概要
1968年1月7日~同年12月29日にかけて放送されたNHK大河ドラマ。
明治百周年を記念して製作された。原作は司馬遼太郎作の同名小説。
大河ドラマ最後のモノクロ作品であり、また大河ドラマ初の司馬遼太郎原作作品。
企画・制作
前作に続く幕末ものであり、同じ時代が連続する稀な例となった。
脚本を担当したのは、映画出身である水木洋子であった。だが、彼女の書く脚本は、書いた本人は45分を想定していても、「間」などを取り込んだ結果1話分の尺に収まらず、当時の演出担当であった辻元一朗は編集カットをせざるを得なくなった。
また、制作途中に水木と辻元の関係が悪化してしまい、辻元が降板させられた結果、新たな演出担当が和田勉に変更になった。和田は演者達に「今までの2倍のスピードでセリフを言ってくれ」と要請し、(評判とか見やすさはさておき)辛うじて水木の脚本を45分の尺に収めることだけはできた。
だが、視聴者にしてみれば急に作品のテンポが上がって印象が変わったため、これが後に花の乱が出てくるまで最低視聴率だった一因でもあるかもしれない。
主演であった北大路欣也は役作りのために坂本龍馬が取得していた北辰一刀流を学んだ他、三味線、一弦琴を取得した。
主演の北大路について、原作者であった司馬は
ぼくが竜馬を書いたのは、生き生きとした青春を竜馬に感じたからなんです。とにかく竜馬は男も女もほれる男ですよ。その点あなたはどことなく竜馬に似ているし成功まちがいなしだ
と直接本人に絶賛された。
なお、北大路が演じた坂本龍馬は大河ドラマ初の地元の方言で演じられた。そのため、北大路は土佐弁を覚えるために自宅での会話も土佐弁だったという。
反響
初回視聴率22.9%、最高視聴率22.9%、平均視聴率14.5%と、視聴率は低迷し、『花の乱』が最低記録を更新するまでの大河ドラマでは歴代最低であった
主な登場人物
- 坂本龍馬…北大路欣也
- おりょう…浅丘ルリ子
- 坂本乙女…水谷良重
- 坂本八平…北龍二
- 中岡慎太郎…新克利
- 岩崎弥太郎…中尾彬
- 後藤象二郎…石田太郎
- 武市半平太…高橋英樹
- 岡田以蔵…前田吟
- 山内容堂…徳大寺伸
- 桂小五郎…高橋昌也
- 高杉晋作…和田浩治
- 久坂玄瑞…津川雅彦
- 西郷吉之助…小林桂樹
- 大久保一蔵…土屋喜男
- 島津久光…戸田晧久
- 松平春嶽…渡辺文雄
- 松平容保…岩井大三郎
- 岩倉具視…二谷英明
- 三条実美…青山哲也
- 徳川慶喜…尾上辰之助
- 勝海舟…加東大介
- ジョン万次郎…井川比佐志
- 近藤勇…森幹太
- 土方歳三…金内吉男
スタッフ
脚本:水木洋子
音楽:間宮芳生
映像の現存状況
現存する映像は第16話のみで、その他の映像は通常放送回、総集編ともNHKには現存していないとされるが、NHKより発売されているビデオには16話以外とみられる映像が入っており、当該以外の映像が現存する可能性がある。