概要
ネオゼネバス帝国のゾイド、エナジーライガーに対抗するべく誕生したヘリック共和国軍のゾイド。
ライガーゼロが隼型ブロックスゾイド・ジェットファルコン と合体した高速戦闘形態であり、560km/hという驚異的なスピードを発揮し、(キットでは)エナジーライガーに匹敵するとされる「ライガーゼロの最強形態」と称される。
ライガーゼロフェニックスに搭載されていたフェニックスシステムと同様に連結した両機体のゾイドコアの共振から来る本体性能の強化を目的とした設計。
バスタークローを中心としたジェットファルコンのパーツが装着されている。
武装・装備
機体コンセプトとしては、ライガーゼロの強化形態の一つである「バスターライガー」を発展させた形になる。
一般的には超高速の近接戦闘機というイメージが強いが、全身にかなりの数の衝撃砲を装備しており、媒体によってはバスタークローにビーム砲が追加されているなど、フェニックス同様パンツァー程ではないが射撃武装も豊富である。
バスタークロー
バーサークフューラーに搭載されていた攻防一体型万能兵器の可変式改良型であり、マグネッサーウィングも兼用している。Eシールドを備えている他、バトルストーリーでは使用した場面がないが、後述の描写からビームキャノンも備えていると思われる。
このバスタークローをウイング状に変形させ、そこからのマグネッサーシステムと背部のブースター(ジェットファルコンの脚部)を併用させることで、さらなる高速走行と飛行が可能となっている。
バトルストーリーのラストでは、エナジーライガーの暴発しそうなエネルギーを逃がすために接続し、余剰エネルギーをバスタークローから巨大なビーム砲として空に放っている。
ザンスマッシャークロー
ジェットファルコンの爪をライガーゼロの爪に装着して威力を上げた武装。ソウルタイガーのソウルバグナウやトリニティライガーのアーマークローなどに近い装備である。
ストライクレーザークローとしても使用可能である。
劇中での活躍
バトルストーリー
首都奪還戦でレイ・グレックの乗る機体が登場。
ヴォルフ・ムーロアが駆るエナジーライガーとの激戦の末にゾイドコアを貫き勝利した。
その後エナジーライガーのエナジーチャージャーが暴走を起こした際、ヘリックシティを含む周囲への被害を食い止めるべく機体同士を連結して余剰エネルギーを虚空へと開放する。
この一連の戦いがバトルストーリー最後の戦いである。
B-CASでの戦闘が公式に記録されているのはレイ・グレッグの個体のみである。戦後は、残念ながら絶滅または絶滅危惧となったらしい。
ゾイドフューザーズ
作中の後半の主役機として登場した個体を「ライガーゼロファルコンRD」と呼称する事もある。
ウルカの森にある古代の遺跡で石化して眠っていたジェットファルコンが、不思議な少女フェニスの祈りによってRDのゼロとユニゾンするために目覚め、RDのライガーゼロとZiユニゾンして誕生した。
羽ばたいて飛行するゼロフェニックスと異なり、ペガサスのように空を駆けるような形で飛行する。
多彩な能力が見られ、凱龍輝の通常型荷電粒子砲をも上回る強力なビーム砲、360°カバー可能な球形の回転型Eシールド、ザンスマッシャーにエネルギーを通して強化したストライクレーザークロー、非常に強力な必殺技の「ストライクレーザーランス」の他、ゼロフェニックスから引き続いて「ダイビングレーザークロー」も使用する。
- このビーム砲は、各話の描写から判断すると、威力の可変が可能であると思われる。また、ロードゲイル戦で見せた「飛距離のあるストライクレーザークロー」や「ダイビングレーザークロー」を除けば、RDが劇中で唯一使用した飛び道具である。
また、状況に応じて分離し連携攻撃をする事もある。それ専用の分離形態があるライガーゼロフェニックスでやるべきでは…というツッコミは禁止。
墜落するホエールキングを一体で支えられるほどの恐ろしい出力を誇るが、暴走したゴジュラスギガには単独では相手にならず、凱龍輝と共に立ち向かっても抑えるのがやっとだった。
(一応この際は「無傷でゴジュラスギガを抑える」ということが目的であったため、ゼロファルコン及び凱龍輝の戦闘能力がゴジュラスギガを下回っているかどうかは定かではない。ただし、作中では主人公およびライバル双方から徹底的に直接対決は避けられており、主人公に至っては暴走したギガのパワーを強すぎるとこぼしている為、単純なパワー対決ではどの程度かは不明だが劣ることが仄めかされてもいる)
最終決戦においては仲間ゾイド達の想いにより共振現象を起こし「伝説のゾイド」へ覚醒、そのままセイスモサウルスのゼネバス砲を切り裂きながら突破、そのまま撃破した。
