バイオティラノ
ばいおてぃらの
黒い装甲に紫色のフレームとジェノザウラーを思わせる体色を持つバイオゾイドの「王」。狂暴揃いのバイオゾイド達もバイオティラノの前には平伏すとまで言われている。
メタルZiの武器すら防ぐダークネスヘルアーマーで全身を覆っており、バイオヴォルケーノやソウルタイガーをも上回るスピード、近づいた相手を捕獲・破壊する両脇腹に収納された副腕リヴ・デスサイズ、そして対象を分子レベルにまで消滅させる口腔内の主砲の「バイオ粒子砲」などの数々の武装を備え、攻守ともに隙を持たない。
特にバイオ粒子砲はバイオヴォルケーノの物から更に強化されており、着弾点に黒い球体が発生し、ブラックホールの様に対象物を光球の中心に吸い込み破壊する。開発者は「ジーン砲」と名付けようとしていたが、当のジーンは「無粋」としてこれを良しとせず、「神の雷」と名付けた。
また、他のバイオゾイド同様に、キットでは記載されていないヘルファイアーを装備しているが、やはり口内に装備しているため、バイオ粒子砲と撃ち分けができていた原理は不明である(寧ろ武装からして電撃を吐きそうだが)。
格闘武装には電撃技を思わせる名称が付いているがどのような効果が含まれているかは定かではない。リヴ・デスサイズは、肋骨にあたる部分からクロー付きのアームを伸ばして攻撃するという武装であり、アニメではデッドリーコングとクローアーム対決をした場面もある。
『機獣創世記ゾイドジェネシス』ではディガルド軍の総司令官ジーンの乗機として登場。同作のラスボスを務める。バイオティラノのキットはラインナップの中でも比較的早い段階で発売されたが、劇中での登場は終盤からとなる。
バイオヴォルケーノに搭載されていた生命エネルギー変換装置の搭乗者への負担を減らした改良型と動力の落ちたゾイドをも検知できる最新鋭のレーダーを搭載することで完成した。
ディガルド武国の首都ディグに奇襲をかけたディガルド討伐軍を襲撃し、ソウルタイガーの機動性やデッドリーコングのパワーを上回る圧倒的な実力を見せつけ、彼らを撤退に追い込んだ。デッドリーコングとは、互いにアーム同士での決闘だったが、その面でも威力が上だった。
その後の演習にてヘルファイアーのみでバイオラプターの群れを壊滅。続いてディガルドとの決別を決意したザイリンのバイオヴォルケーノと交戦し、ここでも圧倒的な実力と機体性能で敗退させ、終盤でバイオ粒子砲を「神の雷」へと大幅に改良。
討伐軍殲滅の為に本拠地へ大軍勢と共に進撃した。侵攻ルート上にある町や村、果ては自軍の基地までもが「神なる者の怒り」と称して「神の雷」で無差別に破壊し尽くされた。
最終決戦の地となった自由の丘では、あらかじめ待機していた第16師団のバイオメガラプトル部隊を「神の雷」で壊滅させて討伐軍の動揺を誘い、ハヤテライガーとソウルタイガーの高機動攻撃をも物ともせずに圧倒。
ムラサメライガー、デッドリーコング、ソウルタイガー、改造ランスタッグを一蹴し、突如乱入したフェルミのバイオプテラに対しては改造ランスタッグに装備されていたビーストスレイヤーを投擲して撃墜した。
止めとばかりに「神の雷」を放とうとするが、バイオヴォルケーノのバイオ粒子砲との撃ち合いで発射口が破損したために格闘戦に移行。リヴ・デスサイズでソウルタイガーのゾイドコアをピンポイントで破壊し、左腕の封印を解放したデッドリーコング、バイオヴォルケーノを血祭りに上げ、遠距離からの狙撃に対しては瞬時に察知して防御し、終いにはバンブリアンを盾にしてムラサメライガーのゾイドコアを破壊する。
万策尽きた討伐軍だが、ルージの思いに応え、強力な再生能力でゾイドコアを修復し復活したムラサメライガーを見て動揺している隙を突く形で、コアを二つ持っている為に動けたデッドリーコングと大破を免れていたバイオヴォルケーノによってゾイドコアを守る外殻を壊され、コアを剥き出しにされてしまう。
直後にこの2機はリヴ・デスサイズで退けられたが、行方不明になっていたラ・カンのソードウルフの乱入でリヴ・デスサイズを破壊された事で全ての武装を失い、ムゲンブレードとムゲンブレイカーの二刀を翼のように形成したムゲンライガーの斬撃で真っ二つにされ爆散した。
- 『機獣創世記ゾイドジェネシス』とは異なる世界を描いたライトノベル『ゾイドジェネレイションズ』には、バイオゾイドの発生源とも言うべきティラノサウルス型のバイオゾイドの「マザーバイオ」が登場。電撃ホビーマガジンでは、バイオティラノのキットを改造したものが掲載されていた。
- 「ジーン砲」のネーミングセンスは、どこか「ゼネバス砲」に近いものがある。
- ソードウルフがリヴ・デスサイズを破壊した場面は、『ゾイド新世紀/ZERO』にてバラッド・ハンターがシャドーフォックスでバーサークフューラーのバスタークローを破壊してビット・クラウドとライガーゼロをサポートした構図と似ている。