概要
アニメゾイドの第一作『ゾイド-ZOIDS-』、漫画『機獣新世紀ZOIDS』、『ゾイド公式ファンブック』等に登場している賞金稼ぎ。
作中での人気が高いキャラクターの一人で、紅いバンダナと左目に付けた眼帯状のカメラが特徴だが、各媒体によって微妙に設定が異なる。
愛機の特徴
後述の通り、各媒体の愛機は異なる場合が目立つが、実は意外な程の共通点がある。
- コマンドウルフとステルスバイパーとゴジュラス・ジ・オーガは全て共和国側のゾイドで、どれも特殊なチューニングを施された個体だった。
- この3体は、どれも「じゃじゃ馬」や「少し扱いにくい性格」などのキャラクター性が見られる。
- ライトニングサイクスとステルスドラゴンは、「黒い高速ゾイドである」「帝国側の技術を提供されている」「破壊された先代の相棒の記憶を受け継いでいる」「唯一無二の個性を持つ強化機体である」「頭部の印象が似ている」「頭部にバルカン砲が装備されている」などが共通している。
- アニメ版とバトルストーリーの両方で、コマンドウルフとゴジュラスに登場している。アニメ版では、コマンドウルフもゴジュラスも黒い個体を操縦していた。
また、アーバインのコマンドウルフとライトニングサイクスの関係は、生体情報と記録を活かしているという点と、既存ゾイドの常識を超えた超高速機(漫画世界におけるライガーゼロの素体)に乗り換えるという点で、『機獣新世紀ZOIDS』におけるバン・フライハイトのブレードライガーとライガーゼロの関係に通じる部分がある。
また、「黒い稲妻」は、シールドライガーの異名である「青き稲妻」を意識していると思われる。
アニメにて
CV:藤原啓治
第3話から登場。
当初は主人公バン・フライハイトの相棒であるオーガノイドのジークを狙う悪党だったが、旧知の運び屋のムンベイがバンたちに合流し、彼女に言いくるめられたことで、彼らの旅の仲間として行動するようになる。
仲間に合流してからはバンを一人のゾイド乗りとして認め、以降はいい兄貴分としてバンたちの面倒を見ている。
バン達にアドバイスを送ったり、行動パターンが読めなかった頃のフィーネ・エレシーヌ・リネを見守るなど、悪ぶってはいるが面倒見のいい性格である。
実はエレナと言う妹がいたのだが、ガフキー・カハール熱という熱病により喪っており、それがトラウマとなっている。
アニメ本編第35話以降のガーディアンフォース編では、第40話「ゾイド狩り」から再登場。
戦争終結以降は賞金稼ぎ稼業に戻っていたが、レイヴンの復活を知ってバンたちと合流し、ヒルツらの陰謀と脅威に立ち向かっていくことになる。
戦場で乗り捨てられていたものを自分でカスタムした黒いコマンドウルフを愛機としている。
このコマンドウルフは正規品以外のパーツを多用していたり、途中からゴジュラス用のロングレンジライフルを装備するなどアーバインじゃないと扱えないものになっている。また、彼が他のゾイドに乗るとしばらくは機嫌が悪くなるほど慕われていたらしい。
他のキャラクターが搭乗機を変更していく中、アニメ終盤でジェノブレイカーに倒されるまでコマンドウルフに乗り続け、軍人からの評価の高い事、バンのライバルであるレイヴンのセイバータイガーに初めて明確なダメージを与えた事などから、ゾイド乗りとしての腕は確かなものである。
ゴジュラスに乗った際『遅れている』とハーマンに指摘された際「あんたにだけは言われたくねぇ」と返している(ロブ・ハーマンを参照)。
ゾイドに対しての愛情も人一倍強く、愛機のコマンドウルフがジェノブレイカーとの戦いで戦闘で大破し、助からない状況に陥った時にコマンドウルフのメモリーバンクをライトニングサイクスに移植させる事を頼んできたドクター・ディに対し、「実験に使われるくらいならコマンドウルフを死なせた方がマシだ」といった意志を明確に示すが(彼自身、ゾイド乗りそのものをやめることを示唆していた)、最終的にはムンベイの説得に応じてメモリーバンクを提供。
以降はメモリーバンクが移植されたライトニングサイクスを愛機とする。
ちなみにアニメ本編にてライトニングサイクスが覚醒するシーン(移植したメモリーバンクがアーバインの叫びに呼応し正常稼働。キャノピーと目の色がオレンジに変わる)はファンの支持が高い名シーンと謳われている。
その後はライトニングサイクスと共にジェノブレイカーやデススティンガーといった強敵と激闘を繰り広げ、デスザウラーとの決戦時ではグラビティカノンの発射管制も務めた。
主人公達と関わっていく内になし崩し的に帝国、共和国の軍と関わることになり、一介のゾイド乗りであり賞金稼ぎでしかないにもかかわらず、両軍のエースパイロットや司令官との親交があるが、本人はその事が不満のようで「俺は共和国でも帝国でもねぇ、ましてやガーディアンフォースでは絶対にねぇ!!」と発言している。
実は隠れゴジュラスファンと思しき描写がちらほらあり、マウントオッサ基地でゴジュラスの出撃が要された際には自分を乗せてほしいと申し出たり、敵の陽動作戦にかかっているゴジュラスを呼び戻そうとした時には「大事なゴジュラスを傷つけるな」と言ったり、対デスザウラー戦でゴジュラスに乗ってもいいと言われたら嬉しそうな反応を見せたり、さらに対デスステ模擬戦でゴジュラスと相対した時には「相手にとって不足はない」と評したりと、他のゾイド以上にゴジュラスに対する強い関心を覗かせていた。
