スペック
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概要
ヘリック共和国が開発した巨大ゾイドで、ライガーゼロと同様に強靱な力を持つ野生体希少種であるギガノトサウルス型野性体をベースとして開発されている。ゴジュラスの実験機である「メガゴジュラス」のデータも開発に多大な影響を与えたとされている。
開発には、共和国首都陥落時に行方不明となったルイーズ大統領が遺していたデータが要となった。また、ゴジュラスの旧式化やその改造機の耐用年数の限界が近づいていた点、戦闘環境の高速化、どんなに強い機体を前線に投入しても無力化してくるダークスパイナーの存在や、近代化改修されたデスザウラーに対抗しうる新たな切り札をヘリック共和国が欲していた点も大きかった。
名称は共和国反撃の新たなシンボルとして、また背鰭を持つ点が同軍の代名詞かつ最強のゾイド・ゴジュラスに通じたためゴジュラスの名を冠したとされる。
ゴジュラスと同様に非常に気性が荒くて扱いにくく、いくつかの共通点を持つが、種類や機体コンセプトは大きく異なる。ただし、後述のガミー機の様に性格が穏やかな個体も存在する。
性能
トランス・フィギュレーション・システム
直立姿勢の「格闘モード」から前傾姿勢の「追撃モード」への変形が可能で、追撃モードではこのサイズのゾイドの常識を超えた速度で対象に接近できる。そして、一瞬で格闘モードに切り替えて格闘戦を仕掛け相手を葬るという戦法が得意である。後年の戦闘描写がほぼ無いのも、一瞬で戦闘が片付いてしまうからとも解釈できる。
追撃モードの際には、ハイブリッドセンサーが変色する。
直立姿勢と前傾姿勢を使い分けるというのは、過去と近年の獣脚類の復元図を再現しているとも言える。
とりわけこの「追撃モード」がゴジュラスギガの最大の長所の一つであり、後述のデスザウラーを上回る最たる所以でもあり、ひいては作中苦戦が目立つ理由でもある。
ゴジュラスギガが苦戦する描写は、相手に接近できないか、マシントラブルで動けないか、最高速度が出しにくい地形など、機動力を削がれた場面ばかりである。
このような優秀だが得手不得手がはっきりした新機能が搭載された背景には、高速ゾイドとの連携や、デスザウラーが強化され頭数をそろえられた点も寄与していると推察される。
現に帝国側はマッドサンダーを破るためにデスザウラーを大量生産して相打ちに持ち込んだ経験があり、大量のデスザウラーに遭遇した場合急速離脱するのにより有利なスピードを重視した設計思想に行き着いたのだろう。
また一見不利な多対一の状況であっても、乱戦時は高速移動すれば敵機の同士討ちも誘える為、重戦車タイプよりヒットアンドアウェイが出来る素早い方が有利に立ち回れる事も利点と言える。
格闘能力
接近戦での戦闘力はあのデスザウラーを凌ぎ、ロールアウト当時の初代ゴジュラスと同じく共和国軍最強である。また自身より重いデススティンガーを軽く持ち上げるパワーを持つ。
初代ゴジュラスにとってデスザウラーは天敵ともいえるので、最強の格闘能力を大幅に強化しつつ天敵に対抗可能になったのはゴジュラスの面目躍如といえよう。
公式ファンブックによれば、格闘能力はデスザウラーと互角のS評価である。しかし、運動性能では大きくデスザウラーを上回っており、スピードも含めた総合的な格闘能力ではやはりデスザウラーを上回るのだろう。
より補強するならば、後に帝国軍はデスザウラーを強化してゴジュラスギガを攻略するプランを見直し、近付く前に処理するセイスモサウルスを開発しているので、接近戦でいかにこの機体が超絶的であったかがうかがい知れる。
「ギガクラッシャーファング」「ハイパープレスマニピュレーター」「ロケットブースター加速式クラッシャーテイル」や強力な脚力、機体サイズとパワー、速度、古代チタニウム合金の装甲の全てが格闘戦で絶大な威力を発揮し、ストライクレーザークローやレーザーサーベルの様にエネルギーを流して強化せずとも、十二分な破壊力を持つ。
実際、バトルストーリーではステルススティンガーを容易く撃破しており、その際、ステルススティンガーやジェノザウラーを踏みつけで破壊している。『ゾイドフューザーズ』でも、アイアンコングを倒したり、シザーストームとレーザーストームを纏めて瞬時に撃破している。
また、『ゾイドフューザーズ』の時代では旧式扱いされているが、超一級のユニゾン機であるライガーゼロファルコンと凱龍輝スピードが(無傷で抑えようと本気ではなかったとはいえ)二体がかりでも太刀打ちできないほどのパワーを誇る。
防御力
装甲として使用されている「古代チタニウム合金」は高い防御力を誇るだけではなく、ダークスパイナーのジャミングウェーブなどの妨害電波を完全に遮断できる。それまではダークスパイナーのジャミングウェーブに共和国軍はほぼ手も足も出なかった事を考えれば非常に画期的な防御機構である。
更に、胸部にはハイパーEシールドを装備し、デスザウラーの大口径荷電粒子砲を至近距離から受けても3発は耐える事ができる。
公式ファンブックによれば装甲、Eシールドの評価は共にS-であり、デスザウラーやマッドサンダーには譲るものの、上位クラスである。
当時のデスザウラーは近代化改修によって強化されており、とりわけ大口径荷電粒子砲は、フルパワーで照射すれば天敵のマッドサンダーの反荷電粒子シールドを焼き落とす程であった。
つまり、しっかり耐えきってから反撃するマッドサンダーの戦闘スタイルでは、近代化改修したデスザウラーに旧大戦程優位性を示せなくなってしまったのである。
