曖昧さ回避
概要
毛むくじゃらで猿に似ているが河童の一種で、川や海で泳ぐ人を襲い肛門から生き胆を抜く。広島県では淵猿とも呼ばれる。
金属を嫌い、女に化けるという伝承もある。
土佐(高知県)での伝承では三歳児に似ており手足は長く、ナマズのように体がぬめっているとされる。
文久3年(1863年)に捕えられた猿猴は顔が赤く、腕が伸縮自在であった。
馬の脚を引いて悪戯するので、ある者が捕らえて腕を捻り上げたのだが、関節にあたるところがぐるぐる回るばかりで、一晩中たっても猿猴は痛がるそぶりをみせなかったと伝わる。
その他市松人形に化けて夜の漁場で笑いかけてきたり、女を襲って頭に皿があり歯が一枚の異形の子を産ませる(その子は焼き殺された)という。
四国のシバテンは旧暦6月6日の祇園の日に川に入ると、山口県のタキワロは山に3年、川に3年棲むと猿猴になる。
腕が伸縮自在という特徴は、中国のテナガザルをモデルとした妖怪「通臂猿猴」の伝承と共通する。
「猿猴が月を取る(猿猴捉月)」という、猿猴(テナガザル)が樹上から水に映った月を腕を伸ばして取ろうとしたところ、枝が折れて溺れ死んだという故事があり、身の程知らずの望みを持って失敗するという意味として使われる。