概要
1993年1月10日から6月13日まで、全23回を放送。陳舜臣の同名小説を原作とし、16世紀末~17世紀初頭にかけての琉球史をテーマに描かれた作品である。前年より行われていた大河ドラマのスリム化(※)の一環により、本作は大河ドラマ史上唯一となる半年間の放送期間である事でも知られる。
のみならず、いわゆる「主流の歴史観では顧みられる事の少ない悲哀の歴史」を描くという意図のもと、大河ドラマ史上初の沖縄県を舞台とする試みや、これまた史上初のフル歌詞付きのオープニング、やはり史上初の総集編の沖縄弁吹き替え放送など、とにかく史上初が多い。
1980年代以降に制作された大河ドラマとしては珍しく、本作は本編・総集編ともにVHS・DVDを含めて長年に亘りソフト化が全くされていなかった。放送30周年を迎える2023年4月21日になってようやく、本作の完全版並びに総集編のDVDが発売されたが、その時点でも出演者の一人が出演している他の大河も、本編のソフト化が実現に至っていない事から、これが未ソフト化に影響しているのではないか、との声も一部ではまことしやかに囁かれていたものである。
再放送については、放送終了から5年後の1997年に、沖縄本土復帰25年を記念してNHK総合テレビで全編が、2019年12月に沖縄ローカルで総集編が2夜連続でそれぞれ再放送されている。
平均視聴率は17.3%、最高視聴率は24.1%。舞台となった沖縄県では、第1回の視聴率がなんと82%であったらしい。沖縄県民の地元愛の凄さを思わせる数値である。
(※本来このスリム化は本作、そして後番組として9ヶ月間放送された『炎立つ』を準備期間に位置づけ、それまでの1月を始期とした1年サイクルから、連続テレビ小説と同様に4月・10月を始期とした半年サイクルへと移行するという意図があった。しかし、このスリム化はお世辞にも評判が良かったとはいえず、またこれも含めたNHKの組織そのもののスリム化を推進していたNHK会長の島桂次が既に辞任していた事もあり、結果として翌年4月から放送の『花の乱』を9ヶ月へと延長した上で、翌々年の『八代将軍吉宗』からは再度1月開始の1年サイクルに戻されている)
登場人物
架空人物(琉球の人々)
- 啓泰(演:東山紀之)…密航船生まれの主人公。
- 啓山(演:渡部篤郎)…啓泰の異父弟。
- 楊邦義(演:萩原健一)…啓泰の父。中国人の血を引いている。
- 蔡真鶴(演:小柳ルミ子)…啓泰、啓山の母。
- 阿紀(演:原田知世)…琉球の海商の娘。
- 羽儀(演:工藤夕貴)…琉球の海商の娘。両親は他界している。
- 鶴球陽(演:羽賀研二)
- 奇羅波丸(演:清水宏次朗)
- 震天風(演:ショー・コスギ)…武術の達人で、啓泰の師匠。
- ケン(演:ケイン・コスギ)
- 真加那(演:中原ひとみ)
- イソバ(演:森光子)
- 高翔(演:三木のり平)
- 巴知羅(演:間寛平)
- 軍陀利(演:毬谷友子)
- ウシ(演:坂本スミ子)
- 武樽(演:佐藤和紀)
- テーゲー親方:(演:藤田敏八)
琉球王国関係者
日本の人々
豊臣家
島津家
徳川家
明国の人々
- 夏子陽(演:修宗迪)…明の皇帝から差遣された正使。
- 王士禎(演:郭良)
イギリスの人々
- リチャード・コックス(演:ケント・ギルバート)
- ウィリアム・アダムス(演:ジェームズ・バーカー)
関連タグ
谷村新司 - オープニングテーマ・挿入歌の歌唱を担当
ちゅらさん 純と愛 ちむどんどん - いずれも沖縄を舞台にしたNHKの朝ドラ。
信長 KING OF ZIPANGU→琉球の風→炎立つ