エナジーライガー
えなじーらいがー
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セイスモサウルスに対抗するため開発された凱龍輝の登場により、さらに強力な護衛用ゾイドが必要とされ開発されたネオゼネバス帝国の新型ゾイド。後に皇帝直属の親衛隊に配属され、皇帝ヴォルフ・ムーロアも共和国首都での決戦で本機に搭乗している。
ライガーゼロと同型の野生体のライオン型ゾイドのゾイド核がさらなる外部出力にも耐えられると判断した技術部が最新型の動力機関「エナジーチャージャー」を搭載させて完成した。この関係上、ライオン型ゾイドでもかなりの大型種になっており(「巨大ゾイド」に該当する)、このサイズと重量を持ちながら、後述の通り規格外の運動性能を持つ。
このような経緯から、ある意味ライガーゼロの発展型といえる面も持っている。
近接戦では無敵とされるが、ゴジュラスギガに対してはパワー不足というデータもある。
エナジーチャージャー
背中に張り出したエネルギー発生装置であり、エナジーライガーの根幹と言える装備である。
兄弟機のライガーゼロイクスを含め、過去のゾイドにも似た装備を持つ機体は散見されるが、本武装が生み出すパワーは(マッドサンダーのハイパーローリングチャージャーをのぞけば)それらよりも上である。
惑星Ziの大気中にあるとされるタキオン粒子を吸収、蓄積し、体内を超高速循環させる事で膨大なエネルギーを生み出す第二の動力である。ゾイドコアとこれの併用によって、最高速度660km/hという別次元の速度を叩き出すことが可能となった。
トップスピードが高いだけでなく、旋回能力ではライガーゼロフェニックスの2倍、更には加速力も初速で600km/hを越える。
また、それらのエネルギーを機体や武装へ回すことによって、従来のゾイドや搭載兵器のスペックを越えた出力と破壊力を手に入れた。
唯一の欠点として、まだ試作段階のシステムであるために、最大出力での稼働時間は5分~10分と極めて短い。また、その膨大なエネルギーは一歩間違えればゾイドコアの自爆をも誘発させるリスクも秘めている。
2連装チャージャーキャノン・チャージャーガトリング
これらは共にタキオン粒子を用いたビーム兵器であり、デススティンガーに匹敵する破壊力を持つとされる。
『ゾイドフューザーズ』でも、2連装チャージャーキャノンでバスターフューラーやマトリクスドラゴンを瞬殺する規格外の破壊力を見せている。
いわば「タキオン粒子砲」であり、荷電粒子砲、プラズマ粒子砲、フォトン粒子砲、重力粒子砲、バイオ粒子砲などにも似たコンセプトである。
- フォトン粒子砲を装備していたのは機体コンセプト上の先輩である。
エナジーウィング
背中に装備された翼。ここからタキオン粒子を放出しながら斬りつける「ウィングスラッシュ」はブレードライガーのレーザーブレードを越える攻撃力を持つ。
また、このエナジーウィングを用いての飛行も可能である。
エナジーライガーPS
アニメ『ゾイドフューザーズ』にて中盤のボス機体として登場。赤を主体としたバトルストーリー版に対し、こちらは漆黒の装甲を持つ。上記の通り、バトルストーリー版にはない様々な機能を持つ。
PS(ピアーズ・スペシャル)という名称は『ZOIDS SAGA』などのゲーム媒体で区別のために付けられたものであり、劇中では一貫して「エナジーライガー」と呼ばれている。
エナジーファルコン
ジェットファルコンとの合体形態。バトルストーリーではこの形態により攻防において最高のゾイドとなるはずだったが、ネオゼネバス帝国がZOITEC社に恫喝的な要求をしたために両者の提携は解消され、この軋轢によりジェットファルコンがヘリック共和国側に流れたため、幻の形態となった。
エナジーストーム
シザーストーム、レーザーストームとの合体形態。この2機に装備されたストームガトリングにより正面に立つ敵を制圧しうる攻撃力を得た。EZ版エナジーライガーの取扱説明書内のバトルストーリーで一斉射撃を行うシーンが掲載されており、ZAC2107年のキマイラ要塞都市攻略戦で活躍した。
