「決まり事だから一応書くけど、死ぬつもりなんてこれっぽっちもないわ。」
—アンナ・ターレス大尉の遺書より抜粋。
概要
アニメに登場しない(そもそもアニメにはゼネバス帝国が存在しない)、バトルストーリーオリジナルの人物。TCG+SLGな『ゾイドバトルカードゲーム』が初出であり、後に『公式ファンブック第3巻』のバトルストーリーにも登場した。
以下の悲劇的な顛末から一部で高い人気がある。
バトルストーリーにおいて
ガイロス帝国特殊工作師団第2特務隊に所属する少尉(上では「大尉の遺書」と書かかれているが、二階級特進によるものと思われる)。
ガイロス帝国摂政ギュンター・プロイツェン・ムーロアの息子ヴォルフ・ムーロアとは幼馴染であり、お互いに「ヴォルフ」「アンナ」と呼び合う仲である。
プロイツェン及びヴォルフが亡きゼネバス帝国皇帝の血を引く者であるということを知っており、いつの日か彼が皇帝の座に就くことを夢見ていた。そのため彼等と同じくゼネバス帝国関係者の子孫の可能性が高い。
ZAC.2101年、ヘリック共和国軍に奪われたニクシー基地に対し、量産型デススティンガー(暴走しないようにオーガノイドシステムが弱められている)であるKFD(キラー・フロム・ザ・ダーク)に乗り基地を襲撃する命令を受ける。
それは生きて帰れる保証の少ない決死隊としての任務であったが、そんな状況でも彼女は「死ぬ気はない」と遺書に書き残していた。
しかしその思いも虚しく、ヘリック共和国軍・閃光師団のエースパイロット・レイ・グレックの駆るライガーゼロとの戦闘で敗北、他のKFDも全滅。
その際の生死は不明だったものの、機密保持のために全機が自爆、機体と運命を共にした。
元からオーガノイドシステムを使う量産機の実用試験およびニクシ―基地にダメージを与え、ガイロス本土への侵攻を遅らせる時間稼ぎに過ぎなかったため作戦自体は成功であったのだが、さしものヴォルフも喜べるはずがなく、レイをアンナの仇と捉えるようになってしまった。
因縁自体はレイがガイロス帝国からライガーゼロを強奪した時から始まっていた(この時、レイの部下はヴォルフに全滅させられている)のだが、ヴォルフがレイにこだわるようになったのはこの時からである。
ギュンター・プロイツェンの秘密を知っており、その後継者の幼馴染ということから、相応の信頼されるに値する背景を持っていたことが窺え、アンナは旧ゼネバス関係者の中でも比較的、高い地位にいた者の子孫の可能性もある。
いずれにせよ彼女はギュンター、ヴォルフ親子にかなり近い存在だったと思われるが、そんな彼女が決死隊の任を受けた背景は全く不明である。
何らかの失態の責任をとる必要があった、どうしても譲れない強い使命感があった、など様々なことは妄想できるが…(KFDを使っての任務を受けていることから、彼女がデススティンガーやオーガノイドシステムの研究・開発等の関係者だった可能性はある。もしそうとなれば、デススティンガー暴走事件などのオーガノイドシステムに関することが絡んでいるのかもしれない)。
いずれにせよ、ゼネバス再建にかけるギュンターやヴォルフなどの覚悟は並々ならぬものであり、彼女もまた、そうだったことは想像に難くない。
ゲーム
PS2『ゾイドタクティクス』にも登場している。声優は松来未祐氏が担当。
初めて顔見せした時の乗機はジェノザウラーであった。この時、レイがライガーゼロを奪取する場面に出くわしており、せっかくの新型を破壊しなければならないことを嘆いた。
そして、次のステージでファンブックのストーリーと同様ニクシー基地への襲撃で戦死してしまう。
『ゾイドバーサス』シリーズにもプレイアブルキャラクターの一人として選択できる。
また、『ゾイドフルメタルクラッシュ』にも、乗機であり隠し機体の一機デススティンガーと共に登場。
他の参戦キャラと同様、勝ち抜きモードの最終面にて勝利することでメインパイロットとして選べる。
機体選択時のコマンド入力でKFDの再現も可能。
デススティンガー搭乗時はもちろん、荷電粒子砲のEX技にも専用の台詞がある(参戦機体のうち、荷電粒子砲を持つすべてのゾイドで確認)。
下記の台詞と共に、全てを焼き尽くそう!
「焼き尽くしなさい、荷電粒子砲!!」
余談
- 名前の由来はアンタレス。カードゲームにて所属する電撃軌道部隊(ブリッツァオービット)のパイロットは、アンナを含む全員が十二星座由来の名前で統一されている。
- カードゲームで最初にキャラデザインを担当したのは後に『まぶらほ』の押絵を担当したり、そして『フレームアームズ・ガール』でフレズヴェルクの絵を描いたことでも知られる駒都えーじ=サンである。
- 『ゾイドFOR』に登場するカタリナ・ターレスは、名前こそ似ているが、アンナとの厳密な関連性は不明となっている。