※この記事はモンスターハンターライズ:サンブレイクのストーリーにおける重大なネタバレとなっています。…というか記事名そのものがネタバレです。
未プレイの方はご注意ください!
深きものにその報せはもたらされよう
機は満ちたりと
深きものは吉兆に応えよう集え我の元へと
供されし命を喰らい脅威は凄まじさを増して
ついにその威容を顕現するであろう
深淵から迫る絶望
冥淵龍 ガイアデルム
概要
本作のラスボスである古龍種モンスターで、別名『冥淵龍』。専用ステージ『淵劫の奈落』にて、主人公とフィオレーネを待ち受ける。
本作の舞台となる調査拠点エルガドの本国である『王国』では、人々の心が闇に染まり国が乱れる時、大地より深淵の悪魔が現れて国を喰らい、人々の魂をさまよえる焔に変え喰らうという御伽噺が存在するが、この『深淵の悪魔』の正体こそがこのガイアデルムである。
エルガドの傍にある『サン』と呼ばれる大穴を開けた張本人であり、メル・ゼナの仕業だと思われていた、寄生生物キュリアによるモンスターの凶暴化や変死事件の全ての元凶かつ彼らの真なる宿主。
50年前、ガレアス提督らの故郷である城塞都市(現在の城塞高地)に大穴を空けて滅ぼしたものの、王域の主であったメル・ゼナと縄張り争いを行い両者痛み分けに終わっている(この際ガレアス提督はガイアデルムの咆哮を耳にしており、『深淵の悪魔』の実在を確信している)。
その後は地の底に還り潜んでいたが、メル・ゼナが討伐された後にキュリアがモンスター達の養分を吸収して舞い戻ったことで力を蓄える。そして新たな大穴を開き地上へ這い上がろうとしていたものの、決戦型狩猟船に乗った提督らの活躍により一度は退けられる。
大穴に突き落としたもののガイアデルムの生存は確実であり、敵対するメル・ゼナがいない以上放置すれば王国の危機は免れない。
地面に穿たれた漆黒の太陽を砕き、王国に光を取り戻すため、主人公とフィオレーネは大穴へと飛び込み、最後の決戦へと赴くこととなる。
生態
四肢と翼脚を地に着けた所謂マガラ骨格であり、その巨体も相まってかつてのゴグマジオスを思わせる。
しかし、翼脚は完全に腕として進化しており、翼膜はおろか羽らしいものは一切無く、主に地中を掘り進むために用いている。また、後ろ脚は退化の傾向がみられる。
頭部は前作のイブシマキヒコやナルハタタヒメにも似ているが関係は不明。獲物を丸呑みにするような構造の彼らとは異なり、口は下顎が四叉に分かれるように開く。顎の先端には獲物を引き寄せる爪のようなものがあり、口内には牙、歯舌のようなものがあるものの、エネルギー源は生物からエネルギーを吸い取ったキュリアであり、キュリアを吸い込み捕食する事でそのエネルギーとしている様子が見られる。
キュリアから得たエネルギーが抽出された赤い結晶を身に纏っているが、覚醒すると同時に紅色のエネルギーへと変化し、全身から焔を放っているかのような悪魔の如き姿へと変貌する。
戦闘
第一形態から第三形態までが存在し、フィオレーネを同行した上で地上にいる決戦型狩猟船と連携する形で戦闘を進めていくこととなる。
主な攻撃方法としては2本の翼脚と合わせ計4本ある巨腕を執拗に叩きつけてくる。その他大口を開けての吸い込みにより引き寄せてからの攻撃も多用する。
ブレスなどの一部の技では一見すると炎に似たエネルギーを使うが、飽くまで使用しているのはキュリアの精気エネルギーであり、火属性ではない。
第一形態では攻撃を続けると上述した精気の結晶らしき物体が剥がれ落ちる。そして大技の際に結晶を吸い込み、ガイアデルム自身にダメージを与え、場合によってはダウンさせることが可能。また、第一形態では信号弾を放ち、狩猟船から放たれる「連装式撃龍槍」での援護を要請することが可能。
ダメージを与え続けると三番撃龍槍が直撃。地面が崩れてガイアデルムが地底へと落ちていき、下層での決戦となる。
下層に向かうとガイアデルムはキュリアを吸い込んでおり、第二形態へと変化。これによって体の各部位が赤く発光、背中の結晶は体毛のようなものに変化し、身体能力が向上する。
結晶が無くなった事で結晶による大ダメージは狙えなくなるが、一定時間が経過すると、地上から「連射型バリスタ」が補給されるようになる。
しかしそれと同時にガイアデルムは壁をよじ登ってキュリアを捕食しようと試みるため、それを阻止しなければならない。
