概要
『モンスターハンタークロス』から登場する飛竜種で、通称「電竜」。
ココット村を初め、アルコリス地方の森丘等で最近確認される様になった新種。
金色と黒の鋭利な甲殻に刃の様なトサカと、ステンドグラスや昆虫の翅を思わせる模様が入った透明の翼、先端が二股に分かれた尻尾が特徴。
美しい姿とは裏腹に性質は極めて凶暴。
ライゼクスの親は卵から孵化した幼体を育てずに完全に放置してしまうため幼体は生後間もない頃から自力で生きていくしかない。
自分の身を自分で守り、獲物を自力で確保しなければならないため、必然的に凶暴になっていく。
自らの縄張りに侵入するあらゆる存在を攻撃対象とし、大型飛竜すら視界に入っただけで襲い掛かる。たとえ敵が戦意を喪失しても攻撃の手を緩める事はなく、逃げても執拗に追撃する。
縄張りに入ってしまったドスランポスを容赦無く殺してそのまま食べる、近辺を飛行していただけのリオレウスを奇襲する姿も確認されている。
この様にライゼクスの存在はハンターだけでなく他のモンスターにとっても脅威となり、時には同族でさえ攻撃対象とし、空腹であれば共食いもする。
一度暴れ出せば周辺の生態系を破壊しかねないため、その凶暴性から「電(いなずま)の反逆者」「空の悪漢」等の異名を持つ。
それを反映してか、防具のデザインは特撮系の悪役幹部怪人を彷彿とさせる不気味さを含む造形のものが揃っており、説明文も「善性」や「純粋さ」を捨て去り「悪性」や「狡賢さ」を手にするという旨の、徹底して「悪」を意識したものになっている。
なお、確認されているのは雄ばかりで雌は滅多に確認されない。ゲーム中に登場する個体も全て雄。
飛竜種の中でも発達した巨大な翼を持っており、その飛行能力及び戦闘能力はリオレウスやセルレギオスにも匹敵する程。
また、発達した翼は武器としても使用可能で、殴り付ける様にして獲物に襲い掛かったり、羽ばたいて外敵を吹き飛ばしたり、ワイバーン型としては珍しい攻撃を仕掛ける。
鋭利な翼爪は1本が前と下の2方向に伸びた独特の進化を遂げ、振るっても叩き付けても獲物に食い込ませて傷つける事ができ、非常に攻撃性に富んだ形状をしている。
全身を覆う甲殻は棘殻と呼ばれて鋭利に発達しており、触れるだけで獲物を傷つける程に鋭い。
尻尾は棘が生えた鋏の様な形状で外敵や獲物を挟み込んで捕獲すること可能。
最大の武器は、体の各部に備えた発電器官が存在する「圧電甲」と呼ばれる外殻である。
トサカ、尻尾、翼膜にそれぞれ存在し、これを激しく振動させて発電する。
生み出された電気の威力は落雷にも匹敵する程強力で特に翼は高い帯電性を持っており、翼を振るわせる事で電磁波を発生させる事が可能であり、発生させた電磁波は周囲の生物にまで影響を与え、これでランゴスタ等の弱い甲虫種を捕食する事もできる。電気も他のモンスターとは異なる蛍光色であり、独特の軌道を描く雷光ブレスや大地を走る電流など、特異な性質を持っている。
その身に宿る凄まじい電力は周囲の環境に影響を及ぼす場合があり、ライゼクスが訪れた地では電流の影響で変質した岩石が発見される事もある。
しかし、ライゼクスの真の恐ろしさは「電荷状態」と呼ばれる特殊能力である。
頭部、翼部、尾部の3部位に膨大な電気を蓄積する能力で、各部位のいずれかに蓄電している状態は「部位電荷状態」とも呼ばれる。この状態では攻撃の際に放電が加わる事で威力や範囲が格段に上昇する。
頭部はトサカが前後に肥大化し緑色に光るラインが入る他、眼光も赤から明るい緑色に変わる。ブレスの出力も上がってより広範囲に電撃が行き渡るようになる。
さらに放出される電気エネルギーを巨大な剣のように振り回して攻撃を仕掛ける。
翼は翼膜全体が美しい翠色に発光し、振り乱す度に強烈な電撃が発生するようになる。
そして尻尾は大きく肥大化して二又に分かれていた先端がさらに分かれて四つ又となり、鮮やかに発光する。この帯電した尻尾で獲物を挟み込んで直接対象に電流を流したり、先端を地面に突き立てて電流を流し込み、広範囲を感電させて身動きを封じるといった技も見せる。
さらに3部位の全てが電荷状態に変化した場合はライゼクスが全身に纏う電力はさらに激しさを増し、全身から大規模な電撃を放出しながら縦横無尽に暴れまわる。大技として雷を纏いながら急降下して翼で叩き潰す行動をとるようになり、ベルキックの様である。
ただし、電荷状態では肉質が柔らかくなっており、その部位を攻撃し続ける事で電荷状態を解除させる事も可能(同じく電気を操るジンオウガの超帯電状態と似ている)。
特に翼は電荷解除すると転倒するので、さらなる隙へと繋がる。