主な搭乗機
※コマンドウルフとライトニングサイクス以外のゾイドに乗ったのはそれぞれ1回だけである
機獣新世紀ZOIDS
上山道郎が描く漫画版ゾイドにおいても賞金稼ぎとして登場。
本名はアーバイン・キャバリエーレ。
18歳。
しかし、漫画では左目がゾイドのもの(おそらくロードスキッパー)を移植した義眼だったり(ただし、この設定に関してはアニメ版での放送上の都合から変更された)、愛機がステルスバイパー→ステルスドラゴンだったり、妹が生きていたり(しかも、アニメ版とは名前が異なる)など、細部に異なる設定が見受けられる。
妹の「レベッカ」には自身のヤクザな仕事を隠している模様である。
また、アレックス・ピルグリム神父と過去に遭遇している。
さらに、アーバインの義眼を制作したのは最重要人物の一人である「ドクトルF」である。
主な搭乗機
- ステルスバイパー(「トルナード」)
バトルストーリー
小学館刊「機獣新世紀ゾイド 公式ファンブック」内のバトルストーリーではアニメや漫画との接点を持たず、西方大陸出身の一介の傭兵として登場し、ヘリック共和国軍によって雇用された。
その際、彼は「つい負けそうな方に肩入れしちまうのさ」と語っている。
当初はアニメと同じようにコマンドウルフを愛機としていたが、共和国軍ロブ基地防衛戦時にアイアンコングPKの攻撃を受けて大破。その後はあまりの凶暴性ゆえに乗りこなせる者がおらず戦力外と見なされ、同基地に保管されていたゴジュラス・ジ・オーガに選ばれたことで以降はこれを愛機とし、各地を転々としていく。
その際は共和国の切り札であるウルトラザウルスの護衛および支援砲撃にも参加したりもしている。
それから5年後、共和国の治める中央大陸はヴォルフ・ムーロア率いるネオゼネバス帝国の電撃戦によって攻め落とされ、最新鋭ゾイドゴジュラスギガが保管されている共和国軍の基地にもネオゼネバス軍の特殊部隊「黒の竜騎兵団」による追撃の手が及ぼうとしていた。
帝国軍の電子戦ゾイド・ダークスパイナーのジャミングウェーブによって、共和国軍のゾイドが次々と制御系等を狂わされていく中で、アーバインの駆るジ・オーガは精神リンクで操縦する特異性から狂うことがなく圧倒的数の相手に奮戦。
小型ゾイドの範疇に収まらないサックスティンガーの集団に集られ装甲を破壊されるも、即座に自己修復しながらこれらに応戦。
ジャミングウェーブを発するダークスパイナー撃破を優先する。
直接戦闘でもジェノザウラーなみの強さのダークスパイナー達にも一切怯まず瞬発力とパワーにものを言わせ、次々に首をねじ切り、踏み潰し、吹き飛ばす。
しかし、数に勝る敵との戦闘にさすがのアーバインもジオーガも一瞬の隙が生じる。
そこに、地面に潜んで隙をうかがっていたステルススティンガーにゾイドコアに奇襲され、致命傷を負う。しかし、ジオーガが死ぬその瞬間に最後のダークスパイナーの首をねじ切り、未完成のギガを守り切って愛機を失った。
その後、倒れたオーガに代わり、未完成のゴジュラスギガが出撃、ステルススティンガーはギガに撃破された。
傭兵アーバインのその後の生死については書かれていない。
ウルトラザウルスと共に行った砲撃戦および護衛任務がなければ共和国は負けていたかもしれないし、ゴジュラスギガは後に共和国の新たな切り札として奮戦するので、アーバインは一見地味ながら共和国の命運を左右した非常に重要な役目を果たしたといえる。
また、ジオーガ最期の戦いはファンの間ではトップクラスの名勝負として名高い。
ゴジュラスジオーガの性能とアーバインの腕ならば、ステルススティンガー撃破を優先すれば撃破ないし相打ち出来ていたかもしれないが、共和国の新たな最高戦力のゴジュラスギガを守るためにダークスパイナー撃破を即座に優先して愛機を犠牲にした。
ジオーガとアーバインがいたからこそギガを守り切れたのであり、百対一の戦いにも一切ひるまず立ち向かった様は間違いなく英雄であった。
ジオーガは性能ばかりに注目されがちであるものの、そのジオーガに心を開かせ性能以上の奮戦を演じさせたアーバインは、間違いなくトップクラスのエースパイロットである。
主な搭乗機
余談
- 『ゾイドバトルストーリー』では、ガンタインこと「偽アーバイン」が登場した。
- アニメ版にて声を当てた藤原啓治氏は、『ゾイド新世紀/ZERO』でもライトニングサイクスを乗機とするジャック・シスコのCVを担当している。故にファンからは「ライトニングひろしの再来」と言われている。
- 2023年4月10日、Twitter上にてアーバインが唐突に関東地方でトレンド入りを果たす。これは、4月からTOKYOMXで再放送の始まったアニメ版を受けての物。しかも、アーバインが登場するのは上述通りに第3話からなのだが、次回予告にアーバインが出た段階でトレンド入りを果たしている。藤原氏が2020年には逝去してしまっていることも加え、令和になってもなお彼の人気は色褪せないことがうかがえるであろう。
関連タグ
火野ケンイチ:アニメ版における中の人繋がりでセリフのパロディがある。