バスタークロー
ばすたーくろー
バーサークフューラーに初めて搭載され、後続としてジェットファルコンにも応用された攻防一体型の万能兵器。
基本的には格闘武装(ドリル・ブレード)・ビーム砲・Eシールドを兼ね備えた三位一体のユニットであり、これだけでゾイドの戦闘力の評価を左右するほどのポテンシャルを持つ。
背部に2基装備している。アームの自在性に加え、高速回転して敵を貫くドリルになるほかEシールド発生装置も兼ねており、基部には高出力のビーム砲も備えた攻防一体の万能武器。ブレード部でビームを加速させて撃ち出す「バスターライフル」も実装されている(既存のゾイドの武装の「バスターライフル」とは別物である)。
アニメではドリルの刃の向きを可変でき、ドリル部分は回転させなくても十分な切断力を持っているとされる。また、ドリル部を使った打撃も可能。
共和国軍のマッドサンダーのマグネーザーを回収し、レッドホーンの改造機・サンダーホーンでの装備を基に完成された。ドリルモードの破壊力こそ本家より劣るが、汎用性や取り回しの良さを含め完成度の面で大きく勝っている。アームの自在性に加え、射撃武器としても優れる。
当時、ガイロス帝国軍でプチブームとなっていた複合兵装の一種で、似たようなものにエレファンダーのESCSユニットやライガーゼロイクスのスタンブレードがある。特にスタンブレードはバスタークローを参考に開発されたとされており、兄弟機の名にふさわしいと言える。また、エレファンダーの換装武装が「チェンジング・アーマー・システム」(CAS)の開発に活かされたという背景もある。
この武装の万能性もあってか、ライガーゼロとは異なり通常型の時点で完成度が非常に高いため、フューラーの換装形態がライガーゼロに比べて特色が薄い理由の一つにもなっている。
なお、『ゾイド新世紀/ZERO』などのアニメや『ゾイドバーサス』などのゲーム作品ではバスタークローからも荷電粒子砲を放つ描写が見られるが、『ゾイドバトルストーリー』などでは見られない。また、Eシールドもかなり頑丈であり、『バトルストーリー』ではジェノザウラーの荷電粒子砲を防いでおり、アニメではジェノザウラー3体の荷電粒子砲やライガーゼロパンツァーのハイブリッドキャノンを防ぎ切るという驚異的な出力を持つ。
『ゾイドフューザーズ』では、バスタークローから荷電粒子砲を発射する設定はみられず、また、Eシールドを使用するためのバスタークローの展開方法がベガ・オブスキュラ機とは異なっている。また、ビーム弾やEシールドの色も前作から変更されている。
HMM版では、スラスターやバスタークローを含めた背部のバックパックを総括して、ライガーゼロの「CAS」に似て「バスターユニット」という名称が与えられた。また、バスタークローからの荷電粒子砲の設定にも若干のフォローが入っており、荷電粒子砲自体を発射するタイプと既存のビームキャノンを強化するタイプについて触れられていて、一部のCMでも荷電粒子砲とは異なる緑色のビームを発射していた。
『ゾイドバーサス』では、後述の通りバーサークフューラーを最強候補の一角にしているのがバスタークローの性能である。こちらでは、マッドサンダーのマグネーザーと同様に、格闘攻撃時に電撃を帯びる。
なお、ライガーゼロとエナジーライガーの事例とは異なり、バーサークフューラーの兄弟機である凱龍輝には(ジェットファルコンとの「Ziユニゾン」も含めて)バスタークローを装備するプランは未実装である。
- 凱龍輝は「B-CAS」を最大の特色としており、『バトルストーリー』終盤時の戦況では(メタ的にもライガーゼロファルコンを推すためなのか)ジェットファルコンとのユニゾン構想を展開する余地がなかったのかも
ジェットファルコンを、ブロックスゾイドながらも高い戦闘力を実現させているのがエナジーチャージャーとバスタークローである。バーサークフューラーの物を可変式にした改良型である。
キットでは設定が掲載されていないが、バーサークフューラーの物と同様にエネルギー砲やEシールド発生装置としての機能も兼ね備えており、『ゾイドバトルストーリー』のラストではエナジーライガーの暴発寸前の余剰エネルギーを逃がすために、レイ・グレッグが駆るライガーゼロファルコンが接続してバスタークローから空に巨大なエネルギー波として放出しており、『ゾイドフューザーズ』ではジェットファルコンが単体でもライガーゼロファルコンの状態でもビーム砲を使っていて、『ゾイドバーサス』でもアニメ版の設定が活かされている。
