概要
階級は共和国軍陸軍大尉。
かつてはゴジュラスを愛機としており、4年前の首都攻防戦で大活躍を演じ、愛機を失った。
彼の物語開始時点ではアロザウラーに搭乗している。
新型のゴジュラスギガに憧れ、搭乗を希望したが、強い自我を持つギガに拒絶され甘んじてアロザウラーに乗ることになった経緯を持つ。
活躍
アロザウラーでゴジュラスギガの護衛任務を任された。
当初は愛機と息が合わず、ゴジュラスギガが窮地に陥るきっかけを作ってしまったが、最終的には愛機との絶妙なコンビネーションで活躍。たった一機でデスザウラーを翻弄してゴジュラスギガを守り、デスザウラー撃破に貢献した。アロザウラーは死に際にデュー・エルドを強制脱出させ、彼は一命を取り留めた。
中型ゾイドであるアロザウラーで巨大ゾイドのデスザウラーに大ダメージを与える大活躍をしたエースパイロット中のエースパイロットであるのだが…………
功罪
彼は中型ゾイドで全ゾイド中最強クラスの巨大ゾイドデスザウラーに重傷を与えた英雄である。
中型ゾイドにとって大型以上のゾイドを撃破するのは極めて難しい事であり、彼のパイロットとしての腕は間違いなく本物である。
しかし彼の万全でもゴジュラスギガはデスザウラーと五分以下かもしれない、マッドサンダー乗り以外にとってデスザウラーは悪夢、という推論がゴジュラスギガの過小評価のきっかけをつくり、皮肉にもバトルストーリーでも現実世界でもゴジュラスギガの足を引っ張ることとなってしまった。彼の推測とファンブックの性能表とが相まってゴジュラスギガではデスザウラ―に勝てるのかとファンの間で度々議論になってしまうようになった。
何故そうなったの?
デュー・エルドは、アロザウラーでゴジュラスギガを護衛する任務にもかかわらず逸って先行しすぎ、ギガは整備不良の箇所をたまたま敵に撃ち抜かれ、ほとんど動けない窮地に陥った。そこをデスザウラーが奇襲、いきなり大口径荷電粒子砲を連射したことで、ギガはシールドにて防戦一方になったのである。不運が重なったのもあるが完全に彼の大失態であった。
そして、動けないギガがシールドを張って防戦一方になった時に彼の頭をよぎったのが、“万全でも五分以下かもしれない”という推測である。
彼は元々ゴジュラスに乗りだが、ゴジュラスはデスザウラーにまず勝てないゾイドである。故にデスザウラーは最大級警戒すべき相手であり、デスザウラーはマッドサンダー乗り以外からは悪夢のような相手と表するのも無理はない。またそれ以前のエピソードでデスザウラーの荷電粒子砲によってマッドサンダーのシールドが焼き落とされるという描写があったこと、ファンブックでの性能評価で戦い方次第ではデスザウラーにも勝ち目はあるかのようなデータだったのが重なり、ゴジュラスギガはデスザウラ―と万全でも五分以下という推測が補強されてしまったのである。
また、デスザウラーは極めて人気が高いゾイドであり、デスザウラーが勝ち目があってほしいと考えるファンが多かったのも"万全でも五分以下かも"を後押しした。
で、実際はどうなの?
実際はデスザウラーではゴジュラスギガを破るのは極めて難しい。
大前提で、接近戦ではデスザウラーを上回ると明言されているほか
・デスザウラー並みと言われるデススティンガーの超重装甲を容易く踏み破るパワー
・最高速度や運動性ではデスザウラーを大きく上回る
・デスザウラーの大口径荷電粒子砲を至近距離から3発まで耐えるシールドを張れる
・最悪大口径荷電粒子砲を遙かに上回る32門ゾイド核砲で無理矢理相撃ちに持ち込める
夢のような機体である
しかし同時にデスザウラーは
・装甲強度でゴジュラスギガを上回る
・一発逆転の最強火力大口径荷電粒子砲を持つ
・ゴジュラスギガより頑丈なマッドサンダーを大口径荷電粒子砲で追い詰める
・ゴジュラスギガのシールドも荷電粒子砲3連射で破り、四発目を撃ちかける
といった描写があった。また全編通してデスザウラ―の脅威を描かれたことで、ファンの間でデスザウラーが神格化していた為にデュー・エルドの万全でも五分以下という推論が、あたかも真実であるかの様に語られてしまったのである。
補足するとデスザウラー擁するネオゼネバス帝国は、デスザウラーではゴジュラスギガ攻略は難しいと判断し、セイスモサウルスを開発している。また更に時代が下ると、デスザウラーモデルのままゴジュラスギガを攻略するためにメガデスザウラーを開発する一派も登場する。しかもメガデスザウラーは充分強いにもかかわらずゴジュラスギガ相手にはそのままではまだ不安が残るレベルであった。
以上から、ゴジュラスギガは万全でもデスザウラーと五分以下というのは、あくまで彼の推論でしかないことがわかる。
最期までゴジュラス乗りでありつづけた英雄
デスザウラー撃破の後はアロザウラー部隊を率いてゴジュラスギガの護衛任務を続けていた。しかし、帝国がセイスモサウルスを開発すると状況が一変。接近戦で無敵だったゴジュラスギガはあっいう間に最強の座から引きずり下ろされてしまう。セイスモの前にデュー・エルドの乗った新たなアロザウラーはあっけなく蜂の巣にされ、自らも出血多量で死を待つ身となってしまう。致命傷を負いながらも部隊から救助された彼は生き残った近くのゴジュラスギガの元に連れて行ってほしいと仲間に懇願。意識も朦朧とする中、重傷を負ったゴジュラスギガのコクピットに乗ると自らとギガを重ね合わせ、ギガを鼓舞。最後の最後に32門ゾイド核砲を炸裂させてセイスモサウルス複数機を道連れにするという大金星を上げた。
ゴジュラスギガの過小評価の原因を作った男が、今度はゴジュラスギガの華々しい死に様を演出し、再評価のきっかけを作ったのであった。
前述の通りゴジュラスギガは非常に自我が強く、気に入らないパイロットは例え優秀であっても操縦を拒絶するが、この時は彼を受け入れ自爆技であるゾイド核砲を炸裂させて死亡している。発動すれば確実に死に至るとされるゾイド核砲発射を受け入れたのは、彼の覚悟をギガが受け入れた瞬間でもあった。
ちなみにこのエピソードは、彼の"万全でも五分以下"から20年余りたった後に刊行されたファンブックの一幕である。
関連タグ
ゴジュラス:彼の元々の愛機
ゴジュラスギガ :振られた相手。新型ゴジュラス。彼の憧れ。
アロザウラー:彼の愛機。中型ゾイド最強クラスで小回りがきくが自慢
グランチャー(ゾイド):整備不良の箇所を撃ち抜きギガを窮地に追いやった
デスザウラー:宿敵
セイスモサウルス:デスザウラーを上回る火力を誇る新たな敵。