概要
本作品の主人公で科学忍者隊のリーダーを務める18歳の青年、本名は鷲尾健でまたの名を科学忍者隊G1号、およびガッチャマン。
真面目で熱血漢という典型的な優等生ヒーロー、沈着冷静な性格で洞察力と判断力に優れており、鉄獣メカの弱点を鋭く見抜き巧みに攻略、ギャラクターの陰謀を次々と砕いていった。
だが直情的で一時の感情に流されやすい一面もあり、ある戦いでジュンを犠牲にしたことを気に病むあまり戦意を喪失したり、死んだと思っていた父親との再会の可能性に心を乱され単独行動の挙句、地球壊滅の危機を招いてしまったことすらあり、父との悲劇的な再会と離別の直後は、ギャラクターに対する過剰な憎しみに取り憑かれ、チーム全体を危機に追い込む一幕もあった。
また各Gメカへの武器搭載の必要性を最も強く主張していた人物だが、後に武装集団と化した自分達の在り方に深く悩む姿も見せるなど、物語後半では内省的な部分が目立つようになる。
父の遺した飛行場で暮らしており、テストパイロットや航空郵便配達などで生計を立てているが、あまり儲かっていないのかスナックジュンにツケを溜めている。
『F』におけるGフェンサーの多用による副作用の細胞崩壊で、余命幾ばくもない肉体になってしまうも、最期までギャラクターと闘い抜いた不屈の勇者である。
ちなみによく誤解されているが「ガッチャマン」はリーダーの称号であり、他の4人はあくまで「科学忍者隊」である(OVA版では設定が異なる)。『Ⅱ』では全員で「ガッチャマン」と名乗るシーンが存在しているが、年を追うごとによって称号の意味が曖昧(もしくは全員がリーダーと言う扱い)になったと言えなくない(しかし敵の幹部は律儀に健のみを『ガッチャマン』と呼び続けてはいる)。最終的には健個人の名称に戻されているが。
ちなみにG1になっている際に投げるブーメランの名前は「バードラン」ではない。あくまで投擲の際の掛け声&技名のような物である(『Ⅱ』の「バードソーサー」も同様。ただし「ガッチャマンフェンサー」は武器の名称である)。
なお、主題歌に歌われている「科学忍法火の鳥」は五人のメカが合体したゴッドフェニックスが炎の鳥となって突撃する技だが、「Infini-TForce」ではとある事情でG1以外のメンバーがいない為、以下の手順で発動している。
1.キャシャーンが超破壊光線でエネルギーフィールドを作り出し、G1が竜巻ファイターで旋風を起こす。続いてポリマーが「真空片手独楽」で回転力を強化、シメにテッカマンが「ボルテッカー」でアシストして赤熱化するエネルギー体を作り出す。
2.エネルギー体の中から火の鳥に包まれたG1が文字通り命を賭けて飛び出す。
携帯武器
1作目
- ブーメラン:上記の通り鳥型のブーメランを携帯している。投擲すると鳥のように滑空し遠隔操作により敵に命中、その後は自分の元へ戻っていく所謂誘導型武器。投擲のモーションを「バードラン」と呼称しているが、呼称しない場合もある。
- 羽手裏剣:専用武器のほかに忍者隊共通の羽手裏剣も使用する。「Ⅱ」でも引き続き使用。
- 剣:サーベルを使用し格闘に用いたこともあった。
Ⅱ
- バードソーサー:鳥の頭を軸にした、円盤型手裏剣。収納する際には刃の部分が折りたたまれる。最終回ではソーサーが偶然中枢部に命中したため、総裁Xを倒すことができた。
- ソニックガン:忍者隊共通の武器。通常の拳銃のみならず麻酔銃としても使用可能。
F
- ガッチャマンフェンサー:通称『Gフェンサー』。デルタパワーを有効活用するために開発されたエネルギー剣。柄には鳥をモチーフとしたレリーフが施されている。白兵戦に使用する他、デルタパワーとの連動により出力を強化し、最強の技『ハイパーシュート』を生み出すことが可能となる。諸刃の剣といえるため後日談の『Infini-TForce』では使用していない。
過去に発売した『ミクロマン』にはGフェンサーが付属していた。
おはよう忍者隊ガッチャマン
おはよう忍者隊の一応のリーダーで、自ら立候補してリーダーとなった。
コードネームは「ガッチャマン」。ブーメランが武器。
基本的に熱血タイプで、正義らしくすることに異常な執着をもっており、カッツェからは「正義バカ」と呼ばれている他、南部博士とアンダーソン長官が意見対立した際やジュンと馬場典子アナとの仲裁役を務めている。
「ペロ」という名の愛犬を飼っており、休日にはペロの散歩をすることも。愚痴が多く心配性な割にはうっかり忘れることもあり、メンバーからメンドくさいと思われているが、逆にメンバーをメンドくさいなどと思っている。
その性格ゆえ、電話の音声ガイダンス操作を嫌っている他、ジュンからは家賃を借りまくり、バイトの面接においてもバードスタイルのまま面接に行くため不採用通知を受けてばかりである。一方でかなりの女子大生好きでもあり、アンダーソン長官から合コンに行くよう勧められたこともある。メンバーから発言をスルーされることもあるが、南部博士の単純な嘘にあっさり引っかかる率直さは愛されてもいる。さらに南部博士に郷ひろみや西城秀樹の物まねなどを動画サイトにアップされたり、他の隊員からも「正義の味方かるた」でケンの本音を暴露されたり、愚痴を言われることもある。キレたり呆れたりすると、目上の人間に対しても「アイツ」や「お前」などと呼ぶ。
