「いけ!いけ、ゼロ!」
「ヴォルフ!今度は倒す。命に賭けて!」
概要
小学館刊『機獣新世紀ゾイド公式ファンブック3』掲載の『ゾイドバトルストーリー』に登場する人物。アニメなどの映像作品には登場していないが、PS2用シミュレーションゲーム『ゾイドタクティクス』に登場した際には柿原徹也氏によるキャラクターボイスが当てられている。
ヘリック共和国軍中尉で、青い紋章を戴く7人のライガー使い・レオマスターの一人。元は一兵卒だったが、レオマスターのアーサー・ボーグマンに素養を見いだされ、今の地位についた。
ネオゼネバス帝国皇帝ヴォルフ・ムーロアとは因縁があり、3度に渡り激闘を繰り広げている。
劇中では主にライガーゼロを愛機とし、他のパイロットには不評だったゼロアーマー形態を好んで使用した。
活動歴
新バトルストーリーの始まりとなった西方大陸戦争の時点では中央大陸の本土防衛隊に所属しており、ストームソーダーの活躍による補給不足でガイロス帝国が弱体化したのを受け、一気に勝負をつけるために主戦場の西方大陸エウロペへ派兵される。この時、それを阻止しようとした帝国軍のシンカー部隊を迎撃し、11機を撃墜した。
その後西方大陸戦争最後の戦いとなったニクシー基地攻略戦では、直前に恩人アーサー・ボーグマンの死を知らされる。彼が新型機デススティンガーによって戦死したことから、帝国が勝つためでは無く実験をするために戦争をしているように感じ、その怒りで冷静さを欠いたまま部下と共に進行。あえて(満足に動けないであろう)ゾイドを満載した格納庫ではなく、地下工場をターゲットに選んだ。
そしてレイは二機の新型ゾイドを発見するが、帝国兵が新型よりも謎の小ゾイドを優先したことに気を取られてしまい、突然起動した新型・素体のバーサークフューラーによって乗機シールドライガーDCS-Jを破壊されてしまう。
その後なんとかもう一機の新型機・素体のライガーゼロを奪取し、その場を切り抜けるが、自分の怒りに巻き込む形で部下を全滅させてしまった。これが後のライバル・ヴォルフ・ムーロアとの出会いであり、同時に悲しい目をした彼に対して、なぜか憎しみを抱くことができなかった。
その後は共和国で正式採用されたライガーゼロを中心とした新設部隊・閃光師団(レイフォース)に所属し、共和国のモノとなったニクシー基地を襲った量産型デススティンガー部隊と激突。恩人アーサーの残したデータから対処法が確立されていたとは言え、ゼロアーマーのライガーゼロ単機でアンナ・ターレスのデススティンガーを撃破している。
その後暗黒大陸ニクスの戦いでも閃光師団の先方として活躍したが、部下を失ったトラウマから常に誰よりも危険な場所に飛び込んでおり、上司からは「死に場所を探している」と評された。
しかしあまりにも敵が脆すぎることに疑問を抱いた師団の調査により、帝国軍を襲う帝国軍…鉄竜騎兵団の存在が判明。彼らの基地を攻撃したことで、完成体バーサークフューラーに乗るヴォルフと再会を果たす。
グランチャーのジャミングウェーブによって電子機器がお釈迦になったライガーゼロが行動不能になり、戦うこともできずに敗れそうになるが、ガンブラスター隊の援護と、ライガーゼロをあえて素体にし、電子機器に頼らずゾイドの本能だけで操縦することで逆転。(この時点では)ゾイド乗りとして未熟だったヴォルフを追い詰めるが、彼の副官ズィグナーの介入と、ヴォルフもまたバーサークフューラーを素体にすると言う戦法をとったため、僅差で敗北。ただしヴォルフが仲間の救出を優先したため、とどめは刺されずに済んだ。
その後閃光師団はヴォルフを取り逃がした咎から懲罰部隊となり、キマイラ要塞攻略戦でライガーゼロフェニックスに乗りセイスモサウルス(ゾイド)に特攻したシーンが描かれるが、ここにレイがいたかは不明
そして新バトルストーリーの最後の物語となった共和国首都奪回戦では、鹵獲型ライガーゼロイクスで懐に潜り込み、エナジーライガーを駆る宿敵ヴォルフと三度対峙。即座にフェニックスに合体するが、性能差があったとは言え、かつてとは比べ物にならないほど腕を上げたヴォルフに圧倒されてしまう。
しかしジェットファルコンが間に合ったことでライガーゼロファルコンが誕生し、エナジーライガーを撃破…したかに見えたが…
主な乗機
ライガーゼロイクス(鹵獲機)
ただしライガーゼロ以外はすぐ破壊されるか乗り捨てられている。
人間関係
- アーサー・ボーグマン
同じレオマスターで、一兵卒だった彼を引き上げてくれた恩人。彼の死によってレイが冷静さを失ったことが、その後の展開に関わっている。
また彼が暴走したデススティンガーを倒していなければ、下手をすれば彼らによって星が滅んでいた可能性もあり、レイに限らず惑星ziの文明にとって大きな影響を与えた人物と言える。
宿敵であり、レイは彼によって部下を失い、ヴォルフはレイによって幼なじみのアンナを失っている。最も明確にレイを仇(と同時に超えるべき壁)と認識しているヴォルフと違い、レイは部下の死が自分の判断ミスであることを自覚しているため、けじめをつける相手、あるいは敵国の皇帝と認識していても、憎悪の対象とはしていない。
- セレス・アルドワーズ
共和国軍のレオマスターの1人で、第1大隊を率いる中佐というレイの上司。レイの勇敢さが無謀と紙一重であることを理解し、部下に目を離さないように命じていた(これが優しさなのか、規律を乱されることを嫌ったのかは語られていない)
余談
バトルストーリーにおける共和国の主人公的立ち位置で登場しているが、実は旧ゼネバス帝国領の出身である。鉄竜騎兵団の中央大陸侵攻時は、旧ゼネバス派が破壊活動を行っていたため、もしかしたらかつての知人や親族と敵対していたのかもしれない。
首都奪回戦で最後の閃光師団と説明されており、この時点で懲罰部隊となった閃光師団は彼以外壊滅…最悪全滅していたことが示唆されている。