ゴジュラスギガは一見すると防御力はマッドサンダーに劣るものの、足の速さと軽量な機体とEシールドを生かして大口径荷電粒子砲を受けきるのではなく受け流して接近する事に重きを置いているといえる。
いわば、マッドサンダーはデスザウラーとの真正面からの格闘戦を想定されており、ゴジュラスギガは一撃離脱寄りの格闘戦を想定しているといえよう。
※現実でも二次大戦においては、各国のエースパイロットは一撃離脱で撃墜スコアを稼いでおり、一撃離脱は最適化された戦術の一つといえる。
コンセプトアートによれば、古代チタニウム合金とEシールドの併用により、当初予定されていた重装甲よりも大幅に総重量が軽減されたとしている。
しかし、装甲の隙間はさすがに脆いらしく、バトルストーリーではグランチャーのパルスレーザーガンで脚部のジョイントを攻撃されて、機動性を封殺されていた。
また、バトルストーリーでも『ゾイドフューザーズ』でも、セイスモサウルスの砲撃には太刀打ちできない場面がみられた。また、『ゾイドフューザーズ』ではアイアンコングとの戦闘で、敵のマニピュレーターのパワーによってゴジュラスギガの口元がショートする場面もあった。
ウェポンラック
キット版では、通常使用できる火器の類は一切装備されていないが、背鰭の一部を外してウェポンラックを増設する事が可能である。
装備できる武装は幅広く、ゴジュラスのロングレンジバスターキャノンや、バスターイーグルのバスターキャノンなどのBLOX規格のパーツを戦況に応じて換装する事ができる。
通常火器が皆無であるのは当時の逼迫した戦場に起因する。
ギガロールアウト時ヘリック共和国は極めて劣勢であり、SSゾイド等との連携、小規模部隊によるゲリラ戦が主体であった。多数の僚機(バスターイーグル、ゴルヘックス、アロザウラー、凱龍輝など)に指示・連携する旗艦としての運用意図を体現しつつ、少ない資材や武装をより効果的に運用するため、極力無駄を省いた運用に迫られた。
そこで共和国は、普段は高速移動を兼ねた格闘戦法に特化しつつここぞという場面でゴジュラスギガに武装させ、コア出力で強化した大火力戦に状況に応じて切り替える戦略をとった。実際、改造個体であるギガバスターの設定では、自由にバスターイーグルのバスターキャノンを着脱して機動性を上げるとされてもおり、高速ゾイドとの連携も加味すれば非常に合理的である。
※本来ゴジュラス用の火砲は極めて頑丈に作られており、接近戦でも打突武器や盾としての役割も持つが、逼迫した共和国ではそれら高度な武装を大量生産する余裕がない為に不用意に打突武器として消耗させるより火力専門と割り切り慎重に運用する意図もあったと考えられる。乱戦時は巨大火器を常時武装する事で目立ってしまい集中砲火を浴びる危険性、味方を巻き込んで砲撃してしまう可能性もある上、大型武装による重心の変化と表面積の増加、弾薬の搭載によるダメージを受けた際の誘爆性をも増やすなどがギガの高速近接戦闘という基本スタイルとやや相性が悪い点などもあげられる。
掘り下げるならば、単機に重武装させて強化を図る以上に、重火器により表面積の増加で発生する被弾時の誘爆のリスク、火砲による重心の変化を重く見た上で、友軍との役割分担を明確化する意図もあった。
ましてゴジュラスギガの場合、仮想敵が生半可な火力ではビクともせず、重心の変化による一瞬の隙が命取りとなるデスザウラー故、中途半端に火器を搭載するより格闘に特化した方が賢い。そもそもギガの格闘武装はそれぞれが必殺級であり、わざわざバスターキャノンなどを打突武器として用いる必要が薄い事もそれに拍車をかけている。
※一見するとギガの極端な設計思想は不可解にも思えるが、二次大戦時の零式艦上戦闘機は装甲を極力廃して無駄をそぎ落とした結果、当時としては破格の性能を持った事例も現実に存在しており、決して不自然とは言い切れない。
- 状況は異なるが、『ゾイドフューザーズ』でのガミー機もバスターイーグルとのユニゾンは見られなかったが、ブルーシティの市街地での活動も多いガミー機にとっては大型の外付け武装は適切でなかった可能性もあり、代わりにガミー機は舌にビームガンを装備していた。
ゾイドコア砲
背鰭には封印武装「32門ゾイド核砲」という禁断の武装が存在している。これはゴジュラスギガの命と引き換えに放たれるという諸刃の剣であるが、その威力は全砲命中すればデスザウラーの大口径荷電粒子砲を遙かに上回るという。
公式ファンブックによれば、近接射撃評価はS+であり、デスザウラーのS評価を上回っている。デスザウラーは大口径荷電粒子砲以外にも火力を有しており、ゾイドコア砲だけでここまでの評価と考えれば汎用性はさておき威力は凄まじいものであろう。
切り札の旗艦に所謂自爆技を仕込むのは如何かとも思えるが、それだけヘリック共和国はデスザウラーの撃破に躍起だったと同時に、自国の切り札を場合によっては使い捨てる手段を選ばざるをえない戦況だったというのは想像に難くない。
一応フォローするならば、単純な自爆に比べ攻撃軌道をコントロールできるゾイド核砲はパイロットの安全を確保しながら資源を可能な限り有効活用する優位性はある。
また資料によっては、武装はゾイドコアをチャンバーとしてエネルギー供給を行うことからゾイドの寿命を縮めるものであり、使用テストの際はゴジュラスギガが石化し死亡する事態を招いていたことから封印されたとする記述も存在する。
必ず死亡するのか大きな負担がかかるのかは判然としないものの、仮にリスクの高い大技程度であれば、事実上ないものとして扱われるようにはならないので、惜しいものである。