背中に球体のように群がったキュリアを攻撃し、破壊することで大ダウンを狙えるが、失敗すれば翼のようにエネルギーの放出を合図に太陽のような凄まじい閃光と共に、バリスタ諸共周囲を消し飛ばす巨大なブレスを放ってくる。
ある程度ダメージを重ねると更なる形態変化を見せ、翼脚から翼のように精気エネルギーが溢れ、周囲が赤く染まる、まさしく『悪魔』としか表現できないほどのおぞましい威容となる。この形態となったガイアデルムは各攻撃に爆発するようなエフェクトが加わったり、エネルギーの衝撃を用いた高速移動などを見せる。暫くすると再び壁を登ってキュリアを捕食しようとするが、バリスタの補給が間に合わないとの報告が入る。
すると、なんとフィオレーネが翔蟲を用いてガイアデルムを叩き落す。
ここでBGMが変化し、最後は主人公とフィオレーネの活躍によりガイアデルムはついに討伐され、世界は再び夜明けを迎えることとなる。
討伐から暫くすると群がるキュリアたちもまた次々と絶命していく。
しかし、一匹のキュリアが強い光を放って空へと登っていく意味深な描写の映像が流れ、ガイアデルムのクエストは終了する。
消えては、結び
還るべきはいずこ
武具
武器
ガイアデルムを討伐すると当然こいつの素材を使った武器も作れる。武器の名前は『冥淵〇〇△△』となっており、強化派生はなく一発生成となる。
基本的にどの武器も「長い紫ゲージの斬れ味」「高い攻撃力」「百竜スロットLv3」「低い龍属性」「会心率-15%」といったところ。低い属性値と会心率が足を引っ張るがそれを見据えても長い斬れ味と高い攻撃力という長所が大きく、低めの会心率も「鋼竜の魂」の百竜装飾品である程度補う事は可能。物理武器としてみる汎用性の高い武器と言える。
一方でガイアデルムのレア素材である奈落の龍神玉が全武器種で必ず必要になるので周回が必要になる可能性もある。
サンブレイクでは属性値が高い武器の方が何かと使用されるため、本種の武器はなかなか採用されないが、ライトボウガンは各種物理基本弾LV3を高い期待値で扱うことができる。特に散弾Lv3を運用したものは火力も連射力も素晴らしい物に仕上がっており、他の武器には真似することができないほど。
防具
ガイアデルムを討伐するとこいつの防具の作成も可能。通称、冥淵纏鎧シリーズ。
ライズのラスボスの防具であるなるかみシリーズがあまり強力な物ではなかったが、その性能はというと…
部位 | スキル | スロット |
---|---|---|
頭 | 弱点特効+1 逆恨み+2 | ④② |
胴 | 弱点特効+1 逆恨み+1 連撃+1 | ③② |
腕 | 伏魔響命+2 逆恨み+1 | ④ |
腰 | 弱点特効+1 連撃+2 | ④ |
脚 | 伏魔響命+1 逆恨み+1 | ③②② |
一式 | 伏魔響命+3 弱点特効+3 逆恨み+5 連撃+3 | ④×3 ③×2 ②×4 |
一式だけでも+3になる弱点特効と連撃が備わっており、逆恨みもLv5とかなり火力装備となっている。
新スキル「伏魔響命」はガイアデルム本人やメル・ゼナと同じようになんとキュリアがハンターと共生関係を築く。性能としては簡単に言うと『体力が減り続ける代わりに攻撃性能がアップ』というものであり、今作の代名詞でもある疾替えの書の色によって上がる攻撃性能が変わる。朱なら属性値と状態異常値、蒼なら攻撃力と気絶値と言ったところ。この攻撃性能の上がり具合が馬鹿にならない程に高く、基本的にどの武器でも恩恵を受けやすい。特にTA勢などには挙って使用されている模様。また、伏魔響命によって体力が減り続けても0にならず1で止まるため、このスキルだけで乙することはない。また、伏魔響命によって体力に赤ゲージが必然的に表れるため、逆恨みとの相性も抜群。
難点としてはHPが毎秒減り続けるので体力管理が厳しいという点。不安なプレイヤーは回復薬などは多めに持っていったり、回復アイルー等を連れていくのが良い。メル・ゼナの装備による血氣で体力減少を補うなどで対策するのも手。その場合は赤ゲージがなくなるまで回復してしまうと逆恨みが発動しないため、注意が必要。その他、狂竜症【蝕】とも相性が良く、伏魔と合わせて攻撃性能と引き換えに体力の減り方が馬鹿にならなくはなるが、狂竜症を克服すると赤ゲージがなくなるため、体力管理が楽になる。
