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概要編集

「加賀恭一郎シリーズ」は、東野圭吾による推理小説シリーズ。

1986年の東野のデビュー第2作『卒業』で初登場、その時は国立T大学に通う大学生で、在学中に巻き込まれた連続殺人事件の探偵役だったが、1989年の『眠りの森』で「作者のちょっとしたイタズラ心」から、警視庁捜査一課の刑事として再登場する。

東野にとって加賀は「自分がしっかりキャラクターを持っている人物」「自分がやったことのない実験作に挑む際に登場させることが多い、頼りになるキャラクター」であり、1990年代中盤から後半にかけては『悪意』や『どちらかが彼女を殺した』『私が彼を殺した』『嘘をもうひとつだけ』といった本格ミステリ的趣向の話題作にも登場した。『悪意』以降、加賀は脇役といえる位置づけに回ることもあり、『どちらかが彼女を殺した』では本庁から所轄の刑事になっている。

そして、2006年刊行の『赤い指』では、ついに主人公に昇格。自らの家族と向き合いながら、どこにでもある家族の闇に迫る姿、2009年刊行の『新参者』では日本橋人形町を歩き回る姿が描かれた。『麒麟の翼』では親子の愛情について深く掘り下げられた。


これまで1993年にテレビ朝日で、2001年・2002年にNHKでドラマ化され、2006年には『新参者』シリーズとしてTBS日曜劇場枠で阿部寛を主演に迎えてドラマ化。世間ではこちらが有名。ドラマ放送後、SPドラマが2011年、2014年に放送され、2012年と2018年に映画が公開された。


登場人物編集

長身で肩幅が広くがっしりとした体型。彫りの深い顔立ちであるため、逆光で目元が黒く見え、顎は尖っている。喫煙をしないので歯が白く、笑うと爽やかな印象を周囲に与える。『新参者』では少し髪を伸ばしている。

心優しくリーダーシップと協調性があったが、警察官になってからは単独行動が目立つ。能弁ではないが寡黙でもない。情は深いが冷静沈着。犯罪者に対しても優しさや思いやりを失わないで、隙のない鋭い人間観察眼ですばやく事件を見通せる。社会学部出身の文系だが、工学・化学・情報科学にも詳しい。『新参者』では何度も事件に関係ない質問をするので、町の一部の人からは変人扱いでTシャツにシャツといったカジュアルな服装で周りの警察官達からはいけすかない奴と思われている。


恭一郎の従弟で警視庁捜査一課に勤務している。かつては三鷹の古い借家に住んでいたが、捜査一課配属と同時に高円寺のマンションに移り住んだ。母・克子と2人暮らし。克子には結婚歴があったが、最初の夫は若くして病死。脩平は2番目の夫との間の子であるが、脩平が幼い時に事故で亡くなったため、父親に関する記憶は全く無い。なお、その2番目の夫は他の女性と結婚しており、離婚が成立しないまま克子と同棲していたため、克子と正式な婚姻関係は無い。

自身が中学に上がる頃に、高崎から東京に引っ越したが、その際に伯父の隆正が水商売をしていた母に東京での就職口を見つけ、自分達親子が東京で生活できるように援助してくれたことを知ってからは、隆正を実父のように敬愛するようになり、その隆正が就いていた職種だという理由から刑事を志した。隆正が病に伏してからも彼の元を訪ねようとしない恭一郎に当初は大きな不満を抱いていたが、隆正が息を引き取った後に恭一郎と隆正の深い絆を知る。恭一郎のことを「恭さん」と呼んでいるが、勤務中は「加賀さん」と呼ぶように恭一郎に指示された。



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