また、自身のロールアウトのすぐ後にもっと強力な威力や使い勝手を実現する武器が出現したのだが、これも実用的であるとはいえない大技あるいは未完成品で実戦投入されない幻の武装として扱われている。
『ゾイドバーサス』や『ゾイドストラグル』などのゲームでは、必殺技として背鰭から無数の光球やビームを撃ち出して敵を攻撃するシーンが見られるが、ゲームである以上、発動直後にゴジュラスギガが戦闘不能に陥るようなことはない。
その他
搭乗人数が1名になっているが、これは共和国最強のマッドサンダーやウルトラザウルスより減っている。戦況的にも人材的にも極めて逼迫した共和国にとって、パイロットが複数人で運用する機体は万一撃破されてしまっては人的損失も深刻であるため、1名で運用するスタイルにしたと考えられる。
脚部に備えられた展開式のアンカーは、ロケットブースターを点火したクラッシャーテイルや砲撃時の反動に耐える際に使用される。
ゾイドとしては極めて珍しく「舌」があり、さらには装備ステータスに含まれていない銃器のモールドが2門ある。キットでもわざわざ別パーツ化されている意味ありげな部分だが、 これが何の機能を持つのかは明らかにされていない。
- 『ゾイドフューザーズ』では、ガミー機がビームガンおよび対ゾイド捕縛用ネットランチャーとして活用している。
テイルスタビライザーは、キットでは武装としては扱われていないが、『ゾイドバーサス』などではエネルギーを纏った格闘武器として使用できる。そのため、キット準拠でも、クラッシャーテイルを行うと敵に命中する位置に装備されていることもあり、尻尾による打撃の威力を底上げする余地はあるだろう。
ガミー機は警察組織に所属しているからか、両肩にパトランプの様な回転灯を備えている。
バリエーション
プロトゴジュラスギガ
ゴジュラスギガのプロトタイプにしてヘリック共和国の象徴としてのプロパガンダ的な役割を担う機体で、黒と銀のカラーリングが施されている。外観はその後に製造された量産機と変わらないが、関節のキャップはパワーを抑えたテスト用のサーボモーターという設定になっている。
ゴジュラスギガBPS
アニメ『ゾイドフューザーズ』に登場したタイプで、ブルーシティ治安局のチーフを務めるガミーが搭乗する。肩部には回転灯を装備し、バトルストーリー版では用途が不明瞭だった舌部に火器を装備している。ゲームなどでは「ゴジュラスギガBPS」(PBSとも)という名称も使われている。
五式野戦砲装備型
改造例の一つで、ロングレンジバスターキャノンを5門装備している。
類似したタイプとして、バスターイーグルのバスターキャノンを4門装備したギガバスターがある。
マグネイズキャノン装備型
『妄想戦記』で言及されたバリエーション。
マッドサンダーやバーサークフューラーやライガーゼロファルコンやバスターライガーや「銀牙」などの類似武装(マグネーザーやバスタークローなど)を参考にした、マグネーザーとビームキャノンの複合武装の「マグネイズキャノン」を装備している。
『ゾイドストラグル』では、この機体を再現可能である。
バニッシュ
通称「GGP」。
『ZOIDS BATTLE ANGEL』に登場したならず者の治安局辺境警備隊のリーダー機。
- 世界観こそ異なるが、ガミーのゴジュラスギガとブルーシティの治安局部隊を意識しており、また、デッドリーコングを意識した武装を施されている。また、カノンフォートと特殊なゴルヘックスとレイノス以外は所属ゾイドもブルーシティの治安局と共通している。
ギガ自身の格闘能力を上手く活かさずに追加武装で格闘能力を補強するという「本末転倒で頭の悪そうな機体コンセプト」らしい。可変式のモジュールを背部に持ち、格闘用のマニピュレーター・アーム(サブマニピュレーター)になり、ドリルや回転ノコギリへの換装機構も持つ。
クラッシャーテイルは、装甲の増強、スパイクやバーニアの増設、脚部のアンカーも大型スパイクに変更されるなど、全体的に威力が底上げされている。
その他、顔の両側に大型ミサイルランチャーを装備し、ならず者とはいえ治安局に所属するのでアンテナ式のパトライトとサイレンを装備している。
ゴジュラス3
『白銀の獣機神ライガーゼロ』に登場した個体。
『電撃ホビーマガジン』2001年11月号及び2002年12月号に掲載された、ゴジュラスギガの没案の「アルティメットゴジュラスT2」の設定を受け継いでいる。
キングゴジュラスに似て胸部に主砲を持っており、大口径のプラズマキャノンを装備している。
活躍
バトルストーリー
ヘリック共和国軍の基地がネオゼネバス帝国軍の特殊部隊「黒の竜騎兵団」による奇襲を受け、ジャミングウェーブ遮断機能が実装されていない未完成の状態で初陣を飾る事になる。
ダークスパイナーの発するジャミングウェーブによって共和国軍のゾイドが指揮系統を狂わされる中、愛機のケーニッヒウルフを破棄して基地に逃げ延びたスティブ・ボーン少尉は、機密保持の為の爆破を命じられていたゴジュラスギガに爆薬を抱えたまま搭乗し再出撃。共和国軍の傭兵アーバインの駆るゴジュラス・ジ・オーガの犠牲と引き換えに、帝国軍少佐ジーニアス・デルダロスの操るステルススティンガー(デススティンガーの改良型)を一瞬で撃破した。
その後もクック要塞攻略戦においてアロザウラーとの連携でデスザウラーを撃破するなどの活躍を果たし、共和国軍の建て直しに貢献した。格闘戦に持ち込めない遠距離から一方的に攻撃してくるセイスモサウルスとは相性が最悪なのもあり敗れてしまうが、ネオゼネバス帝国との決戦では荷電粒子砲を無効化する凱龍輝との連携でセイスモサウルスの部隊を壊滅に追いやっている。
