概要
演:阿部寛(映画版)
CV:FROGMAN(TVアニメ版)、津田健次郎(Netflix版)、本渡楓(幼少期)
本編の主人公。フルネームはルシウス・クイントゥス・モデストゥス(Lucius Quintus Modestus。Lucius)。
古代ローマ人で、浴場専門の設計技師でローマ市民権を保持しているローマ市民。
Luciusはラテン語読みだと「ルキウス」が正しいが、後に同名の人物が出てくることと、「ルシウス」の方がやや繊細なイメージが出るということでこの読みになったとのこと。
「超」がつくほど職人気質な性格で、古き良き時代の浴場の設計を進めていたが、「斬新さ」が求められる時代の流れについていけず、職を失ってしまう。
友人・マルクスに誘われて浴場を訪れた際に、浴槽に空いた巨大な穴に落ちて溺れてしまう。もがきながらもなんとか水上に顔を出すが、そこは何故が現代日本の銭湯だった。最初は「奴隷たち(平たい顔族)の浴場に流れついてしまった」と思っていたが、彼らの近代的かつ斬新な浴場に感銘を受ける。
再び意識を失うとそこは普段の浴場であり、ルシウスは先ほど見た奴隷たちの浴場をヒントに、今までなかった斬新な大浴場を作り成功することになる。しかしそれでも自分の見た浴場の技術力には遠く及ばず、嫉妬心を燃やすとともにその探究心が深まっていく。
以降、浴場や温泉で溺れるたびに現代日本の銭湯・温泉街・介護老人宅の浴槽、浴室ショールーム等とにかく「浴場」に関わる場所にタイムスリップするようになり、そこで様々な文化に触れ、それらをヒントに新たな浴場のアイディアを巡らせることが定盤となった。
やがてその活躍は当代の皇帝ハドリアヌスの耳に届き、ルシウスは帝国中枢で浴場施設専門の空間プロデューサーとして名声を勝ち得ていく。
性格
前述の通り、非常に生真面目で職人気質。その背景にはローマ帝国の文化と繁栄、それらを築き上げたローマ皇帝・ハドリアヌス帝に対するローマ人としての誇りと忠誠心がある。その性格とプライドと勘違いが、作中のシリアスな笑いを誘うことに。
己が生業とする浴場・入浴に対して強い愛情と熱意があり、蒸し暑く苦しい浴場でも休まず配管修理を行い続ける熱心さや、入浴のルールを守らぬ者には毅然と立ち向かう勇敢さ、そんな彼らに対しても「自分だけが武器を持って戦うのは卑怯ではないか?」と同じ武器を持たせるといった正々堂々とした心を持っている。
また、自分を襲った山賊たちに、彼らの縄張りに沸く温泉の源泉が「宝」であると説得することに成功し、温泉街の開発に協力させるなど、人徳と指揮力を持ちあわせている。
(本人曰く「『湯の力』が山賊たちの心を穏やかにした」とのこと)
容姿・身体能力等
髪色は金で、カールのかかった短髪をしている。設計技師ながら現代日本人から驚かれる程度には体格がよく、荒地を老人を背負いながら徒歩で旅することができる程度の体力を持つ。
自分の功績が自らの創意工夫によるものではないことに後ろめたさを感じてはいるが、現代日本の湯治場のオンドルと湯治客を見て地熱を利用した岩盤浴による健康法だと推察・看破したりする等、浴場設計者だけあって風呂・水回り関連の技術に対する分析力と勘については(少々の勘違いはありつつも)ずば抜けている。
古代ローマで現代日本の浴場技術を模倣する際も、プラスチック製品のような当時の技術的に困難なものであってもどうにか使える素材を見つけてきて再現してしまう(シャワーホースを動物の腸で代替えする等)。
設計技術以外に、幼少期の経験から馬の世話が得意。鐙(あぶみ)が発明される以前の古代ローマの人間のため、裸馬を乗りこなす事も出来る。
また必要とあらば兵士として戦場に赴いて戦い(職人は兵役につくものが多かった) 、前線基地に浴場を作る事もあったため、一通りの武器は扱えるらしい。
また、小達さつきが拉致されかけた時には牧場の馬二頭(ハナコとヒデキ)と自転車宅配便のリヤカーで即席のチャリオットを組み立て、タオル一丁の姿でヤクザのベンツとカーチェイスを行うというシュール極まりない戦闘を繰り広げた。
続テルマエ・ロマエでは
20年の月日が経ち、ルシウスは還暦を迎えており、体力も老人並みに衰えていた。
さらに、時代と共に移りゆく豪華さのみを重視した風呂の思想とそれに同調する息子のマリウス、そして突如さつきが失踪してしまったことにより、心も限界を迎えようとしていた。
しかし、ピウス皇帝から風呂の建造依頼を受けたある日、再びルシウスは日本にタイムスリップすることになる。