概要
佐渡島の加茂湖の主で、頭上に一つ目を持つと伝わる。
あるとき湖畔につながれた馬を見つけて、またがって遊び始めたところを馬主に見つかってしまい捕えられたのだという。
湖から離れた地上では無力であり、瑠璃の鉤で一貫の魚を捕えて献上するので許してほしいと馬主に許しを乞うた。ただし入道は魚を取るのに使うので、鉤だけは返すのを約束してほしいと言った。
それを聞いた馬主は面白いと思い入道を湖に帰し、それから約束の通り魚が湖畔に届けられるようになった。
しかし、あるとき馬主が約束を破って鉤を返さなかったところ、毎年正月15日に入道が襲撃をしてくるようになり、一晩中念仏を唱え難を逃れなければならなくなった。
入道の祟りがおさまった後、馬主は観音堂を建立し観音様の白毫に鉤をはめ込んで祀ったという。
異説として馬主が入道の祟りで狂死して一族が途絶えたために、村人が観音堂に鉤を祀ったという話や、本尊に鉤をはめ込んだのが先で、それを奪い返そうと正月15日に襲撃してくる入道から男衆が守るようになったという話も伝わる。
古い文献では一つ目入道(ひとつめにゅうどう)と記述されていたが、時代とともに一目入道とされるようになったという。
創作での扱い
- 水木しげる作品
妖怪画では、頭のてっぺんの皿に目玉がある河童として描かれた。
『ゲゲゲの鬼太郎』においてもその姿で登場し、河童の親分格で頭の目玉から光線を放つなどの能力を持つ。
アニメでは、3期においては第43話「さら小僧 妖怪歌謡大賞」で、さら小僧の唄が奪われたことに怒った河童一族の一員として登場。
4期においては第42話「がんぎ小僧とねずみ男!」ではねずみ男に恩義を持つがんぎ小僧の住む河童村で暴れまわる悪い妖怪として登場し、今作では頭頂部の目は模様であり本来の目も持っている。
5期においては第42話「オベベ沼の妖怪かわうそ!」で、オべべ沼で女の子の声が奪われる事件が発生し、かつての悪行からかわうそが疑われていたが、沼の妖怪の評判が悪くなったことに恨みを持っていた一目入道が真犯人だった。