ゾイドフューザーズ
治安局のリーダー、ガミーの乗機として出演しており、ブルーシティの治安・防衛の要の守護神として親しまれている。舞台であるブルーシティーのシンボル的存在であり、なんと性格も穏やかである。劇中では単純に「ゴジュラス」と呼ばれる場合がほとんどである。ガミーの25年のキャリアの中では、ゴルヘックスに次ぐ二番目の愛機である。
ゾイド同士が合体する事でより強力なパワーを発揮するZiユニゾンが本作のテーマとなっているが、残念ながら他の治安局のゾイド共々、劇中ではZiユニゾンを披露していない。本来のパートナー機の一つであるバスターイーグルは、RDのライバルのZiユニゾンを行っている。しかし、前述の通り、ライガーゼロファルコンと凱龍輝スピードが二体がかりでも止められない驚異的な出力を持つ。序盤の時点で、同じ治安局でもアロザウラーやゴルヘックスなら躊躇いなく撃破していたバスターフューラーでさえ、ゴジュラスギガが現れれば即座に退却を選んでいたことからもその実力がうかがい知れる。
- 大都市における治安活動を前提としていることや、誘爆やテロの危険性もあり、周囲への影響を考えるとバスターキャノンなどの火器の装備自体も難しいと思われる。実際、劇中でテロに利用された際には素の状態で多大な被害を街に与え、ビームガンをハッキングされて街を攻撃しようとしてガミーがビームガンのケーブルを無理やり引きちぎって事なきを得ている。
- RDたちが街中でZiユニゾンを披露していたのは、ゾイドバトル用の闘技場での運用や、ある程度のスペースがある場所でのユニゾンであるため、ゾイドバトルに参加することもなく巨大ゾイドに該当するガミーのゴジュラスギガでは、主な活躍の場である市内でZiユニゾンを行える状況も限られていると言える。
- 『ゾイド新世紀/ZERO』における警察所属機は対照的にゴジュラスキャノンを基本装備している。
第1話冒頭では、違反行為の常習犯な主人公・RDが駆るライガーゼロを捕縛すべく立ち塞がったが、これはガミーとRDにとっては挨拶的なものであり、真剣な事態ではない。
とある回ではアイアンコングとの一騎打ちという燃えるシチュエーションのバトルを行い撃破していた。しかし、キメラドラゴンの襲撃の際にはガミーが出払っていたために出番がなく、その隙を突かれた形だった。
物語中盤に登場したリヒタースケールの統率者のアルファ・リヒターによって自爆テロの道具に使われて暴走させられてしまい、あわや破壊もやむなしという状況に陥ったが、ガミーが舌のビームガンの回路を抜いたり、ガミーの叫びに応えた事で洗脳が解けた。そのため、最悪の事態は避けられたが、街の守護神であるゴジュラスギガが破壊した痕は大きく、その責を取る形でガミーの失脚とともにゴジュラスギガも接収された。
第23話では、シザーストームとレーザーストームに足止めされていたRDのライガーゼロファルコンを見たガミーがゴジュラスギガに搭乗して現れ、敵を豪快に倒していくが、アルファがブルーシティ新市長就任の「お披露目」として出現させたセイスモサウルス(今作のラスボス)の2連装ビーム砲がかすっただけで倒されてしまう。これにはガミーも驚いており、アルファの演説を見ていた市民も恐怖を感じていた。
- このお披露目のシーンは、アニメ第一作におけるギュンター・プロイツェンがアニメ版デスザウラーを一般に初公開した場面と若干の類似性が見られる。
最終話では復活し、リヒタースケールとの戦いに参戦。街を支配していたキュラッシャー隊のマービスが乗るスティルアーマーを、ゴジュラスギガとガミーの「熱いハート」が圧倒した。
そして、逃亡したスティルアーマーを追ってセイスモサウルスの下に辿り着き、RDらレジスタンスのメンバーと合流して彼らと共にセイスモサウルスとの戦いに臨んだ。
弱いと言われる理由とそれに対する反論
ゴジュラスギガは、ゾイドファンから(半ばネタ交じりの場合も多いが)弱いと揶揄されることが少なくない。グーグル検索でも弱いと関連候補に出てしまう程である。しかし、大前提としてゴジュラスギガは全ゾイド中最強クラスの機体である。
以下過小評価の理由と反論を列挙する
- 巨大ゾイドの中では圧勝する描写が少ない
- 高速接近し一撃離脱する戦法は魅力的に描写するのが難しく、タカラトミー側がどう描けばいいかノウハウがなかった。ゴジュラスギガは未完成の状態で、エースパイロットの乗るデススティンガー改造機を一瞬で踏み潰している他、ジェノブレイカーに圧勝している描写もある。また、エースパイロットや歴戦の猛者が駆る超高性能ゾイドバーサークフューラーシュトゥルムテュランやレイヴェンラプターがギガ相手には逃げの一手であり、接近=即撃破が共通認識になる程度には帝国に恐れられていた
- 性能面でデスザウラーを上回るとされたが、実戦では苦戦した
- ゴジュラスギガは整備不良と奇襲で動けない状態であり、たとえマッドサンダーであっても同じ状況なら撃破されていた。より補足するなら、ゴジュラスギガ実戦投入と同時期にデスザウラーは最前線から消えている。後のデスザウラー改造プランでもギガに対して真正面から渡り合う格闘力強化ではなく接近前に処理する荷電粒子砲無限連射戦法を試しており、接近さえすれば優位であるのは揺るぎない
- 小型ゾイド・グランチャーの奇襲で大ダメージを受けた。最新の巨大ゾイドなのに脆すぎるのではないか