伏魔響命を使わずとも胴や腰の装備がスキルスロット共に優秀であり、スロットやスキル目当てでの採用もよく行われていた。
余談
モンスターハンターライズのラスボスが常に空を飛び、天を統べる神の名を冠する龍だったのに対し、ガイアデルムは翼を持たず、地底から這い出ずる悪魔の名を冠する龍であり、両者は対ともいえる立ち位置を取っている。
なお、素材である冥淵龍の堕翼爪の説明文を読む限り、この姿として進化する以前は天を翔けていたようである。
何気に古龍のこうした進化・退化が明示されているのは珍しい(設定上はラオシャンロンも巨大化の過程で翼を失ったとされる)。
第2形態以降の大技準備時はもはやシューティングゲーム。背中のキュリアの判定も厳しく、ソロだとファンネルのように飛んでくるキュリアの群れも一人で対処しなければならないことも相まって完全に運ゲー。因みに大技阻止の失敗を繰り返すと背中のキュリアの耐久力が下がっていき、特に3回目以降はソロでも大技阻止が現実的になる。
本作のラスボスを担う彼だが、ユーザーからの評価はだいぶナメられている寄り。
あまりにもキュリアに依存しきった生態と、当時キュリアを使役していなかった素のメル・ゼナと互角であったことが要因である。
おまけにフィオレーネからは、「キュリアに頼って身を潜めていた臆病者」などと罵倒される始末。不憫…
更にダメ押しで、イベントクエストにも一切登場しないという結末に。前作のラスボスですらイベントクエストがあったというのに…
裏設定
その後、公式設定資料集の発売によりガイアデルムに関しても詳細な設定が開示された。
具体的には、
・数百年前に大穴を開け地上へと侵攻したが、縄張りの異変を察知したメル・ゼナに敗北。撤退間際に差し向けたキュリアは事実上メル・ゼナに寝返ってしまう結果に。
敗北後は、即座に反攻に赴くことも虎視眈々と復讐を狙うこともなくメル・ゼナを恐れて地下に引きこもるという体たらくで、縄張り争いの結果は拮抗どころか一方的な敗北であった。
・50年前にはメル・ゼナのいない大陸側へ移動してキュリアを放出し、そのキュリアを迎え入れるために大穴を開けた。ここまでは良かったが、なんと海水が流入したため早々に大穴を放棄。
その後はキュリアが細々と運んでくる精気に頼りながら、メル・ゼナが主人公とフィオレーネによって討伐されるまで城塞高地に潜伏していた。
・形態変化はキュリアのエネルギーを取り込んだ自己強化ではなく、キュリアを吸い込みすぎたことが原因の暴走。鎧のように身に纏うキュリアの結晶を剥がされ窮地に陥ったガイアデルムが許容量以上のキュリアを吸い込み、意図せず全身にエネルギーが巡るようになったのだという。
上記の内容から、ラスボス戦でフィオレーネが「キュリアに頼って身を潜めていた臆病者」と罵倒した内容こそがそっくりそのまま事実であったことが判明。
Ver.16で実装された原初を刻むメル・ゼナの圧倒的な強さから、本種に対して好意的な考察を行っていたハンターたちの間では再評価が行われていたのだが、その矢先に開示されたこれらの裏設定は色々な意味で大きな衝撃を与えることになった。
ただし、上記の設定があるからといってそれを根拠に無闇やたらと揶揄・罵倒するのは御法度であり、何より製作者の努力やプレイヤーからの(特に好意的な)評価を否定してしまうことにもなりうる。
このような本編で語られることのない裏設定は、あくまでも世界観に深みを与えるエッセンスであることを常に頭に入れておくべきであろう。
そもそもゲーム上でもストーリー上でも強大な敵であることに変わりなく、フィオレーネらの言葉も「ガイアデルムが倒せなかったメル・ゼナさえ討伐したのだから、負けるはずがない!」という激励・鼓舞の意味も多分に含まれている。
関連記事
オンラインラスボス(メインシリーズ)
ナルハタタヒメ→ガイアデルム→???
終わらない異変
ガイアデルムが討伐された後も尚生き残ったキュリアは宿主を失って進化した。
それからは普通の大型モンスターに寄生することでそのモンスターを大幅に強化させるようになったのだ。
それが…傀異化である。
さらには古龍達はキュリアの寄生を克服して共生を果たした傀異克服古龍へと変貌を遂げた。
そしてガイアデルムを討伐した猛き炎の故郷に
『大いなる災い』が現れる事になり、
更にそれを討伐すると
『真のラスボスたる鬼神』が現れる事となる。