スティルエナジー
こちらもEZ版エナジーライガーの取扱説明書内に掲載されたスティルアーマーとの合体形態。弱点となる背部のエナジーチャージャーを装甲で覆い、防御力を高めている。
エナジーレイライガー
『ゾイドフューザーズ』にて、エナジーライガーPSとピアーズが乗るレイコングがZiユニゾンした形態。
レイコングの肩部~腕部をエナジーライガーの背部に装着したような異様な外観で、レイコングの肩部ロケットランチャー(ゲームではミサイルランチャー)が追加兵装となっている。
他のユニゾンゾイドと比較しても明らかに異形ともとれるこの外観は、エナジーライガーの安定しない制御を安定させるために行うというコンセプトであるためなのだろう。レイコングは言わば追加のサブコントロールユニットであり、装着時の姿はエナジーライガーを制御するための「アンテナ」のような形となっているといえる。
エナジーライガー単体時では使用していなかったエナジーシステムを終始フル稼働できるようになり、恐るべき火力とスピードを叩き出し飛行能力も得ている。
ユニゾンゾイドの例に漏れず、新たにシールドが使えるようになっている。エナジーレイの場合はトライホーンシールドという三角錐型のシールド。
ゲーム『ZOIDS SAGA FUZORS』内での諸元は全長28m、重量184t、最高速度540km/hである。
バトルストーリー
初陣となるZAC2107年のキマイラ要塞の戦いでは、ヘリック共和国軍のライガーゼロフェニックス3機を瞬く間に撃破、翌年10月のウィルソン川での戦いでも上陸したレオゲーター数機を撃破する戦果を挙げている。
バトルストーリーにおける両軍最後の戦いとなるZAC2109年春の共和国首都での決戦では数機が首都防衛戦に参加したほか、ヴォルフ・ムーロア自らもエナジーチャージャーの稼働時間が延長された本機に搭乗し、共和国軍を迎え撃った。
ヴォルフとは幾度となく死闘を繰り広げた因縁の宿敵レイ・グレックの駆るライガーゼロフェニックスとの戦いではその力量と機体の性能の差で優位に立つも、ライガーゼロも即座にジェットファルコンと合体し、ライガーゼロファルコンとなって反撃に転じ、エナジーライガーのゾイドコアを貫いて撃破へと追い込んだ。
だが、エナジーチャージャーは活動を停止せずに暴走を引き起こし、あわや大爆発の危機に陥る。ヴァルハラの再来を危惧したレイ・グレックのライガーゼロファルコンがそこに接近し、エナジーライガーのエネルギー供給パイプをゼロファルコン側に接続した後、膨大なエネルギーを天に向かって放出したことで周辺への被害は免れたのだった。
ゾイドフューザーズ
マトリクスドラゴン戦以降、RDの危機に現れては彼を助けるような行動を何度か取っており、そのことから彼には「父が言っていた『伝説のゾイド』」として一種の尊敬の念のようなものを抱かれていた。
その一方で、裏でRDの仲間であるマスクマンとシグマには襲い掛かるなど敵か味方かわからない挙動を取り、ブレードからはバーサークフューラーを破壊した敵として執拗に狙われていた。
その正体は、アルファ・リヒターの支配・統率計画「オペレーションジェネシス」に必要な「究極のゾイド」候補として、アルファの協力者であるピアーズ博士が生み出したゾイド。
リヒタースケールが作り上げた究極のゾイド候補である凱龍輝はT-REXタイプのバーサークフューラーをモデルにされているのに対し、ピアーズが作った本機はライガータイプのライガーゼロをベースに作られている。
加えて、ピアーズが同時期に研究していた「エナジーシステム」(ゾイドのパワーを飛躍的に増大させる機能)を搭載しており、他の実験体を遥かに凌駕するスペックを叩き出した。
しかし、エナジーライガーには時折制御不能となる致命的な欠陥が発見されてしまったため、アルファはエナジーを究極のゾイド候補から外してしまう。
ピアーズ自身が「自分のゾイドが世界で最も強い」という自己顕示欲を抱いていたために、自分が作り上げ最強に相応しいゾイドを廃案にしたアルファに復讐を決意。