- 整備不良の箇所で、しかも関節部分という脆い部分にたまたま攻撃がクリーンヒットしただけで、万全ならここまでダメージは受けないと作中でも言及されている。またグランチャーは小型ゾイドの中でも高性能の機体であり、軽んずるのはグランチャーに対しても失礼である。過去にもウルトラザウルスなど小型ゾイドの活躍によって撃破された超巨大ゾイドはおり、ギガの失態と言うより相手方の大金星とみるべき
- アロザウラーのバトルストーリーでは万全でもデスザウラーと五分以下かもしれないと言われていたようだが
- 万全でも五分以下というのは推論である。推論したアロザウラーのパイロットは元ゴジュラス乗りであり、ゴジュラス乗りにとってデスザウラーは何より恐れる相手であり評価していたからこそあの推測になっていたのである。
- 公式ファンブックの性能表を見たが、デスザウラーは火力と頑丈さでゴジュラスギガを上回っており、格闘能力の評価も互角で、アロザウラーのパイロットの見立ては正しいのではないか
- 性能表は絶対評価ではない。また、同ランク評価でも上位下位もあるような描写は過去にもあった。仮に互角以下と厳しく評価したとて、ゴジュラスギガはデスザウラーを大きく上回る敏捷性と隠密性を兼ね備えており、上手く奇襲できれば優位に立ち回れる。過去2機でようやくゴジュラスと互角になる戦力比のサーベルタイガーが奇襲や高速戦で互角以上に優位に立ち回っている例があり、戦力比がほぼ互角ならば高速戦闘や奇襲によりわかりやすい弱点のあるデスザウラーは不利を強いられる。総合性能では上回っているが接近されれば劣勢を強いられる関係はアイアンコングとゴジュラス、ジェノザウラーとブレードライガーのような例もあり、デスとギガの関係はそれに近い可能性もある
- 頑丈さがデスザウラーより劣るのに、デスザウラーの超重装甲を突破できるのか。バトルストーリーでは弱点を攻撃して撃破していたようだが
- デスザウラー並みと言われるデススティンガーの装甲を正面きって破壊している。また、過去に装甲を破れそうにない格闘評価のゾイドが装甲を突破している例はある
- 媒体によってはモルガに敗れている。巨大ゾイドとしての格が足りない
- モルガに敗れたのは地形がモルガ側に有利でパイロットが凄腕だったからである。また、過去にも性能の劣るゾイドに巨大ゾイドが不覚をとるのは何度もあった。他ならぬデスザウラーでさえ格下の相手に負けることはそれなりにあった。ギガの性能が低いというよりはゾイドの特性を活かしきれば性能差は覆せる描写と見るべきである
- 共和国の巨大ゾイドの中では、無敵時代がなく、あっという間にやられ役になってしまった
- 当時の戦況は過酷であり、ウルトラザウルスやマッドサンダーでさえ戦局を左右できる状態ではなかった。また、帝国側がセイスモサウルスという対抗ゾイドを短期間で作り上げたために無敵時代がなかっただけで、優勢だった帝国側が信頼性のあるデスザウラーの強化プランを見直し新たな対抗ゾイドを急ごしらえした点を重く見るべきである
- セイスモサウルス相手にいくら何でも一方的に敗れすぎている。過去の巨大ゾイドは対抗ゾイドが出てももう少し意地は見せていた
- セイスモサウルスはゴジュラスギガを完封するために開発された。徹底的に有利なのは仕方がない。しかもセイスモサウルスの超収束荷電粒子砲は、ギガ以外にも対抗できる既存のゾイドは誰もいなかった。そのセイスモサウルスにも、接近さえすれば勝てるゾイドである
- 当時のコロコロコミックにはセイスモサウルスに接近戦で圧倒されるようなジオラマがあった。また、セイスモサウルスはブロックスゾイドとの合体によりゴジュラスギガを接近戦で撃破していたようだが
- ジオラマはセイスモサウルスがゴジュラスギガを締め上げたが、すぐ振りほどかれた場面である。ブロックスとの連携で上回るというなら、ギガもまた他ゾイドと連携して戦うゾイドである。のちにギガは凱龍輝と連携してセイスモサウルスを撃破している
- ハイパーEシールドが頼りなさすぎる。マッドサンダーのシールドさえ耐えきれなかった大口径荷電粒子砲を耐えきれるのか
- 至近距離から大口径荷電粒子砲を3発まで耐えきっている。加えて万全の状態であればわざわざ攻撃がやむまで受けきるのではなく受け流すかかわすかすればよい。また、デスザウラー側も短期間でフルパワーで荷電粒子砲を撃ちまくればオーバーヒートするのはマッドサンダー戦で描写されている。デスザウラー側からすればオーバーヒートを承知で荷電粒子砲で押し切らなければ逆にギガに撃破されてしまうため、シールドが頼りないというよりはむしろデスザウラー側が死力を尽くして意地を見せた描写ととらえる事ができる
- 装甲が高性能らしいが、頑丈さはデスザウラーやマッドサンダーの超重装甲より劣るし、ダークスパイナーの電波を遮断するだけなら回路を絶縁体で覆えばいいらしいではないか。どこが凄いのか
- 回路の絶縁加工は既存ゾイドに施すにはコスパが悪く、最高クラスの強度と絶縁性を一度に両立できるのは古代チタニウム装甲だけ。この装甲とEシールドの併用で敏捷性と防御力を両立している。セイスモサウルスの荷電粒子砲以外でゴジュラスギガが撃破された事例はバトルストーリーでは描かれていない。
- 格闘能力と頑丈さで上回るマッドサンダーでさえ新デスザウラー相手に窮地に追い込まれた。ギガの性能では新デスザウラー相手に圧倒するのは難しいのではないか
- マッドサンダーはデスザウラーから被弾する前提で突撃する設計で、ゴジュラスギガは攻撃を極力かわしつつ高速接近する設計である。突撃ゾイドは頑丈なのは当たり前であり、高速ゾイドの側面もあるゴジュラスギガはむしろかなり頑丈な部類である。また、ギガは窮地でもデスザウラーを撃破できる能力はあり、万全ならば言わずもがなである
