受け継がれたのは冷血の遺伝子
スペック
名称 | ジェノザウラー |
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番号 | EZ-026 |
所属 | |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 23.0m |
全高 | 11.7m |
全幅 | 不明 |
重量 | 112.8t |
最高速度 | 260km/h |
乗員人数 | 1名 |
装備 |
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武装 |
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パイロット |
概要
ガイロス帝国軍のティラノサウルス型大型ゾイド。もともと帝国軍が開発していた次世代型ティラノサウルス型ゾイド「プロトレックス」(後のバーサークフューラー)にデスザウラー復活計画で入手したオーガノイドシステム(以下「OS」と呼称、アニメシリーズのオーガノイドとは無関係)を取り入れて完成させた。外見・装備共に「サイズダウンさせたデスザウラー」と言うべき特徴を持つ。
遠距離攻撃・近接戦闘の両方で高い戦闘力を発揮する。背部に2門あるパルスレーザーライフルは至近距離ならシールドライガーのEシールドを貫通可能なうえ、主兵装である集束荷電粒子砲(他作品における高出力ビーム砲)は中型ゾイドを一撃で蒸発させることができ、大型ゾイドであってもただでは済まないほどの威力。ただし、機体サイズの問題で機体全体を一個の砲として発射体制をとらなければならず、反動を吸収するために必ず脚部をアンカーで固定する必要があり、射角も固定される(デスザウラーのように薙ぎ払うような撃ち方は不可能)欠点もある。
格闘戦もセイバータイガーATを容易くダウンさせる高水準ぶりで、性能を盛ったことで増えた重量の問題はホバリング移動させることで機動力を確保し解決した。
しかし、もともと完全野生体をベースにしたプロトレックスがシンクロ率の問題で安定しなかったためパイロットの精神コンディションが機体に直結してしまうのを、「だったら常時凶暴化させればいい」という逆転の発想によって機体をある意味安定させている。しかし、そのために凶暴化したゾイドの感情がパイロットに流れ込み、操縦性が悪化する課題も残した。
この課題が最初に露呈した初期生産機は、OSが未調整であった代わりに従来のゾイドを遙かに凌ぐ戦闘能力を持っていたものの、パイロットの性格にさえ影響を及ぼすその操縦性の悪さは、エースパイロットでも乗りこなせる者が10人に1人いるかいないかと言われているほどとされる。
後に、OSにリミッターをかけて扱いやすくし、操縦性と安定性を高めた量産型が少数導入された。プロトタイプ第1号機と比べると大幅に戦闘能力が低下しているが、それでも主力機相応の性能を誇る。頭部や背面にコックピットが設置される傾向にあるゾイドとしては珍しく、コックピットは胸部にある。
兵器的な完成度や総合性能はアイアンコングには僅かに劣るものの、速度で大きく上回る事や誘爆のリスクのない光学兵器を主兵装としているためか、平成バトルストーリーでは終始帝国の主力大型ゾイドとして存在感は保ち続けた。後期にはさすがにゴジュラスギガに撃破されたりする描写も目立つようになり、あくまで性能としては最上位ではなくなってしまったものの、戦い方やパイロットの腕次第では最新鋭のゾイドと渡り合える可能性を秘めているといえる。
バトルストーリー
ガイロス帝国軍のテストパイロット、アイスマンことリッツ・ルンシュテッド中尉が本機のプロトタイプに搭乗。模擬戦においてレッドホーンGCとセイバータイガーATを瞬時に撃破し、OS搭載機の性能を知らしめることになる。
その後のガリル遺跡での調査任務の際に共和国軍のレオマスターの1人・アーサー・ボーグマン少佐との運命的な出会いを果たす。
格闘戦に特化したブレードライガーとの相性が悪い事もあり(もっとも、兵器としての完成度ではジェノザウラーの方が上ではある)苦戦を強いられるが、目標のゾイドコアの回収および撤退に成功。
後にリッツ中尉のジェノザウラーは、「打倒ブレードライガー」という命題の下、ジェノブレイカーへと強化された。
また、本機の開発ノウハウがバーサークフューラーの開発に活かされたほか、その性能自体は高いためネオゼネバス帝国でも継続して運用された記録もある。
