ | アライグマのニコアニマル | モチーフと同様、気性が荒く、ジグザグ動いて辺りを荒らし回る。リボンバリアを秒でほどいてしまう程手先が器用。ちなみにアライグマは物を洗ったりしない。 | 外見はタヌキのガルガルにそっくりで、今までのガルガルより中型。タヌキと同じく「ニコ」と鳴く。 | |
| 11 | ニホンツキノワグマ | キラリンベアー（CV：首藤志奈） | モチーフと同様、力持ちで強力であるが、自分より大きい者に怯む等、臆病な一面も見られる。 | 額の宝石に傷があるのだが、実は前日の夜にもう一人のプリキュアとの戦闘による物だと述べている。 | |
| 12 | アフリカオオコノハズク | フクロウのニコアニマル | キュアニャミーの初陣の相手。モチーフと同様、夜行性で、鉤爪を使って襲い掛かる他、羽を飛ばして攻撃してくる。 | 初の飛行能力持ちの鳥類系ガルガル。 |
余談
現在は哺乳類系や鳥類系のガルガルが確認されているが、昆虫（及びクモやムカデ等の節足動物）や爬虫類（カメ以外のヘビやトカゲ、ワニ)や両生類(カエルやサンショウウオ）、魚やタコ等の水生生物、毒や雑菌、粘液持ち等々のガルガル、そして動物というテーマでは強大な存在として扱われやすい恐竜等の絶滅動物も存在するのかは定かではない。
演者について
演じる高橋伸也氏は前作に続き4度目のプリキュアシリーズ出演である。
今作はトロプリ映画の雪の怪物以来となる敵キャラ役の担当となる。