その性格ゆえにギャラクターの口車に乗せられ散々な目に遭うこともある他、リーダーとして最初にインフルエンザ予防注射をされるのを拒否して涙を流したこともあり、自らバードミサイルを撃とうとした際にも怯えて発射ボタンを押さなかったことや、復活版で松坂桃李が登場した際にはジュンから「目のやり場に困る」と言われたことあるなど弱気な面もある。夕日を見ながら「本当の正義とは何か」について悩んだりと割と繊細な一面もある。
Infini-TForce
ガッチャマンの世界からやってきたヒーロー。
異世界から呼び寄せられた4人の中では年長(推定20代後半)であり、更に元の世界では戦隊のリーダーを務めていた事もあってかリーダー的な役割も担っている。
性格は昭和の男性像をそのまま熱血にしたような性格をしており、非常に正義感・責任感が強く、自分の世界で何年も悪の軍団との戦闘を続けてきたことで“悪党”を見分ける事にも長けている。
その反面、頑固で融通が利きづらい部分もあり、加えてお節介焼きで(言うことは正論とはいえ)説教臭い。さらに現代からみるとその考え方はやや古風で、面識間もない笑に対して「女なら料理の一つくらいできるようになれ」という主旨の発言をして不興を買った。
そういった面から、笑からは(後に武士にも)オッサンと呼ばれている。
物語の開始当初はこういった口煩さに加えて現状へ苛立ちや文句を露にする様も見られた。
しかし、それは唐突に別の世界に転移させられてしまったという不本意な状況、自らの居た世界とそこに住む人々を案じるが故の苛立ちに起因する部分が大きく、その事を城二に指摘された際は自らの非を素直に認め謝罪した。
頑固ではあるが実直で筋の通った男であり、上記のような欠点もあるもののその心根は情に厚く、想い遣りをもって真摯に相手に接する、一度決断したことは有言・不言問わずにやり遂げる、そして悪には決して屈さないという信念を持った、非常に人間味溢れる好漢。
まさに『今時珍しい熱血ヒーロー』を地でいく男。
ハイテクの塊である科学忍者隊なのに近代化した社会にはあまり馴染めておらず、スマホの扱いに苦戦しIHに対応できずスパゲティがパスタと呼ばれる事に違和感を訴える等ネタに事欠かない。コーヒーは自分の世界にも売ってたメーカーのものを買う。
従来の作品と異なる外見的特徴として、顎髭をはやしている。その外見も相まって、笑に対して厳しくも優しく接する姿から「トッチャマン」と一部のファンから呼ばれている。武士や笑からは上述の通り「オッサン」と呼ばれているのもあって思春期の娘を持つパパみたいとも。まだ若いのに……。
ギャラクターに占拠された原子力空母を追跡・戦闘していたところをZに介入され、Zからケースを引き離すもそれにより笑の世界へ引きずり込まれる。
城二や武士と違って東京の町並みに驚き、IHクッキングヒーターやスマートフォンを知らないうえ、料理や介護は女性の仕事という偏見を持っている。
戦闘では身軽な身のこなしと隠し持った武器、主にバードラン(第一作のブーメランとは別のもの)の投擲や爆破で戦い、場合によっては多大な負荷がかかるとされる科学忍法による大技も使用する。戦闘能力は四人のヒーローの中では決して高くはないがその培われた経験値と観察眼は本物であり、笑の手元に「ケース」が来るきっかけを作ったのも彼がガッチャマンの世界を滅ぼしにきたZの手からケースを叩き落したからである。この時の奇襲攻撃ではホログラムで作られた代わり身を用いていた。
さらに場合によっては相手の仕掛けたトラップやドローンなどの武器、兵器を自ら短時間で改造までし、生身であっても怪人を撃破するなど科学忍者隊の面目躍如といった技能も見せており相手の性格を読み切って作戦を立案するなど科学忍者の名は伊達ではない。キャシャーンの洗脳装置に真っ先に気付き破壊したのも健である。
Zの最終決戦で父親と再会し、別れたことを話している。
なお、本作では技の設定が原典と一部異なっており、原典で科学忍者隊5人が協力して行っていた「忍法竜巻ファイター(かけ声は「竜巻ファイター」)」は上記の健が単独で手を広げ両手に落雷を集めつつ回転して行うほか、「科学忍法火の鳥」は他のヒーロー3人との協力で放っている。
コミック版
6年間もギャラクターとの戦いが続く中、笑の世界へ呼び出される。
元の世界へ帰る方法を模索しながら、我の強いほかのヒーローたちと共に笑の世界を侵食する悪と戦う。
表向きは笑の叔父でフリーのエンジニアと称している。
他のヒーローたちのことは平時もヒーロー名で呼ぶ。
カレーも作れないほどの料理下手で、電子レンジなどのタッチパネルの操作も苦手であるうえ、元の世界にない牛丼屋やコンビニに慣れず、笑が留守にした時は食事に苦労することになった。
キャスト
森功至(初代)
小野坂昌也(OVA版)
BOSE(おはよう忍者隊)
松坂桃李(実写版)
関連イラスト
関連タグ
コンドルのジョー 白鳥のジュン 燕の甚平 みみずくの竜 南部考三郎 レッドインパルス
一ノ瀬はじめ:『ガッチャマンクラウズ』主人公