アニメでの活躍
ゾイド-ZOIDS-
バトルストーリーと設定こそ異なる(デスザウラーを蘇らせる過程で偶発的に誕生した、曰く「悪魔の分身」)が物語の重要なスポットとして登場し、その後に登場する本作最大の敵の存在を示唆する予兆として、また規格外の強さから少年時代編の中ボスポジション、全体を通してライバルポジションも務めた。
主にレイヴンが搭乗した。
また本作では放電機能を有しており、ワイヤーキラークローで掴み機体ごと相手パイロットを感電させるというえげつない攻撃が可能になっている。
最大出力では膨大な電気エネルギーで自身の周囲を爆散させることさえ可能なようで、これを受けたゾイドは機関部の爆発も手伝って木っ端微塵に砕け散ることになる。
マウントオッサでのバンとの戦いでセイバータイガーを放棄したレイヴンの新たなゾイドとして、プロイツェンから下賜された。
初陣から野党を無残に壊滅させ、プロイツェンの命で帝国首都から落ち延びた皇帝ルドルフの抹殺のため勢いそのままデザート・アルコバレーノのロッソとヴィオーラを最大出力の放電で撃破し、さらに直後のバンのシールドライガーとの一騎打ちでは完膚なきまでに叩きのめし、ライガーを荷電粒子砲で貫き元の化石に戻している。
その後もレイヴンの高い操縦技量も相乗し、無敵に近い強さを誇った。
帝都を目指してシールドライガーが復活・進化したブレードライガーを駆るバンの前に立ち塞がり再戦した際も、ライガーもジークも先の戦いで消耗していた事も相まって一度はジークとの合体を解除させるほど追い詰めた。しかし、自力で本領を発揮したバンにより思わぬ反撃を受けパルスレーザーライフルを切り落とされ、さらに荷電粒子砲発射時に必ず脚を固定する事を見抜かれて発射直後に交わされ、対抗し無理して機体の向きを変えた結果アンカーを損傷してしまった。その上にバンが「レーザーブレードの振動エネルギーが荷電粒子砲の電子を拡散させる」事に気付くきっかけを与えてしまう。それでもワイヤークローでライガーを捕らえて至近距離から最大出力の荷電粒子砲を撃ち葬ろうとしたが、ジークと再合体し復活を遂げたライガーによるEシールドとブレードの合わせ技「ブレードアタック」で正面から打ち破られ、レーザーブレードで荷電粒子砲もろとも口腔内を貫かれて爆発し炎に包まれた。
その後、ガーディアンフォース編でヒルツの導きで復活したレイヴンの機体として2代目が登場。後述するように、以前は黒と紫の体色であったが、こちらは原型であるデスザウラーの体色である黒と赤になっている。前述の通り偶発的に生まれたゾイドであるため簡単に手に入る物ではなく(シュバルツがレイヴンを取り調べた際にもそう言っている)、どういう経緯で誕生したかは不明。
ブレードライガーとの再戦では、ライガーのEシールドが以前より強化されていたにもかかわらず、荷電粒子砲とパルスレーザーライフルを同時に発射するとシールドを貫通できることを見抜きブレードライガーをダウンさせ撃破寸前まで追い込む。しかし直後にもはやジェノザウラーの性能では更なる成長を遂げたレイヴンのポテンシャルを発揮しきれないと感じたシャドーが独断で機体を撤退させ、そのまま岩山に忍び込んで「エヴォリューションコクーン」を形成した。そしてジェノブレイカーへと進化しさらに猛威を振るった。
その後も亜種として終盤にリーゼの駆る「サイコジェノザウラー」の他、
最終決戦でプロイツェンとヒルツに反旗を翻したレイヴンと対峙した改造量産型3機が登場。
3機でロングレンジパスルレーザーライフルを集中砲火しジェノブレイカーをシャドーと合体しているにもかかわらず防戦一方に追い込み、更に1機は荷電粒子砲でジェノブレイカーのフリーラウンドシールドとエクスブレイカーを消し飛ばすまで追い詰めたが堪忍袋の緒が切れたレイヴンにより、1機はジェノブレイカーのレーザーチャージングブレードで荷電粒子砲の砲口を貫かれ、残りはそれぞれエクスブレイカーやチャージングブレードで首をはねられて停止した。
ゾイド新世紀/ZERO
遺跡から発掘された機体が登場し、チーム・フーマが乗り込む。
しかし「キング」ことバックドラフト団のベガ・オブスキュラの規格外の実力には相手が悪く、ほとんど傷一つつけられないままバーサークフューラーのかませ犬にされてしまった。
尚、ジェノザウラーは頭部形状で帝国仕様機とレイヴン仕様機を判別できるデザインとなっているが、これらアニメ2作ではレイヴン仕様のCGを使いまわしていたため、他の仕様が登場することはなかった。
