概要
媒介者(ベクター)である節足動物が患者や動物の血液を吸い込む際に細菌・ウイルス・原虫などの病原体も一緒に取り込み、次に別の人の血液を吸う際にその人に病原体を感染させてしまうことがある(ベクター感染)。
主な節足動物媒介感染症
太字は特に危険な病気。
主に蚊が媒介するもの
蚊が媒介する感染症は主に東南アジア・アフリカ・南米などの熱帯地域に多いが、今後地球温暖化が進行した場合、日本でも流行する可能性がある。
- 日本脳炎 : 感染しても無症状のまま免疫ができることがほとんどだが、一度発症してしまうと致死率が非常に高い。ワクチンで予防できる。
- デング熱 : 感染してもほとんどの場合は軽症のまま治るが、稀に重症の「デング出血熱」になることがある。
- ウエストナイル熱/西ナイル熱 : アフリカ、アメリカ、カナダで発生している。
- 黄熱/黄熱病 : 蚊が媒介する病気としてはマラリアと並んで危険。野口英世の死因としても有名。アフリカや南米の一部の国では黄熱のワクチン接種が必須となっている。
- リフトバレー熱
- チクングニア熱
- ジカ熱 : 2015年にブラジルで大流行し、社会問題になった。
- マラリア : 蚊が媒介する病気の中で最も危険。世界では毎年60万人以上がマラリアで死亡している。
- フィラリア症
主にダニが媒介するもの
- Q熱
- 日本紅斑熱
- 重症熱性血小板減少症候群/SFTS : 西日本と中国で発生しているマダニ感染症。高齢者の死亡例が多い。
- クリミア・コンゴ出血熱 : アフリカ・中東・ロシアで流行している病気。エボラ出血熱と似たような症状が現れ、致死率が非常に高い。