概要
忠臣蔵を範に取った「赤カブト」編と、八犬伝を範に取った「八犬士」編に分かれる。
犬同士の会話を人間の言葉に置き換ることで彼らの友情、結束、葛藤、成長を描き、国内のみならず、海外でも支持を得ている。生命の誕生と死、幼くして巨大な敵に向かう運命を持った熊犬・銀の冒険熱血青春ドラマ。
犬たちが「しゃべりまくる」「感極まって涙する」「『明治時代』『視神経』というような言葉の意味を理解している」「日本の地理を解し、どこに行くトラックか理解して荷台に乗り込んでいる」事は、連載当時から(笑い話のタネとしても)かなり話題にされた。実際には、(後の「甲冑の戦士雅武」とは違い)会話はあくまで犬同士限定であり、人間や、他の動物とは言葉が通じず、吹き出しも人間、犬、熊で形が異なるなど、明確な線引きがされている。
義理や人情、仁義を重んじる犬達の熱き関係は「人間よりも熱い漢(おとこ)達」と評価されている。
ストーリー
熊犬としての熱い血を父親から受け継いだ銀。人間ですら歯が立たない凶暴な人食い熊・赤カブトに敗れた祖父シロと父リキの仇を討つため、銀はベン、クロスらとともに仲間となってくれる犬の「男」を探す旅に出る。
登場キャラクター
- 銀(CV:山田栄子)
- リキ(CV:銀河万丈)
- ベン(CV:田中秀幸)
- クロス(CV:藤田淑子)
- ジョン(CV:堀秀行)
- グレート(CV:屋良有作)
- スミス(CV:頓宮恭子)
- テリー(CV:佐藤正治)
- スナイパー(CV:矢田耕司)
- ハイエナ(CV:松田重治)
- 赤虎(CV:戸谷公次)
- 中虎(CV:塩屋浩三)
- 黒虎(CV:田中亮一)
- モス(CV:郷里大輔)
- ジャガー(CV:塩屋浩三)
- 赤目(CV:池水通洋)
- ウィルソン(CV:橋本晃一)
- 紅桜(CV:青野武)
- オリバー(CV:広中雅志)
- 如月(CV:速水奨)
- 黒邪鬼(CV:中田浩二)
- 赤カブト
- マダラ
- モサ
- ケサガケ
人間側
TVアニメ
1986年4月から9月までテレビ朝日系列局(ただし一部系列局除く)およびTBS系列局約3局、フジテレビ系列局約2局で放送された。アニメーション制作は東映動画。
バイオレンスアクションが過激過ぎたのか、初期の視聴率低迷が原因で、裏番組のTBS系列局ほかの「クイズ100人に聞きました」やフジテレビ系列局(ただし一部系列局除く)の「月曜ドラマランド」を相手に後半善戦したにもかかわらず全21話で終了を余儀なくされた。また、特番放送による休止がやや目立った(特に8月は2週連続で休止の憂き目に遭った)。
その事を局担当者は非常に悔やみ、枠移動した「聖闘士星矢」でリベンジを果たす。
本作がテレビ朝日系月曜夜7時半アニメ枠の最終作となり、土曜日夜7時に時間帯が移動した。
その一方で本作は各国語に翻訳されたうえで1990年頃までにアメリカ、韓国、ハンガリー、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドで放映またはビデオ発売された。北欧での人気が高く、2003年から2006年にかけて北欧3カ国およびフィンランドでDVDボックスが新たに発売されている。なお、日本では2008年になってDVDボックスがリリースされた。
主題歌
オープニングテーマ
「流れ星 銀」
作詞:寒太郎/作曲:木森敏之/編曲:矢野立美/歌:宮内タカユキ
エンディングテーマ
「TOMORROW」
作詞:寒太郎/作曲:木森敏之/編曲:矢野立美/歌:宮内タカユキ
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 小さなヒーロー銀の誕生! |
第2話 | 銀よ努力の向こうに明日がある |
第3話 | 命を賭けた銀の友情 |
第4話 | 巨大熊赤カブトへの挑戦! |
第5話 | 壮絶! 傷だらけの勝利 |
第6話 | 吠えろ! 山が呼んでいる |
第7話 | 胸に刻め! 熱き男の誓い |
第8話 | 今! 男たちの旅立ち |
第9話 | 魔犬! 甲斐の三兄弟 |
第10話 | 怪物! 霞岳のモス軍団 |
第11話 | 忍犬! 伊賀の里に黒い影 |
第12話 | 危うしベン! 忍者屋敷の対決!! |
第13話 | 正義! リーダーへの条件 |
第14話 | 進め! 小さな若大将 |
第15話 | 紅桜! 地上最強と呼ばれる男 |
第16話 | 熱き涙! 仲間の死をのりこえて |
第17話 | 今、集結の時! 総大将のもとへ!! |
第18話 | 死闘! 男が命を捨てる時!! |
第19話 | 悲愴! 真紅に咲いた紅桜の最期 |
第20話 | 燃えよ銀! 今こそ見せろ男の勇気!! |
第21話 | 銀よ! 新たなる男の旅立ちへ!! |
舞台化
2019年7月に東京都内と神戸市内の劇場で上演された。その後続編が2020年11月に東京都内の劇場で上演されている。
トリビア
当初銀は早死にする予定で、「流れ星銀」は「幼くして流星の様な短命の人生を駆け抜けた」と言う意味だった。
「熊犬としての短命の宿命を背負った儚くも素晴らし虎毛の子であった」の原作漫画第一話のナレーションと、幼少期からの過酷な特訓は銀の死亡フラグの筈だったが、結果として過酷な特訓が銀が長生きした遠因となった。
当初は様々な動物の短編シリーズの一つとして企画され、熊犬銀編は半年か一年の予定で、その後は狼や鮫等の動物を主役にした短編も構想していた(場合によっては銀牙=自然の脅威や人類の敵の展開もあり得たかも知れない)
忠臣蔵と同様、野犬軍団は一部を除き全滅する予定だった。(赤穂浪士の47人は失踪した寺坂吉左右衛門を除き処刑された)
「八犬士」編は、例によって編集部の圧力で作らされたエピソードで、作者は当初何時でも連載終了出来る様に登場犬の半生を綴った中編にしたかったが、編集部の圧力で実現しなかった。(だから八犬士編の後半がダレたり、急展開だったのである。)
続編では「八犬士」編の存在は曖昧にぼかされており、登場犬の半生を綴った中編はその後実現している。
野犬軍団全滅構想迄は1993〜1994発売の最初の愛蔵版第10巻(最終巻)の著者のあとがきより抜粋
関連動画
関連タグ
週刊少年ジャンプ 週刊少年ジャンプ連載終了作品の一覧 銀牙伝説WEED
忠臣蔵 八犬伝 マッドマックス 東映極道映画(仁義なき戦い等)・・・本作に影響を与えた作品
奥羽山脈・・・主な舞台