ファイヤーフェニックスとの関連性は不明だが、フェニックスの化身と思われる少女フェニスが石化していたジェットファルコンにRDらを導きファルコンを復活させ、最終決戦でも巨大なオーラが現れたなど何らかの縁はあると思われる。ライガーゼロやバーサークフューラー、凱龍輝をも怯ませるほどのソニックブームも共通している。また、ユニゾンの際にライガーゼロを意図的に宙に舞わせるほどの気流の渦を起こすこともできる。
余談
- 最強高速ゾイドエナジーライガーと互角である。すなわち平成バトルストーリーにおいては最強の高速ゾイドといえる。ライガーゼロとジェットファルコンのユニゾンなので、単体での最強高速ゾイドはエナジーライガーといえるが、バトルストーリーではライガーゼロファルコンはエナジーに辛くも勝利している。そしてエナジーライガーは最新鋭の巨大格闘ゾイドゴジュラスギガ相手にはパワー不足ともされており、性能設定は非常に巧みである。
- RDの追い求めた「伝説のゾイド」は、ライガーゼロファルコンだったことは第1話の時点で伏線が張られている。
- フューザーズ放送当時の書籍では、大戦中に用いられた「B-CAS」はゾイドのコアへの負担が大きすぎたため、大戦後にはB-CAS搭載ゾイドが生き残ることは殆どなかったとされている。また、大戦後の世界であるフューザーズでの「Ziユニゾン」はB-CASと違い、相性の良い個体同士でしか合体できないうえ、ゾイド自身が自分を守る自己防衛本能によりユニゾンのタイムリミットを設けているという設定がある。RDのゼロは大戦後も生存できる強力なコアを有する超貴重な個体であり、さらにそのゼロと相性が良くユニゾンできるジェットファルコンはウルカの森で古代から眠り続けており、この2体がユニゾンできること自体が非常に類稀といえる。そういった意味ではRDのゼロファルコンは伝説的ゾイドといえよう。
- ゼロファルコンのユニゾン時間はほぼ無限(制限なし)に等しい描写として描かれており、終盤ではほぼユニゾンしっぱなしであった。
- 一方で、アルファ・リヒターの計画「オペレーションジェネシス」によって生み出された「究極のゾイド」候補である凱龍輝、エナジーライガー、セイスモサウルスらもまた、ユニゾンの制限時間を無視している描写がある。Ziユニゾンは前述の通り、ゾイド自身への負担を減らすために時限的制限を設けているものであるため、時限的制限を設ける必要がないということは、「ユニゾンにおけるゾイド同士への負担が完全に0にできるほどの相性を持つ」ともいえる。アルファは様々なユニゾンゾイドのバトルデータも大量に収集していたため、これらのデータから負担0のユニゾンが可能なゾイドを作り上げたのかもしれない。(そもそも、オペレーションジェネシスで惑星全土を制圧できる力を示すにあたり、究極のゾイドがユニゾンの時間制限で行動不能になってしまっては元も子もない)
- 同じ理由で、大戦時代から生き抜いたRDのゼロと、そのゼロとユニゾンするために蘇った古代のジェットファルコンのユニゾンは、互いへの負担が0になるほどに相性がいいと考えることもできる。
- ブレードライガーの後継機として発進し、ライガーゼロの「CAS」に大きな影響を与えただけでなく後にライガーゼロの「CAS」の一つとしても検討された「バスターライガー」は、ケーニッヒウルフの没案の一つのマグネーザー搭載機の「銀牙」に由来するコンセプトだとされる。バスターライガーに搭載された「バスターソード」の有用性が、後にバーサークフューラーの「バスタークロー」によって実証されたとされており(参照)、結果としてジェットファルコン、つまり、ライガーゼロファルコンのモデルにもなったと言える。
- つまり、設定上では「バスタークロー」と類似したコンセプトの武装を装備する案が出されていたのは、バーサークフューラーよりもライガーゼロの方が先だったということになる。
- 『電撃ホビーマガジン』では、マーシーラビット氏によるデザインである、Ziユニゾンを果たしていない独自のライガーゼロの強化プラン(飛行ユニットを装備する量産型モデル)が掲載されていた(参照)。
- 『ゾイドバーサス』シリーズでは、アニメ版の設定を色濃く受け継いでおり、バスタークローにバーサークフューラーの物と同じタイプのビーム砲を装備していたり、「ストライクレーザーランス」を必殺技として持っていたり、アニメ準拠の特殊なEシールドを展開可能である。ただし、飛行ブースターを使って飛行すると、バスタークローが翼状に展開されるため、ビームが機体の後方に向かって発射されてしまう。
- バトルストーリーのラストシーンはポップアップキットでも再現可能で、エナジーライガーとジェットファルコンをチューブで連結してエアーを送り込むと空気の力でバスタークローがリフトアップする。
関連タグ
エナジーファルコン:構想上の兄弟機である。
バルファルク:同じハヤブサがモチーフであり、共通点も多い