概要
中国語ではトンピーユェンホウ(Tongbi Yuanhou)と呼ぶ。
左右の腕が体内で1本に繋がっているという伝説の猿で、右腕を伸ばせば左腕が縮み、左腕を伸ばせば右腕が縮むという。
これはテナガザルが、腕で木の枝を交互に掴んで素早く移動する様子を見た人々が、腕を伸ばしているのと誤解して生じた伝承であると考えられている。
中国武術の通背拳(通臂拳)は、打撃が相手が予想するより柔らかく素早く遠くに伸びることから、この猿の伝承にちなんで名づけられたという。
腕が1本につながっているという伝承は、日本の河童や四国や中国地方に伝わる猿猴に影響が見られる。
創作での扱い
孫悟空に仕えた「崩」「芭」や、二次創作的な古典『後西遊記』に登場する「通臂仙」の他、四大神猴の一としても登場。メイン画像のものは1996年に香港で制作されたTVドラマ『天地争霸美猴王』に登場したものである。
「通臂公」という名で登場。斉天大聖に仕える物乞いのようなギョロ目の老人で、本性は猿のような妖怪。