また、疲労すると電荷状態を維持できず、元の状態に戻ってしまう。
そして……
触れられれば 命潰えるまでに
死に至る雷に打たれ続けて
それは激しき凶性のなせる業
数多の命を供されてもなお止むことなく
問えば満ち足りぬのだと 答えるがごとくに
激怒招雷 ライゼクス
反逆の機会をうかがう様に暫くの間出番がなかったが、MHR:Sの発売日決定時に公開されたPVの最後の最後に、緑雷を伴いながらその姿を見せた。
モチーフとなった西洋妖怪は神話にて自由自在に雷を落とし獲物を仕留めると伝わる神鳥【サンダーバード】、もしくは英語名の一部に悪魔の名が使用されている事から【悪魔】だと思われる。
キャッチコピーは”激怒招雷”。
ムービーではドスフロギィ一味を瞬殺するクロスの生態ムービーを彷彿とさせる登場をした。
縄張り争いはまさかの同期であるタマミツネと繰り広げる。一方でライゼクスのライバル的存在とされるリオレウスや同じくリオレウスのライバルであり共通点の多いセルレギオスとの縄張り争いは現時点では実装されておらず、実装を望む声も少なくない。
発売に先立って配信された体験版では『上級者向け』のモンスターとして、同じく復活フィールドである密林で狩猟する事となる。
グラフィックが美麗になったことでデザインに美しさが増した他、後述する二つ名個体の技であるライトニングブレードも使用するようになり従来のファンを驚かせた。
また、傀異化したモンスターとしてもヨツミワドウ、ルナガロンと共にウェブサイトなどに出ずっぱりである。
青電主ライゼクス
通常個体と比べて発電器官が異常に発達しており、強すぎる電力故か、溜め込んだ電気が蛍光色ではなく、青白く発光して見える。これが“青電主”と呼ばれる所以である。
詳細は該当項目を参照。
武器
クロスの他のメインモンスター同様に、14種類全ての武器が用意されている。
全体的に鋭利かつスマートな見た目をしており、各部が黄緑色(防具の彩色設定で変更可能)に明滅していてなかなか恰好いい。同じく雷属性を司るメインモンスター:ジンオウガ、ラギアクルスの武器と比べると斬れ味の白ゲージの長さで優っており、属性値が高いのが特徴(反面、物理攻撃力がやや控えめ)。
殆どの武器が「エムロード」や「ベリル」などのエメラルドに因んだ名前が付く他、武器名や説明文が火竜武器をオマージュしているのが特徴である。
武器 | ゼクス武器 | 火竜武器 |
---|---|---|
大剣 | エムロードウイング(※1) → 電剣ライゼクス | レッドウィング → 炎剣リオレウス |
太刀 | 飛竜刀【ベリル】 | 飛竜刀【紅葉】 / 飛竜刀【青葉】 |
片手剣 | エムロードレイピア | プリンセスレイピア |
双剣 | ツインボルト → ツインハイボルト | ツインフレイム → ツインハイフレイム |
ハンマー | エムロードビート → 電竜砕カクルハ | レッドビート → 火竜砕フラカン |
狩猟笛 | エムロードフラップ | グロードフラップ(※2) / フレイムフラップ |
ランス | エムロードテイル → ライトニングピラー | レッドテイル → プロミネンスピラー |
ガンランス | エムロードルーク → ダークチャリオット | レッドルーク → ガンチャリオット |
スラッシュアックス | ライトネルグレイブ | リオフラムグレイブ |
チャージアックス | 電斧アクセラクレス | 炎斧アクセリオン |
操虫棍 | 熱雷の電竜棍 | 乾坤の火竜棍 |
ライトボウガン | 電竜弩 → サージ電竜砲 | 火竜弩 → 火竜砲 |
ヘビィボウガン | 電竜砲【進撃】 | 妃竜砲【遠撃】 |
弓 | ライトニングボウ → ダークライトニング | プロミネンスボウ → ダークフィラメント |
※1 オマージュ元と「イ」の大きさが違う
※2 同じくクロスで追加された、二つ名持ちモンスター:黒炎王リオレウスの武器
評価
かつては四天王最弱は誰か?という話で真っ先に名前が上がっていた不憫なモンスターだった。
というのも、攻撃が分かり易く単純ですぐ動きが読める、大技が少ない、肝心の大技である急降下攻撃の当たり判定がガバガバ等、良く言えば戦いやすい、悪く言うとそんなに強くないモンスターという印象で、ディノバルドの様に尻尾の剣に多くの技を持っている訳でも、タマミツネの様にトリッキーかつ素早い攻撃が多い訳でも、ガムートみたいに攻撃範囲と攻撃力が高い訳でもない為、他の四天王と比べて攻撃モーションの評価は低かった。
……しかし、それはXの頃の話である。
