概要
ジャヒー様とは、『ジャヒー様はくじけない!』の主人公。
褐色肌に紫のロングヘアが特徴。髪は側頭部に獣耳のような癖毛があり、後ろ髪は三つ編みで1つに結っている。
女王様気質の美貌と魔界No.2の実力をほしいままにしている。
その気まぐれな性格と実力に魔界のだれからも恐れられ、贅沢の限りを尽くしていたが、突如、魔法少女の襲撃をうけて魔界の魔力をつかさどる魔石を砕かれ、人間界に飛ばされてしまう。
魔力を失った事で少女の姿になったジャヒー様は、築40年のボロアパートに身を寄せながら居酒屋バイトの日々を過ごし、魔石を集め魔界復興を試みる。
現在では、縦に「魔界復興」と書かれた明らかにサイズの合っていない白いTシャツをワンピース代わりにしている(真偽は不明だが、遠目ではTシャツ一枚のみにしか見えない容姿のせいか一部からはいてないを通り越してほぼ全裸疑惑が浮上している)。
一方、元の姿では露出の高いベルト状の服で平然と外出するため、お巡りさんから露出過多の不審者としてよく職務質問を受ける羽目になっているが、その服装のセンスを改める気は皆無。
人物像
一人称は「我」。魔界時代から尊大且つ何者にも見下した態度をとる。
…が、幼子のようになって完全に非力な現在では、「小さい子供が背伸びしている」くらいにしか見られておらず、全盛期のような威厳は皆無に等しい。
しかも、魔界時代のやりたい放題のツケを巡り巡って払わされている状態にもあり、毎日の食事すら事欠いて日常的に食べれるものがもやしやジャガイモしかない貧乏生活を強いられていることや、過去に散々こき使ってきたドゥルジが自分とは正反対に人間界で大成功を収めていることに屈辱を感じて涙目になるのは最早日常茶飯事。
それでもドゥルジを金蔓扱いしたりせず、あくまでも腰巾着程度の立ち位置に留めておくのは、彼女の最後のプライドである模様。
魔力はおろか、少女の姿故に体力も並の人間以下なので、できることも著しく制限されており、日常生活の何気ない動作にすら四苦八苦していることも、魔界時代に膨れ上がった自尊心を破壊する要因になっている。当然貧乏暮らしなので新聞やテレビなどを購入する余裕がないこともあいまって世間の動きや常識にも疎い。
そんなこんなで魔界復興はおろか、その日その日を生き抜くことすら困難な状況だが、その野心だけは衰えておらず、日々あの手この手で魔石集めに奮闘している。……もっとも、自尊心を優先した結果折角目の前まで迫ったのに取り逃がしたり、手に入っても大きな代償を支払って余計に生活が困窮するのが最早お約束と化しているが。
また、貧乏生活で角も少しずつだが取れていっており、巣から落ちた雛鳥を自分と重ね合わせ、巣に戻そうとするなど、心優しい面も見せつつある。特に純粋に自分を慕うこころに対しては過保護に、自分の周囲の変人に染められないよう気を遣っている。
とは言え、まだまだ魔界時代の浪費癖は残っており、306円の貯金を商店街で散財した結果6円にしてしまう、ホームセンターで魔法少女用の武器を調達する筈が、割引や限定と言う売り文句に釣られて使わない調理器具で無駄遣いしては後悔することもまだまだ多い。
弱体化しているとはいえ辛うじて残った魔石の欠片で、毎日一定時間内は元の姿に戻れるが、その時間は基本的にバイトに充てられており、有効活用できているとは言い難い。
なお、魔界時代から魔王に対して強い忠誠心を抱いていた忠臣であり、魔界の統治は部下をこき使いつつ真面目にやっていた。魔王への供物を絶やさず捧げたり、魔王のためにあらゆるお膳立てを整えており、虎の威を借りてやりたい放題しつつも断じて無能や怠惰な訳ではなかった。
傲慢で自信過剰ではあるが、基本的には真面目な働き者なのである(ゼークトの組織論に当てはめれば「有能な働き者」に該当するものと思われ、魔界No.2を自負するのも納得といえる)。その性が祟ってか、居酒屋のアルバイトにもあっという間に適応してしまい、自己嫌悪に苛まれつつも粛々とバイト生活に勤しんでいる。
ジャヒー様の悲劇は、恵まれた能力と裏腹に生き方が不器用すぎるところで、こうしてみると、テレビアニメにおける中の人も取材させてもらったことがあるバラエティ番組で取り上げられても何ら不思議ではなかったキャラと言えよう。
余談
本作に登場する魔界の住民達はゾロアスター教に伝わる悪魔「ダエーワ」がモチーフになっており、ジャヒー様の場合はダエーワの中核となるヴェンディダードの七大魔王の首領格である魔王アンラ・マンユの愛人とされる「性悪女」の意を持つ悪魔ジャヒーから。
ジャヒーは愛人であると共にアンラ・マンユの母でもある為、「大魔王に近い存在」という意味合いでは確かに「no.2」と言える。