概要
日本脳炎(にほんのうえん)は、アジアで広く流行しているウイルス感染症。日本でもかつては患者が多くみられたが、ワクチンが開始されて患者数は著しく減少し、現在は中国地方・四国・九州・沖縄など西日本でわずかにみられる程度である。
日本脳炎ウイルスは、蚊によってブタから人に伝播する。日本脳炎は高温多湿な気候でブタなどを飼育し、蚊の発生しやすい水田のある地域に多く発生している。温帯地域では夏に、その他亜熱帯・熱帯地域では雨期に発生が多くなる。
名称に関して
このウイルスの名前だが別に日本が発祥だからこの名称なのではなく。単に日本の研究者が発見し、この呼び方を多用してしまった事で、アメリカなど他国の研究者達の間でもこの名称が定着、一般化してしまったという背景がある。
発症に関してはアジア圏内ほぼ全域で確認されており。風評被害も甚だしい名称である。
症状
感染してもほとんどの人(99%)は無症状である。ごく一部の人(1%未満)に以下の症状があらわれる。
発症例こそ少ないが、一度発症すると致死率が高く(20〜40%)また、治っても後遺症が残る。
予防方法
ワクチンで予防できる。「虫よけスプレーや蚊取り線香を使用する」「肌を露出しない服装」など、蚊に刺されないように心がける。特に蚊の発生が多い水田地帯やブタなど動物を飼育している地域では、防虫対策を忘れないこと。
流行地域
日本(中国地方・四国・九州・沖縄)、韓国、北朝鮮、中国、香港、マカオ、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、ラオス、カンボジア、ミャンマー、インド、ネパール、バングラデシュ、パプアニューギニア、グアム、サイパン、極東ロシア
蚊が媒介する主な感染症
蚊が媒介する感染症には、日本脳炎の他、マラリア、黄熱(黄熱病)、デング熱、チクングニア熱、ウエストナイル熱(西ナイル熱)などがある。
詳細は節足動物媒介感染症を参照。