概要
風邪から派生する、呼吸器系疾患の一種。いわゆる「風邪をこじらせる」と発症する病気の1つ。
原因となるものによってはかなりの種類がある。
また、高齢者の死因の1つに挙げられ「老人の友」という別名を持つ。
発症した箇所によって市中肺炎と院内肺炎に分けられる。
軽症ならば通院治療が可能だが一応、入院を勧められることもある。
主な症状は風邪と同じだが胸が痛いのと息苦しい症状が見られ、特に胸が痛ければ即座に病院へ行ったほうがいい。
非感染性肺炎もある。
誤嚥性肺炎、閉塞性肺炎、吸入性肺炎といった機械的肺炎、インターフェロン、抗がん剤、漢方薬など医薬品が原因の薬剤性肺炎、膠原病をきっかけに発症する症候性肺炎、好酸球性肺炎、過敏性肺炎、化学物質の吸入による化学性肺炎といったものが挙げられる。
肺炎の種類
- 細菌性肺炎
最多の肺炎で、一番の原因が肺炎球菌、次点がヘモフィルスインフルエンザ菌b型(ヒブ)となり、ブドウ球菌でも発生する。潜伏期間は1-3日程度。
- ウイルス性肺炎
ウイルス感染で起こり、細菌性肺炎と違い膿性痰が出にくい。
乳幼児や高齢者ではインフルエンザウイルスが原因となり、乳幼児ではRSウイルスやアデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどが多くみられ、コロナウイルス、新型コロナウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルスも肺炎の原因となる。
体外から入ってきたウイルスに感染する場合がほとんどで、腎臓病や膠原病の治療で免疫が低下している場合、以前に感染して体の中にひそんでいたサイトメガロウイルスによって肺炎を起こすことがある。
- 非定型肺炎
マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、オウム病のほか、レジオネラ菌による肺炎が該当する。
- 間質性肺炎
肺の間質組織の線維化が起こる疾患の総称。
関節リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、MCTDなど線維化を来す膠原病の一症候として間質性肺炎が出現する頻度が高い。カビ、羽毛、石材、アスベスト、超硬合金などを吸い込むことでも発生することがある。
階段を上がるときや荷物を持ったときにみられる息切れや咳が主な症状で、無症状で、胸部のレントゲン、CTなどの画像で異常が認められる場合もある。
診断法
聴診器で呼吸音を見るとき、普通はきれいな音がするが、雑音が入っていれば肺炎の可能性がある。
更にレントゲン検査を行い、レントゲン写真を見ると肺が真っ白に写る(普通、空気はレントゲンには写らないため)。
その後で原因菌を調べるため培養検査と血液検査(血清)が行われる。
治療法
対症療法さえ行えば、完治しやすくなるが、抵抗力の弱い人(子どもや高齢者、また、手術などで抵抗力が弱くなった人)だと、症状が長引くこともある。
近年において
少子高齢化社会において、特に高齢者の死因の1つにこの肺炎が挙がっており、抵抗力が弱くなっているのもだが誤嚥性肺炎による死亡者もいる。
また、著名人の死因の1つにも挙げられている(肺炎単独のほかその他の症状の合併症で亡くなるケースが半々くらい)。