ちなみにゾイドバトルのゴング音には、ジェノザウラーの咆哮が加えられている。
ゾイドフューザーズ
後述するロジャー機が登場したほか、バーサークフューラー以前のブレードの愛機だった。
漫画での活躍
前述のアニメ版と同様にレイヴンの乗機として登場。
シャドーとの合体を前提に設計されており、高い性能を引き出す代償として一度の合体でゾイドコアは生命力を失い死んでしまうというシャドーの特性にあわせ、9個のゾイドコア搭載している。
バンのシールドライガーを大破させ、港湾都市ポルトの発電ゾイド「ウェンディーヌ」を破壊しようとしたレイヴンを制止しようとしたシュバルツのアイアンコングを格闘で圧倒するも、ウェンディーヌとジークハートの力で進化したブレードライガーに撃破された。
バリエーション
ジェノブレイカー
該当項目を参照。
ジェノザウラー レイヴン仕様
アニメ1作目で登場したレイヴンの機体。遺跡から発見されたコアを元に作り出されたアニメ版デスザウラー(この場合は、ガイガロスで戦った個体のこと)の変異体。頭部の装備構成がビームガン×1レーザーセンサー×2に変更されている。どこかの公国軍最終MSよろしくワイヤーキラークローで腕を飛ばしたり電撃を流したりもできるが、これは1作目に登場するジェノザウラー系統共通の機能である。
また、後方へのバーニアでブレードライガーのブレードアタックを受け止めたり、腕一本でブレードライガーを持ち上げて投げつけるパワーも持っている。尚、ジェノブレイカーも含めて劇中のCGは設定よりも大型化している。
後に「/ZERO」でも同仕様の機体が登場する(というより、1作目と/ZEROの2作ではそもそも帝国仕様の頭部のジェノザウラーが出てこない)
ジェノザウラーR(アニメ版)
アニメ「ゾイド-ZOIDS-」で登場したレイヴンの機体。アニメのGF編で登場した赤いフレームの機体であり、製造過程でアンビエントの因子が加えられている。前述通り親機とも言えるデスザウラーのカラーリングをしている。
アニメ版に準拠した機体であるため、そもそもOSは設定されていない。アニメとバトルストーリーの設定が時折混ざっているHMM版の解説では、この仕様はシャドーが合体することを前提に建造されているためOSを搭載しておらず、非合体時の性能はむしろオリジナルのジェノザウラーより落ちるとしている。
荷電粒子砲とパルスレーザーライフルの併用によってブレードライガーの強化型Eシールドをパワーダウンさせる場面がある(キット準拠のガンブラスターの設定ではEシールドは異なる周波数のエネルギー弾に弱いとされているが、あちらは対ビーム防御装備である違いがある。アニメ「ゾイド-ZOIDS-」のEシールドは実弾も防ぐことが可能だが、特殊徹甲弾の三点連射で貫通できる弱点を持っている)。
レイヴンが搭乗した機体はトーマのディバイソンを撃破したあと、ブレードライガーやコマンドウルフと交戦し、その後はジェノブレイカーへと進化している。この他、イヴポリスに配備されていた同型機が3機確認されている。
ジェノザウラーR(ゲーム版)
ZOIDS VSやゾイドタクティクスといったゲームに登場する、バトルストーリーにおけるリッツ・ルンシュテッドの機体に該当するジェノザウラー。
バトルストーリーで登場した先行型ジェノザウラーは帝国仕様にリッツのマーキングを施したプロップを使用しているが、ゲーム作品ではキャップが赤い仕様違いを持たせている。
サイコジェノザウラー
該当項目を参照。
ブラッドスペシャル
『ゾイドサーガ』シリーズで登場した蒼い装甲の機体。
ジェノバスター
ジェノブレイカーよりも先行していた派生機。デススティンガーが暴走した場合に抑えるための機体として構想されていたが、高すぎる性能にパイロットとゾイドコアが耐えられずお蔵入りし、バーサークフューラーにノウハウが活かされた。
スーパージェノザウラー
『ZOIDS 〜白銀の獣機神ライガーゼロ〜』『ZOIDS SAGA』に登場した強化形態。
ジェノブレイカーの没画稿を転用したもので、登場するゲームによって個別のデザインが用いられている。
『ZOIDS SAGA』版ではダークグレーのカラーリングd3,4連装キャノンとエクスブレイカーを装備しており、こちらは電撃ホビーマガジンに掲載されたデザインに近い。また、頭部形状はサイコジェノザウラーに通ずる部分もある(が、『ZOIDS SAGA』ではどう見ても灰色のジェノブレイカーにしか見えない)。