本機を完全なものにするため、レイコングを介してデータ集積を続けていった。
その締め括りとして、レイコングとZiユニゾンし「エナジーレイライガー」を発現させることで完全制御に成功。
RDのライガーゼロファルコンとブレードの乗る凱龍輝に襲いかかり、エナジーシステムとZiユニゾンという2つの強力な能力を以て、他のゾイドとは一線を画すその戦闘能力で凱龍輝スピードをスピード勝負で破りエヴォフライヤーを破壊するなどで両機を苦しめるが、最終的に伝説のゾイドとしての片鱗を見せ始めたRDのライガーゼロファルコンの「ストライクレーザーランス」を受けて撃破された。
先の通り、エナジーライガーはRDを助けるような行動を度々起こしていたが、その理由については触れられていない。
ピアーズの指示で味方のふりをしていただけの可能性もあるが、もし制御不能の状態となっていた時にしたのだとすると、エナジーライガーの本心は、自分のモチーフとなったRDのライガーゼロと共に行動することだったという可能性も考えられる(もっとも後者が正しかったとすると、最後は自らの意に反して強制的に戦わされた悲劇のゾイドという事になってしまうのだが)。
2003年12月に発売されたEZ版と翌年の2004年11月に発売されたFZ版の2種が存在。アメリカでは後者のバージョンが日本に先駆けてハズブロ社より発売されており、日本経済新聞2003年4月18日付の朝刊によれば旧トミー(現:タカラトミー)内の北米向け開発チームによって企画されたとのこと。
また、製品の開発には80年代の旧ゾイドシリーズのキットの開発を手掛けたスタッフが参加していたことが電撃ホビーマガジン2004年11月号内のインタビューにて明かされている。
キットはモーター駆動タイプの動力ユニット(単3電池2本使用)にピストン駆動のエアポンプユニット(エナジーチャージャー部分)があらかじめ組み付けられており、ユニットの下部にあるメインスイッチで電源のオン・オフ、ユニット上部のスイッチでエアアクションのみ、歩行のみ、両方の切り替えができる。
歩行ギミックは歩行に合わせて口を開閉するオーソドックスなものだが、エアポンプから伸びるチューブを背部のコネクタに接続すると空気の力によってエナジーウイングが展開(尻部の「PUSH」と書かれたスイッチを押すと空気が抜けてウイングが畳まれる)し、チャージャーキャノンやガトリングにチューブを接続すると砲身が前後に可動・回転する。
FZ版にはジェットファルコンとのユニゾンを再現できるパーツが付属しており、ジェットファルコンをエナジーライガーの背部に合体させるとバスタークローが空気の力でリフトアップするギミックが楽しめる。
- 機体コンセプトには、ジーク・ドーベルとの類似性が散見される。
- 角と翼を持つ珍しいライオン型ゾイドであり、バイトグリフォンやバトルクーガーが比較的近い姿をしている。また、同じく翼を持つ兄弟機のライガーゼロフェニックスおよびライガーゼロファルコンとはライバル関係にある。
- 平成シリーズの末期を象徴する機体の一つであり、特徴的な外見からも、昭和シリーズの末期のゾイドたちをどこか思わせる意匠がある。
- 平成バトルストーリーの象徴たる高速ゾイド史上最強の機体である。ジェットファルコンとユニゾンして完全状態になると、デスザウラーの大口径荷電粒子砲以上の火力を連射しながら最速での戦闘が可能という凄まじいスペックになる想定だった。しかし、諸事情から未完成といえる状態でロールアウトした。
- 未完成でも最上位クラスで、完成すればより強くなる史上最強の高速ゾイドという触れ込みもありつつ、単体ではゴジュラスギガ相手にはパワー不足とも言う絶妙なポジションである。ゴジュラスギガは昭和ファン向けを意識してデザインされた最強の巨大格闘ゾイドといえるポジションであり、旧昭和シリーズも立てつつ、平成の高速ゾイドファンにも納得出来る見事な性能設定であり、昭和末期のインフレの反省がうかがえる。
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