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お宝返却大作戦!!

おたからへんきゃくだいさくせん

『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第15作。 ハイライトシーンは光り輝くサグラダ・ファミリア。
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概要編集

「ルパン三世 お宝返却大作戦!!」はルパン三世TVスペシャル 第15作品。当初、製作スタッフによって付けられていた仮題は「ガウディの調べ」。


監督の川越淳は、『ルパン三世 PartIII』では作画で参加しており、満を持してルパン作品で初めて、監督を手がける事になった。ストーリーは川越が出したプロットが没になり、その代わりに柏原寛司が書いたプロットに、川越のプロットの案を反映させた形になっている。


この作品の特徴は、シリーズの中でも、取分け武器や政策などの知識がないと理解できない細かい演出(五ェ門が刀の根釘を舌でなめる、ラッツが「グラスノスチの弊害だ」と愚痴る、ルパンと次元による「オートマリボルバー」論争など)が散見される事である。


本作では久しぶりにテレビシリーズで使用されていた、タイプライターによるタイトル打ちが復活している。

音楽PART2当時の音源を使用しているという徹底ぶり、ただし音楽だけはアルカトラズコネクションでも流用されている。


また、TVスペシャルシリーズで初めて、終わりを意味する「Fin」と言うテロップがエンディングの最後で流れた作品でもある。


2019年12月27日にはYouTubeの「TMSアニメ55周年公式チャンネル」にて本編の無料配信(21時からのプレミア配信→アーカイブ配信)が行われる。


あらすじ編集

今は亡き、泥棒仲間であったマーク。 ルパンは、マークがかつてサグラダ・ファミリア最上部から盗み出したトリックダイヤを狙うが、 それを手に入れるためには、今までマークが盗み出した7つのお宝を元あった場所に返さなければならないと言う。

マークの遺志を継ぎ、ルパンにお宝返却を依頼する不二子。 マフィアに接触する彼女に、他意は無いのか…?

そのマフィアのボス・通称ラッツや、彼に従う暗殺者ミーシャが、 同じくトリックダイヤを求めてルパンたちの前に立ち塞がる──!!



オリジナルキャラ編集

イワン・クロコビッチ(ラッツ)編集

CV山寺宏一

ロシアにてカジノと墓地を経営する男だが、正体はグルジアマフィアの首領であり、せこい手口で荒稼ぎすることからラッツ(ドブネズミ)というあだ名が付けられている。

冒頭にてルパンに狙われていることを銭形から警告を受けるものの、警備は万全としてルパンを歯牙に掛けていなかったが、停電から自家発電に切り替わる際に監視カメラが作動不良を起こすという盲点を突かれ売上を盗まれる。以降復讐のために直属の殺し屋であるミーシャを送り込んでルパンを殺害しようとするが、ルパンを裏切った不二子の内応を受けるとルパン殺害を撤回し、不二子を介してルパンを泳がせ、トリックダイヤが現れる瞬間に奪い取ろうと画策する。そして入手まであと一歩というところまで迫ったが、マークの遺した罠によってルパンに出し抜かれてしまう。その後不二子に裏切られた事を知り、同じように不二子に裏切られた同業者達と手を組んで実力行使によりトリックダイヤを奪わんと夜明け前のサグラダ・ファミリアにて激しい戦いを繰り広げる。ラッツ本人はダイヤを持つルパンと壮絶な鬼ごっこの末に尖塔の頂上付近で膠着状態に陥るが、突如発生した濃霧により視界が遮られ、その中に現れた深手のミーシャをラッツと勘違いしルパンが発砲。本人は「弾避け」と言いながらも咄嗟にミーシャを庇って重傷を負い、自分の敗北を悟ると、ルパンに対し、祖父から聞かされていたトリックダイヤの真実を語り、宝を見れない事を悔やみながらミーシャと共にサグラダ・ファミリアの雲海の下へ消えていった。


トカレフ編集

CV北村弘一

ラッツの執事的な存在。だがその役割は執事に囚われず、ラッツの護衛から諜報、拷問までと手広い。

優秀な人物ではあり、不二子を出し抜いてトリックダイヤの鍵であるマークの遺言書を奪うが、その後マークの仕掛けたブービートラップを回避できずにラッツに殴られたり、拷問中の次元に一瞬の隙を突かれて逃走を許したりと抜けている場面も目立つ。同じガンマンであった次元と因縁をつけており、銃の腕は概ね互角。自動拳銃マカロフを愛用しており、リボルバー使いの次元にオートマチックの優位性を豪語するが、次元が撃ち砕いた資材の木片が詰まって排莢不良を誘発され、尚も諦め悪く引き金を必死に引こうとするも、最後は呆気なく撃ち負けた。また次元には「トカレフマカロフか」と冗談を言われる。


