概要
ガイロス帝国軍内部にて存在する幻の特殊部隊がいた。それが鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)である。
司令官はヴォルフ・ムーロア大佐。正規軍とは全く別の指揮系統で動いており、神出鬼没で軍内部でもその全容を知る者は殆どいなかった。さらに同部隊にはステルス機と高速機で構成された奇襲部隊「幻影部隊」が存在する。
鉄竜騎兵団はガイロス帝国の部隊でありながらZAC2101年にヘリック共和国軍を暗黒大陸に招き寄せて、更に上陸する前後に味方であるはずのガイロス帝国軍を攻撃するという不可解な行動を取っていた。
それもそのはず。実はこの部隊はゼネバス・ムーロアの遺児であった帝国摂政ギュンター・プロイツェンが密かに息子であるヴォルフを中心に自分達と同じ旧ゼネバス帝国関係者によって結成したプロイツェンナイツことPK師団と同じプロイツェンの私兵集団であり、その目的はこの戦争によりヘリック共和国とガイロス帝国を滅ぼして祖国ゼネバス帝国を復興する事であった。
ゼネバス帝国軍はかつての中央大陸戦争で敗北した後、その残存戦力はガイロス帝国軍に吸収されたが、その扱いは不遇そのもので、ゼネバスの人間という理由だけで不当な扱いを受け、時には捨て駒として扱われた為に、軍内部では旧ゼネバス派のガイロス帝国に対する不満と恨みが鬱積していた。
そんな中プロイツェンはゼネバスの子孫である事をひた隠しにして摂政にまで上り詰め、惑星Zi大異変から国を建て直した功績で勝ち取った民衆からの絶大な支持を背景に政敵を次々に粛清して議会を掌握し、ガイロス帝国の実権を握った。更に本来は皇帝の親衛隊であるPK師団を自分の私兵部隊に改変すると同時に影の部隊である鉄竜騎兵団を密かに組織、それらをゼネバス派将兵が占める軍団とした。そして己の理想成就と父の無念を晴らすべく、ヘリック共和国との新たな戦いを起こした。
ニクスでの本土戦が始まった当初、鉄竜騎兵団は味方である帝国軍(正規軍=国防軍)や共和国軍の双方を襲って、戦力バランスをコントロールして泥沼の消耗戦へ仕向けようとした。しかし自分達を探り始めた共和国軍の閃光師団が鉄竜騎兵団の秘密基地に接近し、同部隊を迎撃する中でヴォルフの存在が露呈してしまい、しかも彼らの背後にあるプロイツェンの陰謀までもが発覚しそうになる。鉄竜騎兵団はその場をどうにか脱出し、その後、手薄同然となった中央大陸に向け密かに出港していった。
閃光師団と鉄竜騎兵団の戦闘の直後、この事件を受けて共和国軍のロブ・ハーマンは帝国軍のカール・リヒテン・シュバルツを密かに呼び出して会談を行ったが、ゼネバス派からの刺客の襲撃でシュバルツが瀕死の重傷を負ってしまい、両者の提携への試みは暫し停滞を余儀なくされてしまう。予想外のアクシデントにより計画が破綻しかけたが、プロイツェンがゼネバスの子孫である事には全く気付かれておらず、鉄竜騎兵団の一連の行動は共和国軍から不自然に見られていた。ガイロスの帝政を一手に担うプロイツェン以外にこのような事をやれる者はいないが、そのプロイェンがゼネバス派の私兵を使ってガイロス軍をも攻撃する理由を計りかねていたのである(ちなみにプロイツェンは機密の漏洩を防ぐために一般兵を含む旧ゼネバス帝国関係者達には自身の計画を段階的に告げていた模様)。
その後、各地で激突する両軍の損耗がピークに達したのを見計らったプロイツェンとPK師団が帝都ヴァルハラでクーデターを起こし、さらにプロイツェンがその討伐に赴いた両軍を道連れに自爆したのと同時に鉄竜騎兵団は中央大陸を襲撃、戦力の大半をニクス大陸に送り込み手薄となった本土の共和国軍を圧倒し、共和国を離反した旧ゼネバス人民の協力もあって防衛ラインを突破、そのまま首都ヘリックシティを攻撃・制圧した。その戦いの最中にルイーズ・テレサ・キャムフォード大統領が行方不明になった事もあって怨敵ヘリック共和国を滅亡へ追い込み中央大陸を征服、プロイツェンの遺志を継いだヴォルフはその地にネオゼネバス帝国を建国した。なお、鉄竜騎兵団はその後ネオゼネバス帝国軍に再編成されている。
保有ゾイド
CASを搭載した機体や危険海域である強電磁海トライアングルダラス内部でも行動できる機体など強力な最新鋭ゾイドを秘密裏に独自開発しており、超小型機であるSSゾイドを数の主力としている。これらの機体は共和国軍やガイロス帝国軍の機体を大いに苦しめた。
また、西方大陸戦の終盤においてニクシー基地陥落前にオーガノイドシステムの欠点を補完するインターフェースゾイドを密かに発見している。
所属人物
ネオゼネバス帝国初代皇帝。詳細についてはリンク先にて。
- ズィグナー・フォイアー
ヴォルフの腹心。階級は大尉。
昔からヴォルフの事を殿下と呼んでおり、影のように付き従い絶対的な忠誠を誓っている。
ヴォルフが閃光師団との戦いで窮地に陥った時にブラッディデーモンで出撃し、閃光師団を蹴散らすがレイ・グレックの乗るライガーゼロによりブラッディデーモンは大破。戻ってきたヴォルフにより救出される。
- コンチョ・キャンサ
表向きはガイロス帝国陸軍第21特殊工作師団第1奇襲攻撃大隊所属の少尉でとぼけた人柄で部隊の人気者だが、実は鉄竜騎兵団の工作員で帝国軍主力部隊の中で破壊活動を目論んでいる。
乗機はヘルディガンナー。
- ズィーガー・シャン
コンチョの相棒で同じく第21特殊工作師団第1奇襲攻撃大隊に所属する軍曹。彼の立案した計画を機械のように正確に実行する破壊活動のプロ。ヘルディガンナーが乗機。
- フェア・ディーンスト
ブラッディデーモンのテストパイロットである女性士官で階級は中尉。ブラッディデーモンをズィグナーに譲り心ならずとも基地から脱出し生還する。
- ヨハン・ホルスト・シュタウフィン
ガイロス帝国軍の軍曹でゼネバス系の家計という理由で旧式のヘルキャットを与えられたりと不遇な扱いを受けていたが、プロイツェンの勧誘により鉄竜騎兵団の尖兵となる。共和国軍との会談に赴いたシュバルツを暗殺するべくライガーゼロイクスで共和国軍基地を襲撃しシュバルツに重傷を負わせたが、その際にマッドサンダーがある格納庫を発見し、手柄を増やそうとして襲い掛かろうとするもその隙を突かれてハーマンの駆るケーニッヒウルフの攻撃を受けて死亡した。
- アイガー・レオネード
鉄竜騎兵団のエースで階級は少佐。どんな高速ゾイドも乗りこなし、小型で軽快なディロフォースを好んでいる。