MHXXでは、青電主という二つ名持ち個体が登場するのだが、プレイしてみると評価は一変。頭部から長大な電撃の刃で叩き付ける技や、青白い電磁球でハンターを吸引し、その後から隙を見せ大技を繰り出す。
どの大技も防具によっては即死や瀕死に追い込まれるが、加えてゲーム内の第一線防具の殆どが雷耐性が低い事も、その強さに拍車を掛けている。
それ故、二つ名四天王最強との呼び声も高い。
更にサンブレイクで再登場すると全体的に大幅に強化されており、動きが素早くなってXの頃と同じだと思っているとまずついていけない、以前のようなガバガバ判定もなくなり攻撃範囲が広くなると同時に命中率が上がっている、怒涛の勢いで攻撃を仕掛けてくる、荷電状態はただでさえ高いMR仕様の攻撃力と範囲が更に上がるなど四天王最弱だとネタにされていた頃が嘘のようなパワーアップを遂げている。
余談
- 名前の由来は「雷」(らい)+ドイツ語で「虫」を意味する"Insekt"(インゼクト)から。実際にライゼクスのモチーフも昆虫である。
- 具体的には翼脚が途中から外骨格に代わっていて先端の形が手に見えない構造をしている点や、細くて刺々しい後足、トンボの様に細長い尻尾、半透明の翅等に昆虫のデザインが入っている。トサカがある頭部はツノゼミがモデルで圧電甲を振動させるのはスズムシをイメージしており、捕食の際に翼爪を啄む動きはカマキリが前脚の手入れをする様子を取り入れ、部位に電気を溜める表現はクラゲの発光をモデルにしているらしい。
- 他にも、ディノバルドの「恐竜」に、ガムートの「マンモス」に対して、ライゼクスは「プテラノドン(翼竜)」のイメージも取り入れられているようである。
- 全体的なイメージコンセプトはリオス種の対極にあたる存在。昆虫がモチーフなのも、夫婦愛や子育てといった「愛情」が印象に残るリオス種に対して昆虫や爬虫類などに見られる「無機質な感じ」を強調した、本能に生きる者を表現するためであるらしい。
- 別名もリオレウスの「空の王者」に対する「電の反逆者」である。
- 生態ムービーではランゴスタにドスランポスと2種類のモンスターを殺害して捕食しているが、生態ムービー内で2種類のモンスターを捕食したのは本種が初である。
- 発電のメカニズムについては前述の通り全身の圧電甲と呼ばれる外殻を激しく振動させたり打ち鳴らしたりする事で発電するのだが、これはその名称からも一種の「圧電素子」の様な役割を担っている可能性が高く、それによって発電しているのだと思われる。そして発生させた電気エネルギーを外殻に蓄電する事で電気を制御しているようだ。
- 他の一般的な雷属性モンスターの放つ雷撃は多くが青白い色か黄色なのに対して、ライゼクスの放つものは黄緑に近い発光色というとても珍しい配色をしている。
- 2015年9月3日発売の週刊ファミ通で最大の目玉の1つとして詳細が発表された…のだが、同じタイミングで発表された、ある復活モンスターのインパクトが色んな意味で凄まじいものだったため、完全にそちらに話題を持って行かれてしまい、四大メインモンスターの中では少々出鼻を挫かれたお披露目となってしまった(さらに言えば、あちらも雷属性担当であり、ポジションが被ってしまったことも一因となった)。発売されたらされたで今度は上記の通り四天王最弱呼ばわりされるなど、中々に踏んだり蹴ったりである。
- ただし、特によく言われていた「足元が隙だらけ」という感想は確かに足元は安全地帯ではあるものの、ライゼクスは単純とはいえアグレッシブに動き回るモンスターなので足元に陣取り続けるというのは言うほど簡単ではなく、そもそも足元や背後への攻撃手段が乏しいのはなにもライゼクスに限った話ではないという点は留意しておいた方がよい。
- 更に言うとライゼクスの足の肉質は硬く、安全地帯ではあるが居座って攻撃するのにはあまり向いていない。
- 小嶋慎太郎プロデューサーのツイートによると、ゲーム中に登場するライゼクスは全て雄の個体らしい。
- 別名の"電竜"だが、MHX公式サイトのモバイル版ページで雷竜と間違えられた。また、中国語圏ではかつては全く別のモンスターを指していた。
- MHR:SB発売前に配信された体験版で上級者向けのクエストでライゼクスの討伐クエストが用意された。
戦闘BGM
他のメインモンスターと同様、固有のものが採用されている。
タイトルは「電の反逆者 ~ ライゼクス」。
ちなみに「電」と書いて「いなずま」と読む。某ブラウザゲームに同じ読み方をする駆逐艦がいるので、読み方を知っている人も少なくはないだろうけど……
生態ムービー
関連イラスト
関連タグ
サンダーバード:同じく電気を操るモンスター。
メインモンスター(メインシリーズ)