概要
中央大陸戦争当時、ゼネバス帝国が亡命先の暗黒大陸から帰還した際に使っていたホエールカイザーが開発のベースになっている。
全長200~321m・全高54-65m・重量8290tと他のゾイドとは一線を画すサイズを持つ。全長がと、野生体の個体差で変動する(野生体の画像)。
超大型ゾイドには戦闘用と輸送用がおり、ホエールキングは輸送用である。クジラ故なのか、性質が戦闘向きではないのだろうか。
性能
機関にマグネッサーシステムとイオンブースターを使う事で航空と潜水が可能で、最大時速827-980km、最大で一個大隊を輸送できる破格の性能を持つ。
しかし、巨体故に小回りが利かず、超大型ゾイド同士以外の戦闘には不向きであり、共和国軍に撃墜される事も度々あった。
大量の弾薬や燃料などを運んでいるため、敵の攻撃による誘爆を防ぐためにもEシールドの搭載が有用だと思えるが、ホエールキングの全面をカバーできるEシールドは、コストや生産体制やエネルギー効率の都合上難しいのかもしれない。
- 実際、アニメ作品では、超大型ゾイドが強力なEシールドを装備している事例かいくつか見られたが、いずれもワンオフ機だった。
武装
基本的には輸送機なので、武装は最小限の数に留まっている。キットによれば、装備している武装は、弾薬による重量の増加と誘爆の危険性を防ぐためか、実弾武装は装備しておらず、全て電撃系である。
主な武装はASZ2連装720mmエレクトロンキャノン6門の他に僅かだが、どれも凄まじい威力である。
頭部のASZエレクトロンマスドライバーは普通のゾイドの大型武装よりも遥かに大きく、名前から想像すれば、超大口径レールガンかコイルガンであると思われる。
- 実在のマッコウクジラが、「サウンドビーム」やレントゲン機能を持つ超音波を発射するのも頭部からである。
また、その圧倒的な積載量を爆撃にも使用され、バトルストーリーでは敵側の基地一つを壊滅させている。
『ゾイド新世紀/ゼロ』では、バックドラフト団の改造個体(通称「ブラックジャック」)が正体不明の敵を追尾して転がる鉄球の様な武器を装備していたり、ラオン博士の所持する「ホエールキング・ザ・グレート」が大規模な反重力兵器を搭載していた。
バトルストーリーでの活躍
第二次大陸間戦争で投入されており、西方大陸戦最後の戦いでのニクシー基地壊滅の際には帝国軍全軍の退却に用いられた。後に共和国軍に占拠されたニクシー基地襲撃にはウオディックやデススティンガーKFDを送り込んでいる。
尚、中央大陸大戦では共和国に協力するようになったガイロス帝国軍が中央大陸へニクスから帰ってきた共和国軍主力を運ぶために貸与、中央大陸クック要塞に入港している。クック要塞が壊滅した際にはリッツの乗るジェノブレイカーを発進させて迎撃に参加、共和国軍残存部隊を東方大陸へ運んだ。
アニメでは
『ゾイド-ZOIDS-』では、帝国所属個体の他にも、外見は所属国家のロゴ以外はほとんど同じヘリック共和国所属個体も存在する。また、ヒルツや盗賊団が所有する個体も登場している。余りに巨大な為か、本作のゾイドでは珍しくセル画でのみ描かれた。
『ゾイド新世紀/ゼロ』では、ラオン博士やバックドラフト団が改造個体を使用している。特にラオン博士の「ホエールキング・ザ・グレート」は、積載量が増えており、ツイン荷電粒子ブースターによって980km/hの速さに到達し、成層圏での飛行も可能となるなどかなり強化されている。最大の特徴として反重力砲も装備しており、(ラオンいわく)デスザウラーに匹敵する戦闘力を持つらしい。
『フューザーズ』では、レジャー用のシルバーに塗装された個体「ブルー号」が登場したが、ハイジャックされてしまう。
バリエーション
バトルストーリーでは、無人爆撃機ザバットの高高度プラットフォームとして改造された「モビーディック」が登場したが、大型ミサイルを搭載したサラマンダーによって撃墜されている。
ネオゼネバス帝国では、ホエールキングの系列種である「マリンカイザー」が存在した。おそらくはホエールカイザーを意識したネーミングである。
『ゾイドジェネレイションズ』では、改造個体の「ホエールクイーン」が登場する。
余談
- ゾイドシリーズでは2000年当時発売されていたゾイドバトルカードゲーム(かつて発売されていたTCGの、イベントカード版)にて初登場。その後にアニメでデビューし、翌年に玩具が発売されている。アニメ初登場の際は手描きであったが、後にはCGが作られている。尚、ゾイドバトルカードゲームではホエールキングと対になる存在として共和国側輸送ゾイドであるネオ・タートルシップが存在したが、こちらは商品化がなされなかった。こうした事情からかは定かではないが、アニメではハンマーヘッドのCGを手直ししたハンマーカイザーや、ホエールキングの共和国仕様が登場している。尚、バトルカードゲーム版の設定では玩具版とスペックが異なっており、後にゾイドアートスタチュー(これも過去に発売されていたゾイドのミニチュア商品)側で野生体の個体差によるものと説明された。
- 理由は不明だが、海戦型のクジラ型ゾイドは今まで登場していない。
- クジラ型ゾイドは過去に数タイプ確認されており、ホエールカイザーや、アニメで氷山空母を動かしていた超巨大ゾイドがいる。
- セイスモサウルスの開発プロセスにおいては、当初はホエールキングやデスザウラーの野生体を強化改修して長距離型の荷電粒子砲(ゼネバス砲)を搭載する予定だったが、荷電粒子砲の反動に耐えられる強靭な機体とゾイドコアが求められたため、セイスモサウルスの原型となる雷竜型ゾイドに変更されたとされる。