コロコロコミックのジェノブレイカー初登場時に掲載された画稿は「白銀の獣機神」にも通ずるデザインである。
同作には、他にもかつて存在した小学館の学年雑誌の改造ゾイドや没機体が何体かオリジナル機体として登場している。
ロジャー機
『ゾイドフューザーズ』に登場。バトルロイヤルに参加した「地獄の破壊王」ロジャー(声:若本規夫)が駆る黄色いフレームのジェノザウラーで、尻尾の節が一つ増えている。
カラーリングは『フューザーズ』米国展開時にハズブロで限定発売されたライトニングサイクスと同様。
ジェノザウラーRT
『ゾイドバーサス』シリーズに登場したロットティガー隊に所属する機体。
選択式とはいえ、主人公側が操縦する珍しい個体である。
ジェノザウラー・ホロテック
ホロテック仕様の機体であり、光学迷彩の他、ビームなどを跳ね返すこともできる。
元々はゾイド20周年の際に発売された限定キットであり、後にゾイドバトルストーリーに登場している。
ジェノトルーパー
小学館刊『機獣新世紀ゾイド 公式ファンブック2』にて登場した飛行タイプの強襲型ジェノザウラー。
背部に大型の翼を備え、マグネッサーシステムによって飛行可能となった。
背部のロングレンジパルスレーザーライフルは4門に増設され、頭部にはガトリング砲を搭載。
ファンブック内のバトルストーリーでは、友軍の撤退を支援すべく最新鋭のゾイドと共に出撃したが、戦闘の最中に暴走を起こして敵味方の区別なく攻撃を始めたデススティンガーの背後から攻撃を仕掛けるも超重装甲を打ち破るには至らず、逆に捕えられ撃ち抜かれた挙句切断されてしまった。
ジェノリッター
該当項目を参照。
リビング・デッド・バタリオン
ジェノザウラーの残骸をキメラブロックスが取り込んで発生したアンデッドの様なゾイド。
余談
- ブレードライガーはシールドライガーの一部仕様変更品であるため、実質的にはジェノザウラーが平成シリーズの完全オリジナルゾイド第一号である。
- ジェノザウラー系統のゾイドで定番化した移動時のホバリング描写はアニメ版『ゾイド-ZOIDS-』にて初めて行われ、漫画の「機獣新世紀ZOIDS」でも輸入されている。バトルストーリーではコロコロ版にて脚部バーニアでジャンプしたほか、ジェノブレイカー以後は飛翔している場面も時折ある。尚、電撃ホビーマガジン誌等で掲載されていたジェノザウラーの玩具画稿の段階で脚部装甲内のバーニアはデザインされており、その時点では胴体部に個別な開閉式メインバーニアが存在し、脚部バーニアは荷電粒子砲発射時の反動相殺用という扱いだった。玩具側では、シュトゥルムユニットの解説でホバリングの搭載がはじめて言及されている。
- ジェノザウラーの登場時はアニメ「ゾイド-ZOIDS-」放送時であったため、当時の玩具にてレイヴンのパイロットフィギュアや専用機の頭部、シールが付属する等、特定キャラクターとの連動要素も加味された仕様であった。その後はジェノザウラーブロックスやコトブキヤのHMMシリーズでも帝国仕様とのコンバーチブルが再現されている。尚、同アニメのGF編ではフレームが赤色のジェノザウラー(放送時のアニメ公式ではジェノザウラーRと記述される)が登場していたが、同仕様はHMMにてレイヴン仕様の名称で発売されている。
- Nintendo Switchソフト『ゾイドワイルド_インフィニティブラスト』では上位互換たるジェノブレイカーが登場しているため本機は実装されていないが、ロングレンジパルスレーザーガンが実装されているためそれを付けて色を変えればそれっぽく雰囲気を楽しむことができる。
外部リンク
関連リンク
ゾイド, ガイロス帝国, ティラノサウルス, ジェノブレイカー
デスザウラー、バーサークフューラー、凱龍輝…亜種に等しいゾイド。
バイオティラノ…カラーリングや武装がジェノザウラーを彷彿させる点が多いが、原型のゾイドの分身として生み出された点はバイオラプターに近い。
我妻善逸:2019年10月18日にフィギュアがAmazonで予約開始したことをホビー情報アカウントが告知したのだが、その際何故か掲載されていた画像がジェノザウラーになっているという謎のミスが発生して、「荷電粒子の呼吸」などネタにされた。ハリー・チャンプも善逸と比較されることがあり、ハリーも愛する女性を守る為にジェノザウラーの荷電粒子砲に立ち向かおうとしたことがある。