概説
「葵徳川三代」は西暦2000年の大河ドラマ。徳川慶喜、元禄繚乱に続き三年連続で江戸時代を扱った作品となったが、前二作とは異なり好評を博した。今日でも傑作との評価が高く、2019年4月よりBSプレミアムで再放送されている(日曜朝6:00)。
大河ドラマ初のハイビジョン制作。
脚本は、大河ドラマ「独眼竜政宗」や「八代将軍吉宗」を手掛けたジェームズ三木氏が担当。
出演
徳川家
約260年に渡り続いた江戸幕府の初代征夷大将軍。秀忠に将軍職を譲った後も実権を握り、駿府に君臨する。
江戸幕府2代将軍。関ヶ原の戦いに遅参して家康に叱責されたり、正室の江の尻に敷かれるなど当初は頼りなさを見せていたが、家康の死後、徐々に威厳をつけていく。
- 徳川家光(尾上辰之助(現・4代目尾上松緑))
秀忠・江夫妻の長男。利発さに欠ける性格だったため廃嫡の危機にあったが、祖父・家康の裁定により将軍世子に定められる。
- 徳川忠長(高杉瑞穂)
秀忠・江夫妻の次男。兄・家光より才気に優れていたため両親は家光を廃嫡し忠長を将軍世子に考えるが、祖父・家康の命により将軍世子は家光に定められる。
秀忠の正室、家光・忠長の母。淀殿の実妹。
家康の次男。越前藩主。
- 松平忠輝(阪本浩之)
家康の六男。越後高田藩主。
徳川家家臣
- 本多忠勝(宍戸錠)
- 井伊直政(勝野洋)※かつて徳川家康(大河ドラマ)・独眼竜政宗にて秀忠を演じている
- 榊原康政(清水紘治)
- 本多正信(神山繁)
- 本多正純(渡辺いっけい)
- 土井利勝(林隆三)
- 天海(金田龍之介)
- 金地院崇伝(大河内浩)
豊臣家
豊臣家家臣
大名
語り手
水戸藩2代藩主、家康の孫にあたる。
出演者余談
キャストは実力派の俳優が多く起用され、いずれも好演している。津川雅彦の演じた徳川家康、西田敏行の演じた徳川秀忠らは印象が強く、特に人間臭い描写の多かった西田=秀忠の印象は長く残った。2000年代から2010年代には西田が出演している大河ドラマの動画がアップロードされると西田を「秀忠」と呼ぶコメントが多数つくこともあった。
このほか、お笑い芸人の松村邦洋は津川の家康の演技を芸に取り入れている(他の津川キャラの演技と組み合わせることもある)。
また、ささきいさお、磯部勉、てらそままさき、菅生隆之、土師孝也、井上倫宏といった声優を兼業している俳優がいたのも特徴。当時子役として出演していた黒沢ともよ(黒沢朋世名義)、尾崎由香(尾崎千瑛名義)も、後に声優として有名になる。
余談
- セリフが現代語混じりではなく、語尾のござそうらわずやなど本格的な侍言葉が多用されたことが関係者の間では評価が高い。
- 普通の大河では甲冑は在庫が使い回される傾向にあるのだが、本作では多数の変わり兜、具足が特注されていてその点豪華である。
- 同じ脚本家による大河ドラマ「八代将軍吉宗」では、津川雅彦演じた徳川綱吉が、西田敏行演じた徳川吉宗に対して、「わしはそちのような息子が欲しかった…!」と言う場面があったが、その数年後、それがこのドラマで中の人つながりで実現することになった。
- 本作の主役はリレー形式だが、第1話から最終回手前の第48話まで出演する徳川秀忠が最も登場シーンが多いため、事実上の秀忠主役大河と見なす視聴者も多い。
関連タグ
徳川家康(大河ドラマ):同じく家康が主人公である昭和の大河ドラマで、何人かの出演者が共通している