ミーシャ編集

CV五十嵐麗

ラッツ直属の暗殺者。ラッツとはビジネスライクな関係にあり、ラッツ自身も「弾避け」と言ってはばからないが、度々キスを交わすなど互いに気があった。

もとはグルジアの貧農の家に生まれ、祖父が父を殺し、自身が祖父を殺すという荒んだ家庭で育つ。その後は二刀流のナイフと祖父を殺したモーゼルM712を愛銃にした非常に優れた殺し屋となり、ルパンと交戦するまでは無敗を誇った。

ラッツの実行部隊として度々ルパン一味と交戦しており、五ェ門の恩人を殺害し、五ェ門の肩を狙撃銃で撃ち抜くなど特に五ェ門とは因縁深い。サグラダ・ファミリアの戦いでは次元に愛銃を破壊されたためナイフで五ェ門と戦うが、先の負傷が癒えていないこともあり一時は優勢となるが、油断を突いた反撃により重傷を負う。五ェ門に自身の殺害を求めるが、拒否されラッツの元に行き、ルパンの銃撃を庇ったラッツの腕の中で息を引き取る。


マーク・ウィリアムズ編集

CV八奈見乗児

ルパンの怪盗仲間でありライバルでもあった老人。本人曰く「いつも俺が勝っていた」らしい。本編の10日前に亡くなり、冒頭に彼の葬式が執り行われた。それを知ったルパンが秘蔵のお宝「トリックダイヤ」を盗もうと画策するところから物語が動き出す。

生前はかなりの道楽家であり、財宝などではなく傍から見たらガラクタや、それなりの意味を持ったものを多く盗んでおり、この事についてルパンは「盗む過程が面白い」と、自分と同じ性分であると評していた。

既に故人であるが、トリックダイヤへと導く遺書ともいえる映像データを多く遺しており、死してなおルパンとラッツを引っ掻き回す。また、映像での飄々とした口調とは裏腹に、不二子の裏切りや第三者の横入りを見越し、予備の映像データや、映像データの閲覧者がルパンであるか確認の為の「テスト」と称して、引っ掛け問題を仕掛けておくなど、勘の鋭さや用心深さも見せていた。

ルパン曰く「こと女に関しては固かった」との事で、不二子のような美女にも一切なびくことはなく、生涯独身だった。その理由は下記のアニタに関係する。


アニタ編集

CVりの

駆け出しの美人な建築家。以前は良いデザインを多く描いていたようだが、最近はスランプ気味で落ち込んでおり、劇中では建築家の道を諦めようとも考えていた。

マークの葬式に参列していた際にルパンと顔を合わせるが、この時は一瞥をくれた程度だった。その後しばらく出番が無かったが、中盤から終盤に物語が差し掛かるあたり、偶然車の陰にいた重傷の五ェ門を見つけて助け、自宅に匿っていた時にルパンが訪ねてくることでルパンとの面識を得る。そしてルパンによって明かされたトリックダイヤの隠し場所とは彼女の家に置いてあった何の変哲もないぬいぐるみの中だった。

12歳の頃に両親と死別し、以降マークがあしながおじさんのように匿名の支援者を装って陰ながら援助をしており、その事を知ったのはマークの葬式の時だった。ぬいぐるみを渡したのもマークであり、事前に「ルパンという男が訪ねてきたら渡すように」と伝えていた。

彼女の母レティシアから、母がかつて年齢の離れたとある男性に初恋をしていた(しかしその人は自身を娘のようにしか思っていなかったとも語っていた)事を聞いており、後にルパンとの会話の中で、母の初恋の相手がマークであることに気付く。実はマークもレティシアを愛していたのだが、歳が離れすぎている事を鑑みて本心を押し殺し、独身を貫いていたのだった。(つまり真実は相思相愛であったわけで、五ェ門は「悲恋」、ルパンは恋の事も援助の事もアニタに隠したまま死んだマークを「墓場まで秘密を持っていくとはマークらしい」と語った。)

