概要
ヘリック共和国軍が開発したヘビ型奇襲用ゾイド。頭部に襟があるため、見た感じはコブラっぽい(「Viper(バイパー)とはクサリヘビ科のことを指す)。
旧ゾイドシリーズでは「スネークス」と呼ばれていた。商標登録の問題による名称変更であるが、劇中では「惑星Ziで起きた大異変グランドカタストロフの後、ヘビ型野生体の中でバイパー種のみが迅速に個体数を揃えられたための名称変更」とされている。
特徴
細長く自在に動く体はあらゆる地形において優れた踏破性を示し(水中行動まで可能である)、しかも隠密に活動することが出来る特性から、偵察部隊や特殊部隊で重宝された。
移動速度は180km/hもあり、意外にもコマンドウルフやヘルキャットのような中型の高速戦闘ゾイドより少々遅れる程度である。
また、体を構成する体節は内部構造がほぼ同じであることから小規模の工場でも生産でき、野生体ゾイドコアの優れた繁殖能力とあわせて高い生産性を誇った。体節をノーマル機より多く繋ぐことで容易に胴体を伸長できるという、後のブロックスゾイドに通じる特徴をもつ。
キットでも再現可能であり、ステルスバイパーの改造機は大体が胴体を伸長されている。ただし胴体を延長すると機動力が低下するらしく、胴体の延長は共和国軍の派生仕様として認められていない。
コクピット後部にはスラスターが備わっており、緊急脱出時にはコクピット自体が脱出艇となる。
調達・作製しやすいうえに発見されにくい特性から闇ルートにも大量に流れ、あらゆる地域の盗賊団が好んで使用するという弊害まで現れたという。
武装
機首-16mmバルカン砲
側頭部-40mmガトリングガン×2
胴体中央-小口径対空レーザー機銃×2
胴体後部-二連装ロケットランチャー×2
尻尾先端-地対空連装ミサイル
長い機体を活かして全身に射撃兵装を装備している。機体そのものが奇襲に特化しているため、大火力よりもコンパクトさを重視した武装編成である。
動力ブロック両脇のレーザー機銃以外は全て実弾兵器であり、エネルギー兵器用の電力供給配線を少なく抑えるという合理的な設計になっている。
地形を利用して敵飛行ゾイドを待ち伏せ、地上から攻撃・撃墜する戦法を得意とする(西方大陸戦争ではこの待ち伏せで敵を迎撃し、撤退する味方を救った陰の功労者である)。
格闘用兵器は装備しないが、ヘビらしく締め付け攻撃も得意。ノーマル機でもイグアン程度が相手なら互角な格闘戦が可能である。
格闘戦能力を強化すべく胴体を2倍近くに延長した改造機「キングバイパー」も存在した。対アイアンコング用特殊部隊「コングバスター」により運用され、数多くのアイアンコングを圧壊させた。
漫画版では
コロコロコミック誌上で連載されていた『機獣新世紀ZOIDS』では、アーバインの愛機・トルナードとして登場。
全身をバネとして敵に飛び掛かる「蛇流竜巻 (スネークツイスター)」や、長い体を活かして締め上げる「蛇流縄縛 (スネークワインダー)」を得意技とする。
暴走ゾイドを捕獲する作戦中に大破するが、天才科学者メリッサ・スーが新造した機体にトルナードのゾイドコアと中枢システムを移植したステルスドラゴンとなる。
龍を思わせる小型の腕をもち、全身にEシールドジェネレーターを仕込んでいる。また追加装備により飛行することまで可能になった。確認されている武装は、牙、爪、口内のバルカン砲など。必殺技は敵に巻き付いて締め上げる「神龍縄縛 (ドラゴンワインダー)」。
アーバインのアニメ版の相棒とされるライトニングサイクスとは、「黒いゾイド」「破壊された先代の相棒の記憶を受け継いでいる」「唯一無二の個性を持つ強化機体」「頭部の印象」「高速ゾイド」「頭部に装備されたバルカン砲」という類似性がみられる。
アニメ
チョイ役や小悪党の愛機として登場。前述の設定通り、盗賊団の搭乗機として登場することがある。
また、大きな違いとして基本的に顎や牙があり、赤外線で敵を追尾するという設定も相まってよりヘビらしさが増している。『ゾイド-ZOIDS-』ではヒルツが差し向けた個体、『ゾイドジェネシス』の盗賊団の個体など、身体がとても長大化している個体も見られた(本編では恐竜型を除くと爬虫類型はコイツとミサイルトータスしか存在が確認されていない)。
『ゾイド新世紀/ゼロ』では、ハリー・チャンプのお手伝いロボット・ベンジャミンが、ゴジュラス用の武装などを施した個体を操縦していた。