- ゴジュラスギガでは攻撃力も防御力もマッドサンダーに劣り下位互換なのではないか
- 相互互換である。ゴジュラスギガはマッドサンダーより大幅に素早く、瞬発力もある。突撃は直線的戦闘になり対処しやすいが、高速戦闘は乱戦、撤退、一撃離脱ができるため、想像以上にマッドサンダーより出来る事が多い。マッドサンダーは核の生命力が低下しており、ギガは完全野生体なので生命力や闘争本能が高く、性能表に反映しづらい性能差があった。また、高速ゾイドの優位性は平成バトルストーリー全編を通じて描かれており、マッドサンダーに迫る攻撃力を持つ擬似的な高速ゾイドの恐ろしさは言うまでもない
- 高速ゾイドというが、ゴジュラスギガの最高速度は初期の高速ゾイドの最高時速200kmにも及ばない。高速ゾイドらしさを感じず、自分より速いゾイドには何も出来ないのではないか
- 高速ゾイドも常に最高速度で移動するわけではないし、速度の劣る巨大ゾイドが高速ゾイドを瞬発力で捉える描写がある。また、ゴジュラスギガはブースター等外付け補助動力を持たずにこの速度を叩き出す。ブースターなどを増設すればもっと速くなる余地がある。そもそもゴジュラスギガは巨大クラスであり、サイズとしては最速クラスである
- 巨大ゾイドは多機能多用途の切り札であり、デフォルトで火器がなくゴジュラスギガは高速格闘戦しかできないために汎用性がない
- 当時の戦況は過酷であり、下手に多用途化する余裕もなければする必要もなかった。また、友軍との連携前提の設計はライバルのセイスモサウルスにも言えることである。ゴジュラスギガは必要な場合はバスターキャノンをバスターイーグルから換装して火力戦に切り替える設計である。デスザウラーが火力と格闘戦を高度に両立しているためギガの特化具合が対比強調されているが、デスザウラーが帝国の技術力を象徴する多機能の最強ゾイドなだけである
- ゴジュラスギガは火器さえ搭載していれば切り抜けられた窮地も多い。何故兵器として最低限の汎用性が最初からないのか
- 当時の戦況は帝国が圧倒的優勢であり、目立つ火器を最初から搭載すれば的になってしまうし、集中砲火を受ければ誘爆のリスクもある。また、不用意に大火力を搭載すれば乱戦時に味方を誤射してしまう。また作劇上の都合としては短所のないゾイドは扱いが難しく、あえて短所を残すことで窮地を描きやすくなり、主人公として描きやすいと考えた。玩具としてみればキットの価格を抑え、追加武装セットと分けて売る事は意欲的な挑戦であった
- 誘爆や誤射の恐れのない光学兵器や衝撃砲を装備すればいいのではないか。初代ゴジュラスはまさにそういう設計思想であったはずだが…
- 共和国は光学兵器の技術が帝国ほど発展していない。また、衝撃砲では射程距離も威力も足りない。初代ゴジュラスも短所の目白押しの最強格闘ゾイドであり、それを意識しすぎた。
- 巨大ゾイドは敵から目立ち集中砲火を浴びつつも耐えて戦線を切り開くのが役目である。むしろ重武装で目立った方がいいのではないか
- 従来の巨大ゾイドでは耐えられないほど戦場の高火力化が進んでいた。また、ギガは充分敵からの注目を集め友軍の活路を切り開く役目も果たしている。アロザウラーのバトルストーリーではシールドを張って味方の盾になる描写もあった。臨機応変に強力な盾となり攻撃を躱しながら矛にもなるのはギガにしか出来ない強みである
- ゴジュラスジオーガは反応速度でゴジュラスギガを上回っている。またギガと違いジオーガは重武装であり、いかなる戦況でもオールマイティに対応できる。誘爆の危険性も急速な自動回復があるため気にならず、更にダークスパイナーの妨害や洗脳を受けない。ジオーガさえ量産できればギガは必要なかったのではないか
- ジオーガは運よくパイロットと出会えたが、本来は人間の操縦を受け付けない特殊な機体であった。また、反応速度は速いかもしれないが、重武装な為被弾面積が大きく、実際は敵の攻撃をかわし切れるほどの機体ではない。また、装甲面は頑丈なものの、どちらかというと自己再生能力で底上げしているような描写であり、単純な装甲面だけの頑丈さならギガが勝る。また、ジオーガはデスザウラーに対して3割の勝ち目しかないが、ギガは接近さえすれば上回ると明言されている。他ゾイドとの戦力比や運用面を見ても、仮に操縦できる改造が施され量産できたとしても純粋な性能面ならゴジュラスギガのほうが優位な場面が多い
- 凱龍輝とライガーとゴルヘックスだけでいい。ゴジュラスギガは必要ないのではないか
- ライガーは防衛戦に向いておらず、凱龍輝は光学兵器には強いが実弾や打撃攻撃には弱め。ゴルヘックスは直接戦闘には不向きである。また、デスザウラーに単機で対抗でき、ゴルヘックスなしでダークスパイナーを撃破できるゾイドはゴジュラスギガ以外いない
- 自爆技であるゾイド核砲を装備するのは、デスザウラーに負ける可能性もあるということではないか。圧勝できるなら装備する必要がない
- ゾイド核砲はデスザウラー以上のゾイドと遭遇した場合の万一の時の備えで、現にセイスモサウルスに使おうとした。デスザウラー戦で使わなかったのは、窮地ではあったものの自爆するほどの事態ではなかったから使わなかったと考えるべきである。また大前提としてデスザウラーは最強ゾイドの一角であり、どんな高性能ゾイドでも不運が重なれば負ける可能性はゼロではない