Ziユニゾン
ジェットファルコンにはライガーゼロとエナジーライガーという二種の兄弟機とのZiユニゾン機構が備わっており、これらのライオン型ゾイドが合体によって得る最大の恩恵が、Ziユニゾンとエナジーチャージャーからの大出力とバスタークローである。
ライガーゼロのユニゾン形態である「ライガーゼロファルコン」は設定ではライガーゼロの各形態でも最強とされている。
このバスタークローをウイング状に変形させ、そこからのマグネッサーシステムと背部のブースター(ジェットファルコンの脚部)を併用させることで、さらなる高速走行と飛行が可能となっている。
『ゾイドフューザーズ』ではキットから省かれていたビームキャノンやEシールド発生装置としての面が強調されており、バスタークローにエネルギー場を纏わせて発射するビームは凱龍輝の通常型荷電粒子砲を上回る威力を持ち(射撃装備をほぼ使わないRDが何度か使っていた)、360°カバー可能な球形の回転型のEシールドも展開可能。
また、必殺技の「ストライクレーザーランス」はストライクレーザークローの様にバスタークローにレーザーエネルギーを通すことで破格の攻撃力を体現しており、あのセイスモサウルスをも撃破して物語のトリを飾った。
ライガーゼロの兄弟機であるエナジーライガーにも、戦争時の政治的な事情などによって叶わなかったZiユニゾン形態の「エナジーファルコン」が存在しており、エナジーライガーの持ち前の大出力が(同様にエナジーチャージャーを備えるジェットファルコンとの)Ziユニゾンによって底上げされるだけでなく、バスタークローを得たことで最強クラスの怪物になることが示唆されている。
- ブレードライガーの後継機として発進し、ライガーゼロの「CAS」に大きな影響を与えただけでなく後にライガーゼロの「CAS」の一つとしても検討された「バスターライガー」は、ケーニッヒウルフの没案の一つのマグネーザー搭載機の「銀牙」に由来するコンセプトだとされる。バスターライガーに搭載された「バスターソード」の有用性が、後にバーサークフューラーの「バスタークロー」によって実証されたとされており(参照)、結果としてジェットファルコン、つまり、ライガーゼロファルコンのモデルにもなったと言える。
- つまり、設定上では「バスタークロー」と類似したコンセプトの武装を装備する案が出されていたのは、バーサークフューラーよりもライガーゼロの方が先だったということになる。
- 『ゾイド新世紀/ZERO』におけるライガーゼロシュナイダーの必殺技の第一段階である「バスタースラッシュ」の技名にもこの影響が見て取れる。
- 『ゾイドバーサス』シリーズでもバーサークフューラーを最強候補の一角にさせているのがバスタークローであり、通常格闘コンボを連打しているだけで多くの相手を一方的に撃破できる。しかし、兄弟機である凱龍輝はゲーム内での使い勝手がバーサークフューラーから大きく低下しているのも格闘攻撃の差であり、攻撃バリエーションの少なさを補うために同作ではフィニッシュとして口からビームソードを展開している。また、バスターフューラーがバーサークフューラーよりも使い勝手が悪くなっている理由の一つも、格闘コンボが変更されてバスタークローによる攻撃自体が減少しているためである。
- 『ゾイドバーサス』では、ライガーゼロファルコンのビームキャノンやEシールド、必殺技の「ストライクレーザーランス」はアニメ版の設定を色濃く受け継いでおり、バーサークフューラーの物と同じタイプのビームガンを装備していて、Eシールドもアニメ準拠の特殊な専用モーションになっている。一方で、飛行ブースターを装備した際の飛行動作は『バトルストーリー』と同様にバスタークローを翼状に展開する。そのため、飛行中はビームキャノンが機体の後方に向かって発射されてしまう。
- 令和に発売されたニンテンドースイッチ用のゲームソフト『ゾイドワイルド_インフィニティブラスト』でも、バーサークフューラーのバスタークローが実装されている。残念ながら本作ではバーサークフューラーは名前のみであり機体自体の実装及び本装備からの荷電粒子砲発射はなし。ただし、ワイルドアクションでエクスブレーカー同様3回攻撃できる。一部ゾイドを除き通常でもXボタンを3連続で押して強こうげき×3を決めると、自動的に1回追加される。こちらでもバスタークローが『ゾイドバーサス』と同様にバーサークフューラーの優位性を底上げしている。