概要
ヒトの肛門内にあると想像された架空の臓器もしくは宝玉のようなものである(もっとも男性のみだが肛門の近くに球状の前立腺という臓器がある)。河童(かっぱ)が好んで抜くといわれたもので、これを抜かれると死んでしまったり、力が抜けおちてしまうとされる。近年の創作物では「やる気」のようなものが失われて怠惰な性格になったり、抑うつ状態になると描かれることも多い。
「腑抜け」や「肝試し」などの臓器に関する言葉の意味や語源を考えれば、とにかく腹部にあるのは間違いないだろう。
子供を相撲に誘い、負けた子供から抜くという説もある。
尻子玉を抜く理由としては、河童が好んで食べるからだとか、水神である龍神への捧げ物に使う為だという説がある。(龍は宝玉を持っていたりと「玉」に関連のあるエピソードが多い為だろうか?)
由来
括約筋が緩んだ溺死者の肛門が、まるで尻から何かを抜き取られたかのように広がっていたことから、存在すると考えられた。水木しげるや村上健司らの妖怪愛好家は「昔の人はこれを見て河童が内臓を引きずり出したと想像したのだろう」としている。それはそれで恐ろしいが…。
ゲゲゲの鬼太郎にて
3期鬼太郎
第7話「子連れ妖怪磯女」では、磯女の住む浜辺をリゾート開発しようとする人間達(とねずみ男)を懲らしめる為に鬼太郎に呼ばれた河童が尻子玉を抜く描写がある。この時、尻子玉を抜かれた人間達は尻を押さえて痛がっていた。尻子玉について砂かけ婆が解説している。
6期鬼太郎
第9話「河童の働き方改革」では、生真面目な気質と最低賃金や物価に無知なことをつけこまれ、僅かな給料ならぬきゅうりで、IT系企業にこき使われていた河童たちが大暴れする。ネットで情報を検索した結果、自分たちが”搾取されていた”ことに気が付いた河童たちはその恨みを人間全体に向け、次々に人々を襲って尻子玉を抜き、自分では動くこともできない腑抜けに変えていった。
事態を知って駆けつけた鬼太郎をはじめ*、*ぬりかべや一反木綿まで尻子玉を抜かれてしまい、妖怪いそがしの存在がなければ町がそっくり河童天国と化すところだった。
明らかに外国人技能実習制度の負の側面を風刺している回なのだが、河童たちの暴走ぶり、かっこよく登場したとたんに速攻で腑抜けにされる鬼太郎、エロガッパ軍団に追い掛け回されて悲鳴を上げる猫娘と、ホラー寄りでシリアスな展開の多い6期において、視聴者の予想の斜め上を行く、特筆すべき爆笑回となった。
日曜朝という視聴者が集中する時間帯に、やたらと気合の入った抜き取る際の描写、尻子玉を戻された瞬間の鬼太郎の強烈な顔とくれば話題にならないわけがなく、ツイッターなどの実況は大盛り上がりであった。
余談
前述した鬼太郎の影響で放送当日とその翌日での閲覧数は40000回超となっている。
こちらのインパクトに持ってかれがちだが、前半にチョロっと登場したいそがしが再登場して腑抜けた鬼太郎に憑依する際、何故かケツの方に頭を向けていた(離脱の際は普通に横に出たが)。さらに、この時憑依された鬼太郎の暴走も十分ネタ染みたものだった(勢い余ってその場ダッシュ、怒涛の攻撃技3連発、動けば猫娘が思わず「はやっ」とつぶやくなど)。
ちなみにいそがしは5期にも登場している。
まあ鬼太郎界隈、というか御大の作品世界において、下ネタは何ら違和感のないものであり、これまでも散々にやらかしてきている。
つまり、この程度の下ネタはまさに「屁のカッパ」なのである。
さらざんまい
人間の欲望が中に詰まっているという設定。ケッピにそれを抜かれると、河童になる。
欲望が暴走したカパゾンビを懲らしめるには、河童になって尻子玉を抜くしか方法がない。
抜いたそれをケッピに転送し、欲望を消化することで、ミッションコンプリート。ただし、転送時の儀式「さらざんまい」で、自分の秘密を皿を合わせた相手に漏洩させてしまうデメリットがある。
関連タグ
エアガッパー/シリコ・ダ・ガマ(ロックマン8):テングマンステージの中ボスであるため、河童と縁のあるモチーフとして選ばれている。なお実力の方は…
黒河童(新桃太郎伝説):仲間にできる妖怪で、ランダムではあるが敵を一撃で倒せる「尻子玉を抜く」攻撃を持つ。
カパエル(ドロロンえん魔くん):えん魔くんの幼馴染の河童とカエルのハーフ。アニメ版の最終話直前の強敵竜魚に対し…