- 自爆技のゾイド核砲を搭載するくらいなら普通の火力を装備したほうがいいのではないか
- 資料によっては、確実に自爆するのではなくゾイド核の寿命を縮めるので封印されたという記述で留まっているものもある。もしそうであるなら、本来は割合頻繁に核砲を使う想定だった可能性がある。また、ゾイド核砲は性能表によれば威力が凄まじく、決して無駄ではない。通常火器を搭載しなかったのは前述の通り戦況故に“あえて”である
- 機体重が軽すぎる。デスザウラーの半分しかない重さであり、とても格闘戦でデスザウラーを圧倒できるとは思えない
- ゴジュラスギガは自身より重いデススティンガーを軽々持ち上げて撃破する描写がある。また、自身より重い相手を踏み潰すゾイドは過去にも描写があった。また、ゴジュラスギガの足にはアンカーがあり、自身より重い相手と戦えることは仄めかされている。むしろゾイドは高い技術が使われている機体ほど軽くなる傾向があり、ギガの軽さは技術革新ととらえるべきである
- ゴルヘックスとライガーの貢献度が共和国にとっては大きい。ゴジュラスギガは戦局を左右できるほどの数が配備できないとバトルストーリーで説明されていたようだが
- 帝国はゴジュラスギガがどれだけ配備されているか正確にわかっておらず、威嚇効果としては充分機能した。しかも前述の通りライガーにしろゴルヘックスにしろ短所がある。帝国はギガを非常に警戒したからこそわざわざデスザウラー強化プランを見直しセイスモを開発した。デスザウラー以上の格闘能力をもった機体が高速で接近してくる上デスザウラーの様に火器発射口を狙って撃破する手段が取れない。運よく追い詰めても自爆してくるので、セイスモサウルスで接近前に処理するしかなかった
- ゴジュラスの新型なのだから、分かりやすく活躍を描くべきだった。
- 当時は高速ゾイドが全盛であり、下手に圧倒的に描きすぎると高速ゾイドの株を奪いかねない為仕方なかった。また、インフレ批判もあり、仮想敵が大人気ゾイドのデスザウラーであった為、デスザウラー相手に圧倒的な勝利を描くのは難しかった。踏み込んで言えばキングゴジュラスという過去の反省があり、下手に強くしすぎるとファンが持ち上げすぎファン同士の対立が起こることを恐れた。あえて考察要素を残す戦力比にすることで、デスザウラーファンを納得させてインフレ批判をかわす狙いがあった
- デスザウラーが無理なら、アイアンコングの大軍を撃破するなど出来なかったのか。アイアンコング撃破ならマッドサンダーの初陣と重なるし、帝国のナンバー2の巨大ゾイドであるから分かりやすかった
- アイアンコングは平成時代ではそこまで活躍していないので、若い世代に強さは伝わりにくい。その役目はジェノザウラーやジェノブレイカー、デススティンガーが担っている。また、アイアンコングは過小評価されがちではあるが、デスザウラーを撃破できるほど強力な機体である。状況次第ではデスザウラーよりずっと厄介なゾイドであり、いくらギガと言えどコングの大群はかなり厳しい相手である。もっと言えばコングも平成バトルストーリー後期では絶滅しているかそれに近い状態であり、大量にぶつかる戦線は存在しなかった
- 高速格闘戦しか出来ないならば、得意な接近戦ではせめてもっと強くしてもよかったのではないか
- 充分強い。また、高速接近戦しかできない訳ではなく、武装の換装であらゆる局面に対応出来る余地を残している。新バトルストーリーにサシの接近戦でギガに勝てるゾイドはいなかった。格闘能力で勝るといわれるマッドサンダーはマグネーザーという特殊かつ大型の武装による物が大きく、単純な身体そのものでマッドサンダーに迫る格闘能力なのを誇るべき。また、キングゴジュラスをはじめとして昭和末期ゾイドは公式資料が一定せず強さもファンが過大に盛っている節がある。
- 最新鋭の最強決戦ゾイドらしいが、性能表を見るとギガに部分的に勝る能力のゾイドは意外と多い。やはりそれほど強いとは思えないのだが……
- 過去にも純粋な性能面では僅差や互角に見えるゾイドが実際は劣勢あるいは瞬殺されている場面が散見される。ジェノブレイカーとバーサークフューラーなどはその好例で、完全野生体は極めて強い生命力と闘争本能から来る"強さ"が既存のゾイドとの決定的な差になる事が明確に描写されている。性能表や苦戦を重く見過ぎるのは危険。ギガ登場時に両軍のゾイドの構成ががらりと変わった影響力も鑑みれば、性能表の相対評価以上の強さを持っているのを推測できる
以上の通り、ゴジュラスギガが弱いと言われるのは、シリーズのシンボルゴジュラスの新型というファンの過大な期待感と、公式の配慮が全て裏目に出てミスマッチした結果であった。
更に、唯一の強さの根拠たる接近すればデスザウラーを上回るとされたカタログスペックが、のちの実戦で疑われるような描写があったこともそれに拍車をかけてしまった。また、友軍との連携前提の巨大ゾイドという意欲的な設計思想や高速格闘戦が出来る巨大ゾイドの有効性がファンに伝わり切っていなかった事や描写不足が致命的に空回りしたという事である。
特に火器がない点は未だにギガの完成度が低いと言われる点であり、ファンの間では20年以上激論が交わされるほどである。というのも、過去のゾイドでも火器が一切搭載されていないゾイドは存在したが、所謂歩兵、簡易量産型兵器ポジションの小型機が多く、大型ゾイド以上の強力な機体は基本的にある程度の汎用性を想定されていた。また、誘爆や誤射のリスクは今までのゾイドでは一切考慮されておらず、(とくにギガの先輩に当たるジオーガや、友軍のライガーゼロパンツァーは顕著。ライガーゼロパンツァーに至っては全身火薬庫のような機体にもかかわらず至近距離から爆弾が炸裂したにもかかわらず引火せず耐えきっている描写さえある)不可解だとファンの間でさえ言及されている。初代ゴジュラスは近接火力も馬鹿にならず、旧式格闘ゾイドでさえこの問題はクリアしている。
