ウエストナイル熱(-ねつ)は、ウイルス感染症の一種。西ナイル熱と呼ぶこともある。
流行地域
アフリカ、中東、ヨーロッパ、オーストラリアなど、世界の広い地域で発生している。
北米(アメリカ、カナダ)でも1999年以降、ウイルスおよび患者の存在が確認されており、現在では主に夏に流行している。
現在、日本国内での感染例は報告されていないが、2005年にカリフォルニア州から帰国した日本人が発症したことがある。
感染経路
症状
高熱、頭痛、筋肉痛といった、インフルエンザに似たような症状が現れる。ほとんどの場合、1週間程度で自然に治る。
しかし、高齢者など免疫力が低下した患者では稀に重症化し、ウエストナイル脳炎という重篤な状態に陥ることがある。ウエストナイル脳炎にかかると死亡することもある。
治療方法
ウイルスを殺す薬は存在しないので、症状を抑える治療が中心となる。
予防方法
ちなみにワクチンは存在しない。
余談
ワニは非常に免疫力の強い動物として知られていて、その免疫系は感染済みだけではなく未感染の病原体に対しても強く作用する。AIDSをはじめとするヒトにとって致死性の高いウイルスもその多くはワニの血液の中に入っただけで無力化する。ところがそんなワニに感染して死に至らしめる稀な伝染病がウエストナイル熱である。米国では中間宿主となったワニが大量死し、蚊を介して哺乳類に流行をもたらすという事態がしばしば発生しており社会問題となっている。