ルパン一行とのやり取りを経て、ラストでは再び建築家として励んでいくことを誓う。


カルロス編集

CV辻村真人

マークの幼馴染の老人で、バーのマスター。アニタの母レティシアとも面識があったようで、アニタとの初対面時ではレティシアと間違えており、どうやらアニタは母によく似ていた模様。

マークとは長い間音信不通だったようで、彼が10日前に亡くなっていたことを知らなかった。

マークから「毎日サグラダ・ファミリアを眺めてみな。きっといいことがあるから」と告げられ、それ以来毎日双眼鏡でサグラダ・ファミリアを観察している。


アントニオ・ガウディ編集

CV松岡文雄

実在の人物。作中ではトリックダイヤを鍵とした仕掛けをサグラダ・ファミリアに施しており、そのことを直接聞いた幼少の頃のマークは密かにトリックダイヤを盗み出してしまう。



作中で返却したお宝編集


マークが生前、盗み出していたお宝でレプリカが飾られていたものばかり。

彼の遺言で全て返却し終えたらトリックダイヤの隠し場所を教える、ただし期限以内に返せなかったらトリックダイヤを爆発させるという条件をつけていた。

以下は返却したお宝


ローマの休日でも有名な、嘘つきかを見定める彫刻。


1700年代にヨーロッパで初めてコーヒーを出したカフェで使っていたもの、ルパンは偶然合流した五ェ門にこれを持たせて行った結果、五ェ門が盗んだと勘違いされて警察を呼ばれる事態になっている。


  • ゴンドラ (同上)

ヴェネチア名物のなかでも『007 ムーンレイカー』の撮影で使われたもの、ミーシャの追撃にあって手間取りここで一度銭形に捕まっている。


  • 踊り子のドレス3着 (パリ)

ムーラン・ルージュというキャバレーのオープン当時の衣装。

これを直接返却するのに、ルパンたち三人が女装して潜入、更に1着のレプリカを銭形が着てフレンチカンカンを踊っている


中東の国王がドイツのメーカーに発注し、完成後に国王が暗殺されて博物館行きとなった特注品。

ミーシャの追撃を巻くのに、トレーラーからこちらに乗り換える。(最高時速300キロ以上を出していた)

車種については明言されていないが、メルセデス・ベンツの300SLRと似ている。


最後に返却したお宝で、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話人魚姫にちなんだ石像。

現実でも盗難や破損の被害にあっており、オリジナルはエドヴァルド・エリクセンの子孫が保管してる模様。



トリックダイヤ編集

本作のキーアイテム。別名"ダークダイヤモンド"。

サグラダ・ファミリアの内、ガウディの生前に唯一完成した生誕のバザード左端の塔「聖ベルナベの塔」の最上部にガウディ自ら埋め込んだ漆黒の石。特殊なカットが施されており、一度入った光は内部で反射を繰り返して二度と外へ出てこないため、黒色になっている。

『ダイヤ』と名が付いているが実際は隕石を加工したもので、次元曰く「ゴミクズ以下」で手を出す盗人もいない(むしろバカにされるかもしれない)というガラクタ。


...というのが一般的な認識

ラッツが語った所によると、出処はかの"ツングースカ大爆発"の起こった土地でガウディが残留物の中から持ち帰ったもので、一説ではUFOの破片から作られたものとも言われている謎の多い代物。(この時ガウディに同行した調査隊の隊長がラッツの祖父で、直接祖父から話を聞いたラッツのみ事実を把握していた。ただしルパンも「この石が世に出てから数十年、ずっと光を貯め込んでいる」と語っている事から、単なる隕石ではない事は知っていた模様。)

聖ベルナベの塔最上部にダイヤが埋め込まれた状態でしかるべき日時を迎えると荘厳なるお宝が姿を現す』という仕掛けがガウディによって施されているが、その『しかるべき日時』はマークがガウディから話を聞いた数十年先の話であり、マークがダイヤを盗み出したのは、フランコ独裁政権から始まるスペイン内戦の中でダイヤが失われる事を防ぐためだった。

そして物語のクライマックス、来る時にあるべき場所へと戻ったトリックダイヤの真価が発揮される事になる。


関連タグ編集

川越淳 オートマチックピストル リボルバー ガウディ


ファーストコンタクトお宝返却大作戦‼盗まれたルパン


ローリングピーチズ(後に三人揃って女装した姿)

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