再三推測されている引火誤爆のリスクは、戦場が高火力化して引火のリスクがより高まったとしても、それはこちら側にもいえることであり、引火リスクの少ない高出力小口径の光学兵器は戦争中期においては既に共和国はものにしている。腕や肩、腹の下や足の根元、尻尾の先など、格闘の邪魔にならない場所で内蔵型、折りたたみ式の光学兵器さえ装備すれば、ギガは兵器としての完成度さえ低いと突き放されることはなかったのでは?と度々ファンが指摘している。
とはいえ、共和国は元より野生体の生命力を重視し、兵器としての完成度は低いが性能以上の力を発揮しやすい設計思想であり、ギガの極端な設計思想は共和国の基本設計が顕著に出た例ともいえる。
※なお、後に展開されるコンセプトアートシリーズでは明らかにゴジュラスギガを意識した高機動型ゴジュラスが登場し、ちゃんと火器も最初から搭載してデスザウラーと真っ向から渡り合っている。コンセプトアートのゴジュラスは、ギガの批判された要素を全て反省して生かしており、公式がやりたかった高速ゴジュラスはコンセプトアートで大活躍しているといえる。
既についたイメージを払拭することは難しいが、ゴジュラスギガは、完全野生体としての生命力と闘争本能、頑丈さ、機動力、反応速度と最強クラスの攻撃力を備えた画期的なゾイドである事は繰り返しておきたい。
余談
- 開発段階では新型ゴジュラスにプテラスやモルガやサイカーチスの後継機やヘビ型ゾイドをZiユニゾンさせるという方向もあった。
- 公式のゴジュラスの改造個体であるゴジュラスモンスーンは、ゴジュラスギガに通じるコンセプトとなっている。また、『ゾイドコンセプトアート』に登場した「ゴジュラスCA」とその亜種も、この機構を意識していると思われる。さらに、HMM版のゴジュラスも前傾姿勢を取ることができるとされている。
- ゴジュラスギガのライバルとして、アイアンコングの強化機の「エヴォルツォーネ」が構想されていたが、商品化には至らなかった。なんと、キングゴジュラスをも超える超大型のキットだったとされている。
- 『ゾイドフューザーズ』におけるテロの際の暴走は、ゴジュラスがゴジラにインスパイアされたこともあるためか、『GODZILLA1998』との類似性が強いシーンとなっている。
- 『ゾイド新世紀/ZERO』におけるゴジュラスと同じく治安組織のゾイドながら、『ゾイドフューザーズ』では格闘戦を中心に行い、機動性も見せている。
- これは、『ゾイド-ZOIDS-』ではかつてCG技術の問題でシールドライガーに野生体の様な格闘攻撃を頻繁に行わせることができず、代わりにレーザーブレードを持つブレードライガーが考案されたが、『ゾイド新世紀/ZERO』ではストライクレーザークローができる様になったという背景との類似性が見られる。
- CG技術と予算の問題でゴジュラスが実質的な固定砲台やかませ役になってしまい、結果として旧シリーズのファンを失望させたとされているので、厳密なゴジュラスではないとはいえ面目躍如とも言えるだろう。
キット
ポップアップキットでも格闘/追撃モードへの変形が再現されており、股関節のスイッチによってアクションを切り替える方式はダークスパイナーのものが踏襲されている。更にモード毎に目の発光色とサウンド発声ギミックが切り替わるようにもなっている。
電池は単3電池と単4電池がそれぞれ2本づつ必要で、前者は目の発光やサウンドギミックに使われ、後者は歩行ギミックのための動力として使用される。
尾を引きずらない様に設計されているため、ゴジュラスやキングゴジュラスとは異なり、尾部の補助輪は付いていない。
- 格闘モード
腕を上下に動かしながら尾を左右に振りつつ歩行、脚の接地と同時に歩行音が鳴る。目は緑色に発光。
- 追撃モード
腕を上下に動かしながら首を左右に振りつつ口を開閉しながら歩行、口を開いたタイミングに合わせて咆哮を上げる。目は赤く発光。
この他にもバーサークフューラーのように足裏の歩行用の補助パーツを取り外せたり、背鰭の一部を取り外して付属のカスタマイズホルダーに交換することで別売りのカスタマイズパーツやBLOXのパーツを取り付けて遊ぶことができる。
また、第4巻をもって出版を終了した『機獣新世紀ゾイド公式ファンブック』のその後の情勢を描いた小冊子『オフィシャルファンブックEX.01』が付属しており、ヘリック共和国とネオゼネバス帝国との決戦を描いたジェットファルコン付属のvol.8までが刊行されている。
余談になるが、1999年より再スタートしたゾイドのキットに付属しているカタログ『ZOIDS Fan Book Vol.01』にはゴジュラスギガのように直立姿勢から前傾姿勢へと変形する新型ゾイドがシルエットにて掲載されており、ゴジュラスギガのデザインを担当したスタッフは、旧ゾイドシリーズにてキングゴジュラスの開発を手掛けていたことが『電撃ホビーマガジン』の2002年10月号にて明かされている。
前述の2種のバリエーションもキット化されており、プロトゴジュラスギガはトイズドリームプロジェクト第5弾の商品として6000個限定で2003年9月に発売。治安局仕様はその翌年の2004年9月に発売され、回転灯を取り付けるために肩部の形状に変更が加えられている。